衛兵A
「知っているか、ここだけの話――王女とラインドール副団長の婚約破談の件。あれ、どうやらグランドール騎士団長が王女を強引に寝取ったらしいぜ」
衛兵B
「上司が部下の婚約者をって、そんなことしていいのかよ。騎士の名を返上した方がいいんじゃね」
トーマ
「本当は違うんだろう、エドワード。衛兵達のくだらん立ち話を放っておいていいのか? 騎士団長の名誉毀損だけでなく王女の貞操観念にも繋がる話だし、不敬罪で締めた方がいいと俺は思うが」
エドワード
「否定すればするほど、ああいう連中は余計に面白がるんだ。好きに言わせておけばいい。俺が言われているうちは、別に構わないさ」
トーマ
「相変わらずお人好しだな。お前が良いなら放っておくが」
衛兵C
「おいおい待てよお前ら、それはただの噂だぜ。王女と騎士団長に身体の関係がないのは、二人の雰囲気見りゃ分かるだろ」
衛兵B
「まあ、言われてみればそうかも」
衛兵C
「――いいか、真相はこうだ。実は、ラインドール副団長とグランドール騎士団長がデキていた……これに間違いはない」
トーマ
「おい、待て落ち着け、冷静になれエドワード! その抜いた剣で彼奴らをどうする気だ。言わせておけばいいんじゃなかったのかよ、急に動揺し過ぎだろ」
(END)
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