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日が沈み、町がオレンジの色に染まった頃、タッカー氏宅に一台の車が止まった。中からはたばこを吸いながら軍服を着た男性が降り、タッカー氏宅に入った。
「よぉ大将。迎えに来たぞ・・・・何やってんだ?」
犬が覆いかぶさって身動きが取れないエドワードに声をかける軍人、ジャン・ハボック少尉は呆れながら壁に寄り掛かった。
エドワードは必死に弁解する。しかし、思うように資料が見つかっていないことが知られ、タッカー氏は明日も来るといい、とエドワードに告げた。ニーナはニーナで、明日また遊べると喜んでいた。
そんな様子を少し遠いところで見ている名前。するとジャンは名前に近寄り、話しかけた。
「大佐から話は聞いているさ、名前・苗字少佐?」
「ええ、あなたは?」
「大佐の部下のジャン・ハボック少尉です」
「少尉ね。私はあなたの上司じゃないからそんなにあらたまった態度じゃなくていいですよ」
名前はそう答え、ジャン少尉と軽く握手する。
外に出て、車に乗り込む4人。そして、最後にジャンが乗り込むが、その前に何か思い出したようで見送りに来たタッカー氏に声をかけた。
「タッカーさん、大佐からの伝言が。「もうすぐ査定の日です。お忘れなく」だそうです」
「・・・・ええ、わかっております」
ジャンはそういうと一礼して、車をだした。名前は帰り際のタッカー氏の雰囲気に違和感を覚えるが特に気にすることはなく、流れる風景を見ていた。
ジャンはエルリック兄弟をホテルまで送ると、名前を送るべく再び車を動かし始めた。
名前は外の風景を見ているとこの車が自分の家に向かっていないことに気が付いた。
「・・・・どこに向かっているのですかこの車は?」
「あ、気づいちゃいました?大佐がレストランに少佐を運べって、言ってまして」
「私は荷物ですか」
名前は呆れたようにそう言い、レストランの前で車を降りる。こんな役目を押し付けられたジャンに同情しながら名前はレストランに入る。
ドレスコードはあるみたいだが、そこまで目立たない格好で良かったと息をつく名前。
受付に名前を言うとすでにロイがいるらしく、個室に通される。
「ちゃんと来たようだな。ハボック少尉はいい仕事をしてくれた」
「部下を使うとは卑怯ですよ」
「どうとでも言ってくれ。君が言ったのだろう、等価を払えと」
ロイはそう言いながらワインを口にする。
名前は仕方がないと、上着をウェイターに預けてロイと向かい合うように座る。
「酒はいいのか?」
「昨日まで二日酔いだったのですが?」
「そうだったな」
名前は視線だけロイに向ける。
ロイは酔っているのか少し頬が赤く、笑みを浮かべている。名前が無表情なだけに、とても変な空間となっている。
「来週から復帰と聞いたが、軍の方は休職扱いなのだな」
「ええ。今は医者として働いているので、少佐というのは名ばかりですね」
「そうとも言えんさ」
ロイはそう言いながら、一枚の紙を名前に差し出した。
名前はそれを受け取ると、眉間に皺を寄せため息をついた。
「国家錬金術師資格授与のためにセントラルに来いってことですか・・・はあ、面倒」
「と、君は言うと思ってすでに手続きはしておいた。少佐、君の銀時計だ」
ロイは懐から傷ひとつない銀時計を取り出し、名前に手渡す。千彰は嫌々ながらそれを受け取り、懐にしまった。
「査定なしに資格更新とは、喜ぶべきなのか嘆くべきなのかどうしたものでしょう」
「喜び嘆いてもいいが、手続きをした私に感謝しても良いと思うのだが?」
「ええ、とても面倒なことをありがとうございます。さらに面倒なことになりました」
ロイは悪いとも思っていない表情でうんうんと頷いた。嫌味というのが通じないのかと名前はため息を吐く。
名前はせめてもの嫌がらせとして、この食事はこの男持ちなのだろうと1番高そうな料理をウェイターに頼んだ。
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