禁断の色香 05
隊服を脱ぎ捨てていく風柱を眺めながら、呼吸を整えながらポツリと言葉を繋げていく。
「あの、風柱様…」
「なんだァ」
「私達は、その……あの時、最後までは……」
「あぁ、思い出したか」
「はい、薄っすらと…でも記憶が曖昧で。ただその、痛みもなかったですし、」
「そうだァ。お前が俺の上に跨って煽るし、俺もまだ欲が残ってたしな。でもあんな小汚え場所でお前の事を抱くわけにはいかねェだろ。そしたらお前は涙流すし、こっちは抑えてんのにふざけんなって。お前に血鬼術がかかってたのかは分からねぇがなァ。俺のせいであんな場所でだなんて嫌だろォが」
そんな風に思われていたのかと、胸の奥がキュッ締まり、沸々と熱くなっていく。
もしあれが風柱でなければ、恐らく簡単に貞操を奪われていただろう。
それに、風柱でなければ、私はあんな事をしていたのだろうか。
「お前に恐怖心を与えたんじゃねェかと思ってたが…それはねェみたいで安心した」
惜しげもなく裸になった風柱。
元々胸元が開けた隊服だったので想像するまでもなかったが、身体中の傷は然ることながら、鍛え上げられた肉体は惚れ惚れするものだった。
鬼殺隊員としてゆき乃も日々鍛えてはいるが、やはり生まれ持った男女の違いというのは簡単に越えられるものではない。
ふわふわとしている頭でそんな事を考えながら見つめていると、風柱が近づきまた覆いかぶさってきた。
当たり前に口付けをしてくれる。
普段は常に怒っていて、怒っていない感情を読み取るのが難しい人だと思ってはいたが、こんな風に優しく触れてくれる人なのだ。
風柱に愛される女性は、さぞ幸せだろう。
深まっていく口付けを受けながら、そんな事を思い、一人で胸を痛めた。
いつの間にか尊敬という感情が色付き、変わっていた事に気づかず、こんな風に抱かれているなんて。
だけど、初めて受け入れるのが風柱様でよかったと思わずにはいられない。
「私の初めてを貰って欲しい、なんておこがましいお願いをしたのですね、私が…」
「あぁ」
「あの場のそんな、私なんかの言葉を聞き入れてくださったんですね。その…良かったのでしょうか?風柱は…」
「だからァ、お前は今更なんだよォ!お前を屋敷に呼んだ時点で、お前さえよければそのつもりだった。それにお前に頼まれたからこんな事してんじゃァねぇぞ?」
「え?」
「俺が、お前を欲しいと思ったんだ。キッカケは何であれ、お前が懸命に俺のに触ってる姿も欲情してる顔も、もっと見てェんだ」
俺をその気にさせた責任、取れよォ。
口端を上げてニヤリと笑った風柱は、両腿も持ち上げるとあの日のように既に大きく反り勃ったものを、潤っているそこへと押し進めていく。
初めて知る熱さと、風柱に言われた言葉に、心も身体も深く満たされていく。
「風柱様ぁ…ッ」
「痛ぇか?痛くてもっ、我慢しろォ…」
「早く…奥までくださいッ…」
「馬鹿ッ、煽んじゃねェ!…クッ…」
「アァッ……ハァッ…風柱っ、さまぁ…」
「実弥だァ……柱じゃなくて、俺を見ろォ」
「実弥、さん……ンンッ、おっき…」
「ったく、お前は。根を上げんじゃねぇぞ、ゆき乃」
ゆっくりだった動きが徐々に激しくなっていく。
痛みはあっても、風柱が与えてくれるものだと思うだけで、幸せに思えた。
繰り返される律動は、ただ快楽と幸福を運んでくる。
薄目を開けて視界に映る風柱の顔は、苦悶でもなく、快感を味わっているような表情で、また胸がキュッと締まった。