log

※劉成龍→リュウ・セイリュウで書いてます。


 祭りの後始末に日本支部本部が慌ただしくなる。
 祭り期間中いろいろとトラブルが起きてしまったが、何故か私と数人以外それについて覚えていない。
 候補生の燐くんから、何故覚えているのかと聞かれたが分からない。可能性として、私が持つ呪い石が悪魔の力を防いだとしか思えない。



「早くしろ」
「はいはーい」



 背後からの声に軽く返事をする。騒がしい本部の中でも通る声に口角があがる。もう時間か、と荷物を持って立ち上がって振り返るとそこには不機嫌そうなリュウ・セイリュウが腕を組んで立っていた。
 今日、私は台湾組のお見送りとして任されていたが、色々と済ませないといけないからと少々待たせてしまったのだ。その時間、約2時間。



「そりゃー怒るよね」
「喋ってないでさっさと用意しろ」



 がりっと飴を噛んだリュウ。
 さすがに、これ以上待たせてはいけないと用意を済ませ、彼に声をかけた。



「それで、鍵はどちらに?」
「これだ」



 彼から鍵を受けとり、それを丁寧に懐に収めてから歩き出す。
 この鍵は、台湾支部をつなぐものだが、日本支部のとある部屋からしか通じない。何故だかよく分からないが、悪用防止だそうだ。



「寂しくなりますね、リュウさんが台湾に戻ってしまわれると」



 祭り中は四六時中とまではいかないが、任務中はずっと一緒に居た。数日間であったが、とてもお世話になった人だから、戻ってしまうことが少しさみしく思う。



「俺は戻れて清々するがな」
「酷いなあ」



 にやりと微笑むリュウ。
 しばらく歩くと目的の扉の前につき、懐にしまった鍵を取り出して扉を開けた。



「数日でしたが、お世話になりました」
「ああ」



 先にリュウの部下たちが扉を通って行く。最後にリュウが残って、私が持っていた鍵を彼に返す。
 彼は、鍵を受け取るとそれをくるくると手遊びするように握り締め、何か言いずらそうに眼をそらした。
 どうかしたのだろか。首を傾げると、頭の上に彼の大きな手が軽く乗せられる。



「いつでもいい。こっちに遊びに来い」



 それだけを言い残してリュウは扉をくぐった。
 何か言い返す暇もなく扉は閉まってしまい、恥ずかしさでいっぱいになった私は小さく呟いた。



「なんなの、あのひと・・・・」



 頬が火照るのを待って私は部屋をでた。
 

 
novel-top
top