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蒼穹作戦から今日で半年が経つ。あの日からフェストゥムがこの島に来る気配はない。仮初かもしれない。嵐の前の静けさなのかもしれない。それでも『平和』が戻ってきた。
だけど、私たちの英雄は目を覚まさない。
機械音が微弱に鳴り響く白い部屋には眠る一騎くん。
周りにはお見舞いの花が溢れるように置いてあり、それだけ一騎くんが皆に慕われていることが分かる。いや、蒼穹作戦の感謝の意味も含まれているのだろう。島中の人が此処を訪れていた。
少し、嫉妬してしまう。
私だけが知っていた一騎くんの優しさが皆に知れ渡ることは嬉しい。でも、私だけの一騎くんがどこかに行ってしまう気がした。
「一騎くん・・・私待ったよ、ずっと。だから、目を覚まして」
一騎くんの頬に手を添える。何も答える気配はない。毎日声をかけているが、無反応。悲しい現実に視界が霞んできた。
自分には何もできない。その事実が私を悩ませる。
実際、半年前の作戦時にも私は待つことしかできなかった。
ファフナーに乗れない私は何もできない。安全な場所に居座って、モニター越しに戦場を見ているだけ。
電子工学にも、物理にも疎いから整備に参加したこともない。
ただ、待つことしかできない。
こんな情けないこと、一騎くんの前で思う事ではない。でも、何故か考え出したら止まらなくて。色々な思いがこみ上げてきて、涙が止まらなかった。
私はこの部屋に居ることが辛くなり、涙を拭って一騎くんに背を向けた。
また、話せるときまで私は変わる。一騎くんを守れるように。
それまで、一騎くんは休んでいてほしい。
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