log

※一総もしくは総一要素含みます



 整備の仕事を終え、喫茶楽園へ昼食をとりにやってきた。
 中に入ると少し時間帯が早いのかあまり人はいない。しかし、カウンターを見てみると何時ものように総士先輩が座っていた。
 いらっしゃい、との一騎の声に軽く返事をして総士先輩の2つ隣の席に座った。



「悪いな、まだ準備中なんだ」
「いえ、そんなに急いでませんし。気にしないでください」



 一騎先輩は手を動かしながら申し訳なさそうに言った。私は軽く返事をして総士先輩をチラリと見る。先輩は端末を弄り、何やら難しい顔をしている。ここにきてまで研究か、なんて思いながら頬杖をついた。

 そういえば、総士先輩は何時も一騎先輩といる。何故気が付かなかったのだろう。多分先輩たちは、



「付き合ってるんですか?」
「は?」



 間抜けな声を漏らす総士先輩。
 どうやら声に出ていたらしい。横を見ると何ともいえない顔で私を見る先輩がいた。幸いにも一騎先輩には聞こえなかったらしく、料理を続けていた。



「特に、理由はありませんよ。ただ、そう思って」
「僕と一騎が、か?」
「はい」



 違うんですか、と続けて問うと先輩は溜息を吐き足を組んだ。



「違う」
「・・・わたし、偏見はありませんよ?」
「別に、偽って等いない」



 呆れたように言う総士先輩。すると、一騎先輩が話を聞いていたのか話に混ざってくる。



「こいつ、好きな人いて片思いなんだよ。5年以上も前からな」
「一騎!!」
「え、・・・・ええええええ!?」



 驚きのあまり立ち上がる私と、一騎先輩を責める総士先輩。一騎先輩は悪いとも思っていないようで、私に注文を聞いた後にまた料理に戻った。
 ゆっくりと総士先輩を見ると顔を赤くして座り込む先輩。私は椅子に座り直し、先輩に声をかけた。



「勘違いしててすみません。失礼でしたよね」
「いや、取り乱してすまない」



 総士先輩はそう言うと軽く咳払いをし端末を見始める。私は先輩の片思いの相手に興味があり、考えてみる。
 そう言えば、遠見先輩と仲が良かった気がすると思い、特に意味もなく先輩に尋ねる。



「遠見先輩ですか?」
「断じて違う!!」



 立ち上がり私を見下ろす先輩。顔は紅く染まっており、図星かなんて思っていたら一騎先輩は声に出して笑う。



「遠見は違うよ。総士はな・・・」
「まて、一騎!僕は、」
「この際だからいいんじゃないのか、別に」
「何故そうなる!」



 言い争いを始めた2人を見て、やはりこの二人は恋人かと眺める。すると、一騎先輩は私をみて微笑みながら口を開いた。



「名前はどうなんだ?恋人とか」
「え?」
「総士も気になるみたいだし」
「何も言ってない!」



 ここまで荒ぶる総士先輩を初めて見た気がする。私はその姿に驚きを隠すことができず、先輩をガン見してしまっていた。



「え、と・・・私は別に興味とかないんで」



 私がそう言うと総士先輩はゆっくりと腰を下ろした。一騎先輩は相変わらず微笑んでいる。
 一騎先輩は俺に注文したカレーをカウンターに置くと、総士先輩に耳打ちした。そうして、総士先輩は何か言われたのか顔を赤くした。そういった行動が恋人っぽいということに気が付かないのか。なんて思いつつ、スプーンを手に取った。
 総士先輩はそのあと私と目を合わせることは無かった。 



 
novel-top
top