泡沫
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先日の買い物中に、思わぬ出会いを果たしたが大きな収穫があった。環境が整い次第、彼らの現在の所属を調べなくてはと思っていたところだったのだ。警察のセキュリティにアクセスするにはまだ準備が足りないので、東京の高校や大学の卒業生名簿を片っ端から当たろうと思っていたが手間が省けた。
諸伏は現在寮暮らしと言っていた。そして、そのうち一人暮らしをするような話しぶりでもあった。そして、"松田たちが待っている"と言っていた降谷…。彼らのプロフィールに詳しいわけではないが、松田と降谷の出会いは警察学校だったと記憶しているので、彼らは警察学校に在籍していると予測できる。
「警察学校に在学中ってことはみんな生きてるよね」
そして、卒業して配属されたのちの今年11月7日…最初の悲劇が起きる。今は6月…あと半年近くあるがまだ情報屋として活動を始めることもできてないなまえができることは限られてくるだろう。
覚えているのはどこかのマンションで爆発物が見つかり、処理中に爆死するということ…。確か解体途中で犯人がタイマーを動かしたことが原因で解体が間に合わなかったはず…。と、過去に漫画で読んだ記憶を呼び起こす。
タイマーは、遠隔操作されると考えれば爆弾の近くで電波を遮断してしまえばいい。電波遮断のための機械はそんなに難しくなく自分で調達できるだろう。問題は、どこに爆弾があるか…だ。
警視庁に爆破予告が届くはずなのでその情報を手に入れられれば良いのだが生憎方法がない。なにか他の方法を考えなくては…。
それと同時に、他の人の事件についても覚えている限りで暗号を使ってノートにメモをする。
名探偵コナンの時間枠まではあと7年あるのだ。萩原の事件は今年だが、そこから松田の事件まで4年は開くはず…。人間の記憶というものは朧げで、4年後自分がどこまで記憶しているか不安だったためしっかりメモをしておこうと思ったのだ。
(記憶力は、いい方なんだけど…)
動体視力も良く、瞬間記憶に近い記憶力を持つなまえだったが、異世界へきたことの弊害なのか日に日に元の世界のことを忘れていっている気がしていた。
幼少期に好きだった絵本など、鮮明に覚えていたハズなのに今やタイトルすら思い出せない。若干1ヶ月でこの有様なので、年単位で時間が経ったらどうなってしまうことやら…。
「家族のことや同僚たちは、忘れたくないなあ」
意図せずとも、自分が置いてきてしまった大切な人たち。彼らは今どうしているのだろうか。行方不明者としてなまえを探しているのか、それとも存在ごとなかったことにされているのか……。
どちらにせよ、大切な人たちとの思い出が失われてしまうのは、とても耐え難いことだと思った。
そして、もう一つの弊害…というべきだろうか。信じられないことに、なんだか若返っている気がするのだ。
元の世界では24歳だったなまえだが、肌のハリツヤが以前より良かったり、顔立ちが少し幼くなっているのだ。残念ながらこちらの世界に戸籍や身分証がないため確証はないが、推定20歳くらいだろうか…。
最初は、徹夜など不摂生な生活から脱したから健康的になったのかと思っていたがそうではなさそうだ。
(え、このまま「見た目は子ども!頭脳は大人!になったりしないよね)
なまえは、この不可解な現象にこれ以上悪化しないことを祈るしかなかった。
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