夏輝とは同期で、研修後は別々の部署に配属されて離れてはいたものの、同期での飲み会の度に顔を合わせていた。
私と同じ部署の黎弥と友達だった夏輝…そうなれば仲良くなるのも当然と言えば当然で。
私達はよく、仕事帰りに食事に行ったりしていた。
優しくて気遣いが出来て…同期の中でも群を抜いて大人びていた夏輝を、私はいつからか目で追うようになっていた。
それがいつ頃からだったとか、何がキッカケだったとか…それを思い出せないくらい昔のことで。
私は夏輝が大好きで、いつもあの笑顔にドキドキしていて…。
いつか夏輝と…そう思っていた時、
「夏輝さ、彼女と別れたんだってぇ」
黎弥の報告に、あの当時、私は一種の失恋気分を味わった。
彼女が居たことも知らなくて、フリーになったのはいいとして…それでも私が想いを抱いている間に、他の人を想っていたという事実が胸に刺さって。
その時に…考えてしまった。
夏輝を好きになって、早々にその答えを出してしまった。
―――友達と恋人、どっちがずっと側にいられるか。
恋人になってずっと側にいられたらそれに越したことはない。
だけど現に今、その別れを夏輝は経験していて。
ずっと夏輝の側にいたい。
夏輝にとって大切な人になりたい。
そう思っていた私は、夏輝の失恋を知ったその日に…―――夏輝との距離を決めてしまったんだ。