上書き
微かに震える私を気遣うように優しく触れる指先。
「……本当に平気?」
「大丈夫、です」
佐助さんとの記憶の中で一つでも嫌な思い出は残しておきたくなかった。本当に自分でいいのかと、真剣な顔で言う佐助さんは、未だに眉根を寄せたまま。
今更何を言うんだ。上書きなら大好きな人にしてもらうに限る。それにもう佐助さん以外に触れて欲しいと思えないのに。
「ごめん」
「もう謝らないでください」
苦しそうに呟く佐助さんの頬を撫でて、微笑む。昨日の行為のせいで未だに身体は震えるし、怖くないと言ったら嘘になるけど。少なくとも今の佐助さんに恐怖は感じない。それは本当だから。
「アキちゃん……」
ゆっくりと触れる唇を受け入れるように目を閉じた。
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※性描写有
例のごとく苦手な方はそのまま
願わくばへお進みください
大丈夫な方はそのまま下へ
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様子を伺うように、重ねるだけの柔らかいキスを何度も繰り返して、次第に深くなる。
「…、ふ……んぅ…っ」
ゆっくりと身体の奥から熱を引き出すように、舌を絡め取られて、吸われる。拙いながらも必死で応えると、優しく頭を撫でられた。密着した身体から伝わる体温が心地いい。強ばりを解くように丁寧に身体中にキスをされて、だんだんと力が抜けていく。
「……んあ、ッ、…ゃんっ…」
「ここ、気持ちいい?」
大きな手が胸を這って、弱い頂を弄ぶ。思わず声が漏れると、嬉しそうな佐助さんに耳元で囁かれた。
悔しいことに触れられるところ全てが気持ちよくて、フワフワする。けど、何だか素直に言うのは恥ずかしくて、黙ったまま下唇を噛んだ。顔は真っ赤だからきっとバレてるんだろうけど。
「アキちゃん、可愛い」
「なに言って…っ、ゃ、あッ……、」
私の様子に笑みを深めた佐助さんは、胸元に顔を埋めてきた。佐助さんの笑う表情が凄く好きだ。どきどきとうるさい心臓の上を、佐助さんの舌がなぞって、時折キツく吸われる。
ビクンと身体が戦慄いて、見ると、吸われた場所が赤く滲んで跡になっていた。それを満足そうに見た佐助さんはさらに執拗に繰り返して、私の胸元に点々と赤い跡を散らせていった。
斑になった私の胸とは対称的に、鍛え上げられた佐助さんの胸には、大小たくさんの傷跡があって。本当にこの世界の人じゃないんだと今更ながらに突き付けられている気がした。
「やっぱり怖い?」
じっと、黙って傷跡を見ていると、心配そうな声で聞かれた。伺うように頬を撫でた佐助さんに首を振って、彼の胸元にキスをする。
「っ、アキちゃん?」
自分にされたようにそのまま強く吸ってみたけど、跡は薄くしか残らない。これじゃあ、すぐに消えてしまう。
「……佐助さんばっかりずるい」
コツでもあるんですか?、と不満気に口を尖らせると、瞼や頬にキスが降ってきて、そのままぎゅっと抱き締められた。
「っ、なんですか」
「俺様幸せ過ぎてどうしよう」
目元を赤くしてふにゃりと笑う佐助さんに、つられて笑う。幸せなのは私のほうだ。今この時が永遠に続けばいいと願う。続かないならいっそ今死にたいと思うほどに。
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「...アアッ、そこ、や、だめぇ、……またイっちゃ ……ッ!、ふぁ…あんっ…」
弱い所ばかり責められて、何度目か分からない絶頂にびくびくと身体が震える。
「は、っ、佐助さんッ、の、変態ぃ……っ 」
「アキちゃんの反応が可愛くてつい」
悪びれた様子もない佐助さんに悔しさがつのる。さっきから指と舌だけで喘がされてるから尚更だ。
この先を躊躇っているのは、まだ私に気を使っているからなのか。上がった息を整えて、佐助さんに抱きついた。
「ん、どうしたの?」
「まだ焦らすんですか」
「...、」
ここまで来て躊躇うなんてなしだ。少しは信頼してほしい。私は絶対に拒んだりしない。全部、受け入れたい。
「…っ…佐助さんが欲しいです」
凄い恥ずかしいこと言ってるのは分かってた。でも、きっとそうでも言わないと、この人はずっと自分を許さない。
「ほんとに...」
もう謝罪はいらないと、声を無視するようにキスをすれば、それがダメ押しになったようで あっと言う間に向こうのペースにのまれた。
「……無理だと思ったらすぐに言ってね」
「んっ、」
額に優しいキスが落ちてきて、安心する。力の抜けたところにゆっくりと熱いものが埋め込まれた。
「ぁあっ、…〜〜ッ!」
散々焦らされたせいで、どろどろに溶けたソコは入れられただけで軽くイってしまう。きゅうと、締め付けると、佐助さんが少しだけ眉を寄せた。
何かを堪えるように、1つ息を吐いたと思ったら。ギリギリまで引き抜いては浅く入って弱い所をずるずると擦られる。茹だるような熱に浮かされながらも、最奥への刺激はないのが余計にもどかしい。
「ん?どうしたのアキちゃん」
「あぁッ、やぁ...んっ、いじわる...」
どれくらい経っただろうか。繋がったまま焦らすように腰を揺らして、絶頂の寸前で引き留められる。いくら身体を気遣っているとはいえ、こんな仕打ちは逆に酷だ。頭がおかしくなりそう。
「やっぱり怖い?やめる?俺様言ってくれなきゃ分かんない」
にっこりと愉しそうな笑みを浮かべる佐助さんは絶対確信犯だ。最低、変態!
煽るような言葉に理不尽な怒りが湧いたが、恥ずかしさよりもイけないことが苦しかった。涙目のまま佐助さんの首に腕を回し、キスをして。耳元に囁く。
「…おねが…っ……奥まで、して……!」
「ッ……エロいね、アキちゃん」
エロいの意味、やっぱり知ってたんじゃないか。いつかを思い出してそう思った瞬間、最奥まで深く突き上げられて、頭が真っ白になった。待ち侘びていた抽送に、あっという間に快感に呑まれる。降ってきた口付けに応えるように舌を絡めて。
「……ふ、あぁ!……ん、あっ、あぁッ……さすけ、さんッ、佐助さんッ…好き…っ……」
「……ッ、今それ、反則…ッ…」
こんなに感じるのも、乱れるのも初めてだ。口を衝いて出た私の言葉に、佐助さんのがナカで震えたのが分かった。
必死な佐助さんが珍しくて、なんだか可愛いと思ってしまう。
「あッ、あッ…、ん……もっと…、っ……!」
はしたない声をあげて、もっと、と喘ぐ。恐怖が快楽に塗り潰されていく。揺すられて、奥を突かれて、何度も脳内で白い光が弾けた。身体が一瞬浮くような感覚が心地いい。
唇を塞がれ、逃げ場の無い快感を打ち付けられて、あっという間に上り詰めた。びくんと身体が跳ねたと同時に追い討ちをかけるように、子宮の中に熱いものが注がれ、今更避妊してないことに気付く。
声もなく果てて、鼓動が落ち着いてくると、幸せな疲労感が襲ってきた。抱き締められて、啄むようなキスに微睡む。
「佐助さん」
「なに?」
「好きです」
「……またそうやって、可愛いこと言う…」
困った様に眉を寄せた佐助さんが、瞼に優しい口付けを落として。甘やかな雰囲気に誘われるように私の意識は眠りへと落ちていった。