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鎧の男について行く私は警戒し銃を構えるが、敵が現れるたびに自滅していくので無駄な行為であった。
機関室と一等車を残し、敵は始末した。私たちが一等車に近づくと機関銃を連射している音が響いた。鎧の男が心配そうな声を上げ一等車を見つめている。
人質の安否がわからない今、無暗に突入するのはよくないと私は鎧の男に言い入り口付近に2人で陣取った。
そうしているうちに、どこからか声が聞こえてきた。
「兄さんだ!」
鎧の男はそう言い壁に耳を当て、中の様子を窺っていた。私も同様に壁に耳を当て、流れてくる声を聞いている。
『機関室および後部車両は我々が奪還いたしました。残るはこの車両のみとなっています。おとなしく人質を解放し投降するならよし。さもなくば、強制排除させていただきますが・・・』
そこで、一旦声は切れた。敵の親玉らしき人が反抗を示す声を上げる。それを聞いたのかスピーカーからは何かしら合図が出され、それと同時に水が流れる音が聞こえてきた。
「すみません。多分濡れるんで離れててください。」
鎧の男はそう言う。私は察して扉から離れた。
鎧の男は私が離れたのを見計らって先頭車両の戸を開けた。すると、大量の水とともに 数人の男が流れてきた。私は一切の抵抗をされないようにすぐに銃口を向ける。
「いらっしゃい」
「撃たれたくなかったら動かないでくださいね」
軽く脅すと大人しく手を上げる男達。しかし、そのなかに居た1人の男だけはすぐに立ち上がった。
私は左手に持つ銃を男に向けるが、それよりも早く小さな少年が窓から入り込み男と対峙する。
「おっ、機械鎧仲間?」
「こっ、こんな小僧にィィィィ!!」
男が叫びながら少年に左腕の機械鎧である銃を向けるが、それよりも早く少年は動きそれを切り捨て、鎧の男が背後から頭部を殴った。
私は倒れこんだ男の背に足を乗せ動かないように体重をかける。
「君が『兄さん』?」
「ああ、エドワード・エルリック。国家錬金術師だ。で、こいつが弟のアルフォンス。お前は?」
「国家錬金術師ですか、なるほど。私は特に、ただの女ですよ」
私は特に名乗りもせずに、人質の場を尋ねた。エドワードは気にすることなく一等車のほうに居ると言い指をさした。私は礼を言い頷くと銃を捨て一等車に向かう。
一等車には耳を抑えながら家族に囲まれている男がいた。見たことのある男であった。
男、ハクロ将軍は警戒しながらも私を見る。が、すぐに私が誰かを認識して警戒を解く。
眼帯ではなく、包帯であったため気がつかなかったらしい。
「君は随分前から出張だったと聞いていたが・・・」
「お久しぶりですハクロ将軍。その話はまた後で、その傷治療しませんと。感染症にかかる場合もあるので止血だけでもさせてください。ほらご家族も心配なさっていますよ」
そういうと、大人しくなる。家族の前、心配させるわけにもいかないのだろう。
私はコートの右ポケットから白い手袋を取出し慣れた手つきで両手にはめる。そして、 もう片方のポケットから消毒液を取り出し、容赦なく傷口にかける。
悲鳴も出ないほどの痛みに悶える将軍であったが、子供の前ということで見栄を張っている。
つまらないな、と思いながら包帯を取り出して止血するために強めに巻きつける。
「簡単な処置をしましたが、あとでちゃんと病院に行ってください。私のところでもいいですが、それでは失礼します」
そう言いながら手袋を外しポケットにしまい、礼をする。そして、将軍やその家族から感謝の言葉をいただき自分の荷物が置いてある一般車に向かった。
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