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画面に羅列し、上から下に高速でスクロールしている数字に目を通す。異常がないことを確認してから次の資料へと手を伸ばす。が、その手を拒まれてしまった。
「少しくらい休めよ名前」
「わっ!・・・・何時来たの一騎くん?」
「さっき。ほら、シャワーでも浴びてこいよ。その間に綺麗にしておくからさ」
一騎くんは私の手首から手を離し、散らかっているデスクを指差した。仕事が残っているのに、と反論したが一騎くんは指令の指示でここに居るらしい。
しかし、何か違和感を感じる。
「父さんも心配してたぞ。ずっと部屋から出てこないってさ」
何も言えなくなった私は渋々とシャワーを浴びに行った。
浴びながら思ったが、風呂に入っていなかったのは事実だけど、シャワーを浴びてこいと言われるほど臭っていたのかと疑問に思ってしまった。女としてそれは死んでるな、と自虐的に笑いながら髪を洗う。
すっきりした気持ちでシャワー室を出ると、デスクは綺麗になっておりテーブルの上には御粥が用意してあった。どうしたのだろうか、と思って部屋を見渡すが一騎くんの姿はない。
帰ったのかな、なんて考えながらテーブルに備え付けてある椅子に腰を掛けた。簡易的な皿によそってある御粥はまだ湯気がたっており暖かい。
久しぶりのご飯だ、なんて思ってスプーンを手に取った時部屋の戸が開いた。そして、片手にビニール袋を持った一騎くんが遠慮することなく中に入る。
「よかった帰ったかと思ったよ。これ、食べていいの?」
「ああ。ずっと簡易軽食だったんだろ?」
「まあね。あ、掃除ありがとうね。助かっちゃった」
一騎くんは手にしていたビニール袋をデスクの上に置くと、私に向い合うように座った。
ビニール袋の存在が少し気になるところであるが、個人的な興味であったため聞くことはしなかった。
私は、黙々と御粥を食べるが、一騎くんの視線が気になる。ニコニコとこっちを見ているが、何を考えているのか分からない。
そうして、御粥を食べきった私はこれもまた一騎くんが用意してきてくれたお茶を飲んだ。
腑に落ちないが、満腹になったことで少し気が休まってきた。
「少し寝るか?」
「いや、大丈夫だよ。食べてはいないけどちゃんと寝てはいたから」
「そうか、なら大丈夫だよな」
「はい?」
一騎くんはそう言い、私の体を持ち上げた。突然のことで理解が追い付かない。一騎くんはゆっくりと私をベットに下ろし、覆いかぶさるようにして私の首筋に顔を埋めた。
「ちょっ、え・・・はい?待って、一騎くん!!」
一騎くんを引きはがすように肩を押し返す。至近距離で顔を合わせることになる私と一騎くん。そこで初めて気が付いた、先ほどまでの違和感。
一騎くんの瞳は情欲に溺れ、獣のような顔をしていることに。
「っ、これが目的なの!」
「だって、何日触れてないと思ってるんだ」
そう言いながら私のTシャツの中に手を忍び込ませる一騎くん。
「じゃあ、シャワー勧めたのも」
「俺は別に気にしないけど名前は気にするだろ」
「食事中ずっとこっち見ていたのも」
「口元がエロいなって」
「あのビニールの中身は」
「ゴムと念のためのローション」
そう言って一騎くんは私にキスをする。
「いいだろ?」
もう何も言うまいと、一騎くんから目を逸らす。
真っ直ぐな視線には慣れていないのだ。真っ直ぐな心にも。
「好きだよ、名前」
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