禁断の色香 04


何度も瞬きをしても、目の前の光景は変わらない。

驚きよりも、嬉しさのが勝っていた。

それが何故なのか分からないけど。

気がついたら、いつの間にか身体は床に倒されており、風柱に両腕を掴まれ見下ろされていた。

組み敷かれてるこの状態に、顔に熱が集中する。



「あ、あの…風柱様?」

「この前のこと、どこまで覚えてんだって聞いてんだよ。最後気を失ってたけどよォ」

「えっと…先程申し上げたあたり、でしょうか」

「……なるほどなァ」



そう呟いた風柱は、真っ直ぐに見つめていた視線を身体へと向けた。

それから片腕を解き、指を滑らせるように腕から胸元へ移動させると、隊服のボタンに手を掛けた。



「あの日、俺がこの身体に触れた事も忘れてんだよなァ?あの時お前が何て言ってたのかも」

「え……えぇっ?!」

「思い出させてやるよ」



それは、挑発のように聞こえたけど、触れた唇はとても優しく温かなものだった。

押し倒されたまま、風柱の顔が近づき、距離が縮まるに連れて瞼が閉じられていく様子を眺め、自然とゆき乃も目を閉じ、それを受け入れていた。

あの時、何があったのだろう。

何を言ったのだろう。

それを思い出す為だとしても、身体にのしかかる重みも、触れる温もりも、身体の奥を熱くさせた。

記憶では初めての口付け。

口内に入ってきた湿りのあるその舌の感触に、下半身が熱く疼く感じがした。

あの日の風柱を思い出し、気持ちが昂ぶる。

与えられた知識のせいだろうか。

自分がこんなにも欲情し、淫らな思考をもっているなんて思いもしなかった。



「脱がせるぞ」



そう言って隊服のボタンに手を掛ける。

風柱の指が触れる度に、心臓が大きく跳ね上がり、呼吸が荒くなっていく。

熱を帯びた吐息が、部屋に充満していく。







身に纏っていたものを全て脱がされ、与えられる愛撫に自分のものとは思えない声が溢れた。

風柱の唇が、身体のいたる所に触れる。

首筋、胸の先、脇、臍、太腿――…

秘部を指で掻き回されながらの刺激に、思い出すどころか頭が真っ白になっていく。

両腿も手で押さえられ、左右に大きく広げられ、全てをさらけ出す姿に羞恥を覚えた。



「や……恥ずか、しいっ…」

「ハッ、今更かよ……安心しろォ、充分綺麗だ」

「アァ…ン……風柱、様ぁ…」



恐らく溢れているであろう愛液を、あろう事か風柱は、そこへ顔を埋めて舌で舐めとった。

経験した事のない快感が身体に走り、背中が弓のように仰け反り、声が高鳴った。

風柱の息遣いと吸い上げる音が耳を刺激する。

身体の奥にある何かが昇り詰めるような感覚に、頭が真っ白になり、迫りくる快感に抗えなかった。



「あ、あ、あ…ダメッ……ああぁぁ――ッ!」



果てたのかァ。

嬉しさが混ざりあったその声が、遠く感じた。

滲んた視界に風柱の銀髪が揺れ、顔がゆっくりと近づいてくる。



「……ゆき乃…」



名前を呼ばれ、キュッと子宮が締まる。

そのまま優しく口付けを落とされ、夢見心地な気分になった。

あの日も、そうやって呼ばれたような気がしたのを、微かに思い出した。


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