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東方司令部内で話を進めるエドワードとロイ。エドワードはロイを見るとニヤニヤと意味ありげな表情を浮かべ、口をゆっくりと開いた。
「今回の件で貸しができたね大佐」
「・・・・・・君に借りをつくるのは気色が悪い。いいだろう何がお望みだね」
「さっすが、話が早い」
ロイはエドワードの言いたいことを察し、溜息を吐いた。
「この近辺で生体錬成に詳しい図書館か錬金術師を紹介してくれないかな」
「今すぐかい?せっかちだな、まったく」
ロイはそう言いながら立ち上がり本棚の方へ歩いた。並べられたファイルを手に取ると、一枚一枚丁寧にめくり、目を通していく。
「俺たちは一日も早く元に戻りたいの!」
エドワードはロイの発言に怒りを含めてロイに言った。ロイはそれを気にせずに返事を返す。
「久しぶりに会ったんだからお茶の一杯くらいゆっくり付き合いたまえよ」
「・・・・野郎と茶ぁ飲んで何が楽しいんだよ・・・」
エドワードは怒りと呆れを含んだ声をロイに発した。ロイはファイルの中から2枚の資料を抜き取り、ファイルを棚に戻しながらエドワードに告げる。
「『遺伝的に異なる二種類以上の生物を代価とする人為的合成』・・・つまり、合成獣の研究者が市内に住んでいる。『綴命の錬金術師』ショウ・タッカー。2年前、人語を使う合成獣の錬成に成功して国家錬金術師の資格を取った人物だ」
「人語を使うって・・・人の言葉を喋るの?合成獣が?」
「そのようだね。・・・・あと生体錬成に詳しいかどうかは分からんが、頭の切れる錬金術師は市内にもう一人」
驚きながらも興味津々に話を聞くエドワード。ロイは資料をめくり次の資料を見ていた。そして2枚目の資料を読みつつ、笑みを浮かべていた。
「『純白の錬金術師』名前・苗字。うちの軍の少佐で専門分野は気体の反応を応用した錬成だが、基本何でもできる器用な人だ。今は医者をやっている。中央に私立の資料館を持っていて、不思議な人だ。ついさっきまで行方不明だったがな。君らは運がいい」
「行方不明って?」
エドワードは疑問に思ったことを率直にロイに尋ねた。ロイは資料の字を指で追い、ある一点で指を止めた。
「過去に軍部規定違反を犯した人と親しいと言う理由で、地方に左遷されていたんだ。優秀であるが故にその場に留まらず、各地にいた為正確な居場所はわからなかった。家はこの東部にあるらしいとは聞いていたが、君たちは幸運だな」
ロイはそう言い終えると、掛けてあったコートを手にとり歩き始めた。エドワードとアルフォンスも遅れないようにロイについていく。
外に出ると手際よく車を手配するロイ。用意された車に乗り込むと、エドワードがロイに名前について質問する。
「大佐は名前って奴と知り合いか?」
「そうだな、知り合いという言葉が一番しっくりくる」
ロイはそう言い自嘲気味に薄ら笑い、エドワードたちに名前について語り始めた。
「名前・苗字はホークアイ中尉と同い年であったが、士官学校に幼い頃入学して7年前に少佐となり、その後国家錬金術師の資格をとった。その中で、彼女の知人が軍法違反で捕まり左遷されたという訳だ」
ロイはそう言うと窓の外を眺めた。
エドワードはその話を聞いて驚く。
「軍人になってから国家錬金術師になったのか!?」
「そうだ。それに彼女は今、軍人であり医者だ」
エドワードとアルフォンスは、すごいと小さく賞賛した。
その後10分もかからない内に、豪邸とまでいかないがある程度大きい家が建っていた。 洒落た門には蔦が巻き付いており、人気はない。本当に人がいるのかとエドワードは思ったが、門を開けた痕跡を見つけひそかに希望を抱いた。
ロイは何処か嬉しそうな顔をしながら門を開け家の呼び鈴を鳴らす。しかし、何回鳴らしても誰も出てくる気配がない。エドワードとアルフォンスは何やってるんだとロイをじろりと見る。ロイはそんな視線を感じて少し焦りを感じた。
再び呼び鈴を鳴らすロイ。その様子は何処か諦めたような雰囲気を醸し出していた。
帰るかとエドワードとアルフォンスに声をかけ家の戸に背を向けた時、ゆっくりと家の 戸が開いた。ロイはその音に気が付き、開いた中に居る住人に声をかけた。
「名前・苗字少佐かい?ロイ・マスタングだ」
ロイがそう言った瞬間少し開いていた戸がいきなり閉められた。あっけにとられ驚く3人。何が起きたのか理解できていない。
すると、中から小さな声が聞こえてきた。
「何の用ですか」
エドワードとアルフォンスは聞いたことのある声に驚き、ロイはフレンドリーに話しかけた割に他人行儀に返されたことにショックを受けた。
「と、言うのは冗談です。お久しぶりですマスタング少佐、そしてまた会いましたねエドワード君、アルフォンス君」
そう言いながら中から、白髪で右目に医療用の眼帯をつけた女性が無表情で外に出てきた。それを見たロイは呆れたような顔をした。
「今は大佐だ。バカ者」
ロイと名前は同時にため息をついた。
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