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エドワードは過去にあったことを簡潔に話した。母親を錬成したこと、それが失敗し左足とアルフォンスの体を持って行かれたこと、その後魂を錬成し右腕を失ったこと、その他諸々のことを伝えた。
話の始終、ロイはしかめっ面で話を聞いており、私は時折タッカー氏の様子を窺っていた。
「そうか、母親を・・・・・辛かったね」
タッカー氏は同情の眼差しを向けた。しばらく沈黙が続き、ロイはそれを打ち破るように話を切り出した。
「彼の子の身体は東部のあの内乱で失ったと、上には言ってあるので・・・・人体錬成の事については他言無用でお願いしたい」
「ああ、いいですよ。軍としてもこれほどの逸材を手放すのは得ではないでしょうから。それで彼女は?」
話を振られた私は、紅茶を一口飲んで口を開く。
「私の専門は気体の昇華にありますが、今はその範疇を出て様々な分野に手を伸ばしております。その一つが医療であり、その過程に生体錬成という錬金術があります。タッカー氏の研究は素晴らしいものと存じております。よろしければ私にも資料の1部を見せていただけないでしょうか?」
もっともらしい理由を述べる。
ロイとエドワードが何か言いたそうにしているが、それに気がついていないような態度をとる。
タッカー氏はそれならばと良い返事をくれた。
「役に立てるかどうかはわかりませんが私の研究室を見てもらいましょう」
タッカー氏は立ち上がると、リビングを出て部屋の奥へと案内した。
通された部屋には多くの檻とその中に閉じ込められた合成獣が不気味な雰囲気を醸し出していた。
「うわぁ・・・」
「いや、お恥ずかしい。巷では合成獣の権威なんて言われているけど実際のところそんなに上手くは言ってないんだ」
エドワードは驚きつつも顔をしかめた。
タッカー氏は檻の間抜けて奥の部屋に向かった。奥の部屋には多くの本で溢れており、エドワードは驚きの声を上げた。
「自由にみていい。私は研究室の方にいるから」
「よーし、オレはこっちの棚から」
「じゃあ、ボクはあっちから」
2人は早速、本を手にし始めた。
さすが、目的のある人たちは違うなと思った。
「私は仕事にもどる。君達には夕方迎えの者をよこそう。名前少佐も鋼のと一緒にいるか?」
「そうします」
本の背表紙を眺めながらそう答える。特に興味深そうなのはないなと少し落胆する。
私と違い、ロイとタッカー氏はエドワードとアルフォンスを見て感心していた。
「すごい集中力ですね、あの子。もう周りの声が聞こえていない」
タッカー氏は感心した様子で言う。
「ああ・・・あの歳で国家錬金術師になる位ですからね。ハンパ者じゃないですよ」
「・・・・いるんですよね。天才ってやつは」
タッカー氏は何処か遠いところを見ながら呟いた。
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