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「四月一日君!トリック・オア・トリート!」
「うわっ!!、吃驚するじゃないか!」
「そりゃ、驚かせるつもりでいたもん」



 名前は四月一日が教室に入った瞬間を狙い、目の前に飛び出した。案の定、四月一日は驚き彼女を軽く怒った。
 しかし名前は何とも思わなかったようで、それよりもお菓子と言って両手を前に出した。


「お菓子ちょーだい!」
「はあ、だろうと思って作ってきたけどさ・・・」



 四月一日は自分の席に荷物を置き、鞄の中からラッピングされた袋を3つ取り出した。
 袋の中身は見えず、オレンジと紫とピンク色に分けられており、ピンクに限っては他の二つよりも装飾が綺麗で特別感にあふれていた。



「・・・どっちが私の?」



 名前は一目でピンクの包みはひまわりちゃん宛のものであると認識したため、残りの二つを指でさしながら四月一日に聞いた。四月一日がひまわりちゃんに好意を抱いていることは前々から知っていたことだが、四月一日に好意を抱く名前にとってはとても辛く感じた。


「ああ、この紫のが・・・嫌だけど、すっごく嫌だけど百目鬼対策の保険で・・・」


 四月一日曰く、百目鬼用を用意しておかないと勝手に違う人宛てのものを食べるそうだ。本人は嫌がっているが、二人は他人から見るととても仲良く見える。名前はそんな四月一日の様子を見て小さく笑った。
 四月一日は名前が笑ったことに気付かないまま紫の包みを少し乱暴に鞄の中に戻し、オレンジの包みを手に取った。


「で、このオレンジのがひまわりちゃんの。そして・・・はい。名前の分」
「え?」


 四月一日は手に持っていたオレンジの包みを鞄の中に戻すとピンクの包みを手に取り、名前に手渡した。彼女は予想もしていなかった結果であったため気の抜けた声をだした。



「だから、はい。名前の分だよ。ピンク好きだったでしょ」
「え、あ・・・ありがとう」



 名前は戸惑いながらも包みを受け取った。あけてもいいか、と四月一日に聞いてから包みを開くと中にはクッキーとカップケーキが入っていた。



「他の2人にはクッキーだけだから・・・内緒だよ。名前は特別だから」


 四月一日は小さく指を立てて言った。



「え、何で・・・だって四月一日はひまわりちゃんが・・・」
「それは・・・憧れだよ。一般人がアイドルを好きになるようなものと同じだ」



 四月一日は苦笑いしながらそういった。名前はそれ以上のことを知りたかったが、運悪く担任が来てしまい自分の席に戻った。
 授業が終わったら、問い詰めてやろう。名前はそう思いながら担任の顔を怨むかのように睨みつけた。



2014.1031
2022.0708 加筆修正

 
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