禁断の色香 04
何度も瞬きをしても、目の前の光景は変わらない。
驚きよりも、嬉しさのが勝っていた。
それが何故なのか分からないけど。
気がついたら、いつの間にか身体は床に倒されており、風柱に両腕を掴まれ見下ろされていた。
組み敷かれてるこの状態に、顔に熱が集中する。
「あ、あの…風柱様?」
「この前のこと、どこまで覚えてんだって聞いてんだよ。最後気を失ってたけどよォ」
「えっと…先程申し上げたあたり、でしょうか」
「……なるほどなァ」
そう呟いた風柱は、真っ直ぐに見つめていた視線を身体へと向けた。
それから片腕を解き、指を滑らせるように腕から胸元へ移動させると、隊服のボタンに手を掛けた。
「あの日、俺がこの身体に触れた事も忘れてんだよなァ?あの時お前が何て言ってたのかも」
「え……えぇっ?!」
「思い出させてやるよ」
それは、挑発のように聞こえたけど、触れた唇はとても優しく温かなものだった。
押し倒されたまま、風柱の顔が近づき、距離が縮まるに連れて瞼が閉じられていく様子を眺め、自然とゆき乃も目を閉じ、それを受け入れていた。
あの時、何があったのだろう。
何を言ったのだろう。
それを思い出す為だとしても、身体にのしかかる重みも、触れる温もりも、身体の奥を熱くさせた。
記憶では初めての口付け。
口内に入ってきた湿りのあるその舌の感触に、下半身が熱く疼く感じがした。
あの日の風柱を思い出し、気持ちが昂ぶる。
与えられた知識のせいだろうか。
自分がこんなにも欲情し、淫らな思考をもっているなんて思いもしなかった。
「脱がせるぞ」
そう言って隊服のボタンに手を掛ける。
風柱の指が触れる度に、心臓が大きく跳ね上がり、呼吸が荒くなっていく。
熱を帯びた吐息が、部屋に充満していく。
◇
身に纏っていたものを全て脱がされ、与えられる愛撫に自分のものとは思えない声が溢れた。
風柱の唇が、身体のいたる所に触れる。
首筋、胸の先、脇、臍、太腿――…
秘部を指で掻き回されながらの刺激に、思い出すどころか頭が真っ白になっていく。
両腿も手で押さえられ、左右に大きく広げられ、全てをさらけ出す姿に羞恥を覚えた。
「や……恥ずか、しいっ…」
「ハッ、今更かよ……安心しろォ、充分綺麗だ」
「アァ…ン……風柱、様ぁ…」
恐らく溢れているであろう愛液を、あろう事か風柱は、そこへ顔を埋めて舌で舐めとった。
経験した事のない快感が身体に走り、背中が弓のように仰け反り、声が高鳴った。
風柱の息遣いと吸い上げる音が耳を刺激する。
身体の奥にある何かが昇り詰めるような感覚に、頭が真っ白になり、迫りくる快感に抗えなかった。
「あ、あ、あ…ダメッ……ああぁぁ――ッ!」
果てたのかァ。
嬉しさが混ざりあったその声が、遠く感じた。
滲んた視界に風柱の銀髪が揺れ、顔がゆっくりと近づいてくる。
「……ゆき乃…」
名前を呼ばれ、キュッと子宮が締まる。
そのまま優しく口付けを落とされ、夢見心地な気分になった。
あの日も、そうやって呼ばれたような気がしたのを、微かに思い出した。