お友達と友人
「アキちゃんその怪我どうしたの!?」
「誰にやられた、私がやり返して来る」
昨日の怪我は結果として両手と膝に擦り傷、口元に内出血のあざができた。なるべく目立たないように肌色のテープを使ったものの、会うなり鶴姫とかすがは殺気立った。かすがが血の気の多い反応をするのは想定内だったが、鶴姫までもが私も行くとかすがに同調したのが意外だった。
「二人とも落ち着いて。大丈夫だから」
「大丈夫じゃない!どうせあいつらの関連だろう!?あの男ども、普段ウザいくらいにアキに纏わりついておきながら、こんな怪我を許すなんていったい何してたんだ!」
かすがの激昂にはちょっと頷きかけるが、私が一人でなんとかなると甘くみてついて行ったのが悪いのだ。
「なんで私を呼んでくれなかったの?私その辺の女の子になら負けないよ?」
完全に相手を女の子だと断定している鶴姫の発言が怖い。こんな可愛い顔をして喧嘩もできるの鶴姫?中学時代に運動神経が良かったのは知っているが、喧嘩沙汰など無縁に過ごしてきたので知らない一面に驚く。
それに、私には、私のことでこんなに憤ってくれる友達がいることが嬉しかった。
「もう対処は頼んであるの、だから本当に大丈夫。心配してくれてありがとう」
「クラスが離れてるのが、もどかしい。同じクラスならずっとそばにいられるのに」
「今後はできる限り一緒に行動しよう」
「二人は部活もあるし、無理しないで。気持ちだけもらっとく」
時間割が違うしクラスも離れているせいで流石に四六時中は無理がある。それに二人は部活に入っていて、私は帰宅部だ。高校に入って一層一緒にいる時間が減ってしまったのは仕方のないことだと思っている。そういえば、同じクラスで思い出した、才蔵にも変な心配かけそうだ。私と噂が立ってから、才蔵は猿飛先輩にさらなる誤解をさせないように凄く距離をとっているが。昨日呼び出された時は教室に才蔵はいなかったし、私の怪我を見たら絶対何があったか問い詰めてきそうだ。
友人2人をなんとか宥めて、多分政宗先輩も、元親先輩もこの件を知ったらめちゃくちゃ怒りそうだな、と気が重くなった。
朝のHR前。案の定、何があった!?と問いただしてきた才蔵を落ち着かせていると、滅多にならない校内放送のチャイムが鳴った。
『次の者は、至急会議室に来い。2年C組山川理穂、3年A組高橋美来……1年B組神代アキ』
声の主は片倉先生。呼ばれた名前は全部で7名。なんとなく察しがついた。
「才蔵…たぶん、これで決着つくと思う」
「片倉先生が呼び出してるってことは、伊達先輩も勿論動いてるんだろうな。まぁ頑張れ」
その頑張れは、私に政宗先輩に存分に叱られてこいという意味だ。うわ、急に会議室に行くのが怖くなってきた。早く行ってこいと背を押されて渋々教室を出た。