月夜に輝く、白銀の毛。
初めて見る姿なのに、半分獣だというのに―――
「…キレイ」
―――思わず零れた。
そんな私に、一瞬目を見開くも、すぐに目を細めて笑うユウセイ。
でもその表情は、どこか儚く切ない。
「手、震えてんぞ」
「え?あ…」
「別に気にしねぇ…慣れてる。それより、オレを見た事は誰にも話すなよ?面倒な事に巻き込まれたくない」
「待って!どこ行くの?」
「…お前には関係ない」
窓を開けて片足を掛けるユウセイ。
風に揺れる耳や尻尾からふわりと獣の匂いがした。
彼を止めてどうするんだろう。
獣に襲われた恐怖を身体が覚えている。
矛盾する気持ちを説明できずにいると、「早く服着ろよ」と言って、笑いながら窓から飛び降りた。
「ユウセイ!」
私の声は、風に掻き消される。
残ったのは、身体に残るユウセイの感触と、獣の匂いだけ。
また逢いたい―――矛盾のある気持ちを抱えたまま、時だけが過ぎていく。
ユウセイの姿を見たのは、それから半年後だった。