整理しよう。
まず、精市と弦一郎、それに丸井と赤也が尋ねてきた。久しぶりに大人数だ。弦一郎の手土産の酒と俺の手持ちじゃ足りない、と、赤也が言い出して・・・・それから、皆でじゃんけんをした。
負けた俺と精市とでコンビニにいくことになって、それから・・・・外でみょうじさんと鉢合わせた。ここまではいい。問題はこれからだ。
まだ外に出ていなかった精市が鍵をしめたんだ。すぐに届いたメールには小一時間したらあけるから、とだけ かかれていて。
さらに、なぜかそれに彼女もついてきて・・・・いま、肩を並べて歩いている。
精市がちょっかいをだすのは予想の範疇だ。しかし、彼女が俺についてくると言い出したのは予想外だった。
「仲、いいんですね」
「ああ、古くからの部活仲間なんだ」
「部活!わかった!剣道部だ」
「残念ながらはずれだ」
「えー・・・じゃあ・・・・えっと、・・・・・・水泳・・?」
「テニスだ」
「テニス!ちょっぴり意外ですね!」
「そうだろうか」
「わたしは帰宅部なんで、なんだかそういうの羨ましいなあ・・・あ!テニス、強かったんですか?」
今日の彼女はやけに饒舌だった。・・・女子高生のテンションはこんなものなのか、考えてはみるが生憎俺に真意を知る術はない。むしろ話題を提供されたのは好都合だった。隣人とはいえ、年のはなれた、しかも学生にすすんで話をできるちからは俺にはない。
みょうじさんはえらく真剣に俺の話に耳を傾け、詳細を知りたがった。立海テニス部のことだけでなく、身の回りのことまで、だ。彼女自身、すこし躊躇しながらも確実に聞ける話題を選んでいる。そう感じさえした。
そういったわけで、結局コンビニにつくまで話題は絶えることはなかったのだ
俺にそこまでの興味をもつ理由は正直いって、わからない。思い当たることは一つあるにはある、が・・・・それはありえない、と断言できる。
「これで最後ですね」
「ああ、ありがとう」
ひとまず頼まれたリスト通り酒をカゴにいれることは出来た。
ついでになまえさんになにか買ってやろうとするも、この時間の食べ物は危険、と・・・彼女はかおをしかめてレジ横に並ぶケースから必死に目をそらす。
さらにすすめると、こどもあつかいするな、ときたものだ。
コンビニをでて、再び歩き出しながらも俺は考えていた。どうも頭からはなれないことがある。さっきはない、と断言したことだが・・・・・違う、ともいえなくもなく、しかし・・・
ただの、憶測に過ぎない上に、あたっている確率は極めて低い。
「どうかしましたか?」
「・・・・・難しい年頃だな」
「どういう意味ですか!」
「いや、ただの独り言だ」
「・・・柳さん、は、年下はお嫌いですか?」
考え込む俺に、彼女が声をかけないはずもなく。ただ思ったことを言えば、彼女はおどろいた様子をみせたが・・・・それ以上に驚かされたのは俺の方だった。
視線を感じ、慌てて平静を装うが・・・どうにも部が悪い。
「・・・・・・・特に、考えたことはないが」
「じゃあ、じゃあ・・・わたし、あの、がんばります」
がんばりますから、
みょうじさんはう一度、念を押すようにそういう。俺は気がつけば目を見開いたまま足をとめていて。
月明かりに照らされた彼女の頬が真っ赤に染まっているのを、じっとみつめた。(みていることしか、できなかった)
20130611
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