温かな息吹 参
「……っ、」
「オイ、何で泣いてんだァ……やめるか?」
後ろから包むようにゆき乃の胸に手を這わせていた実弥だったが、聞こえた鼻を啜る音にその手を止めた。
ゆっくりとゆき乃の体を前に向け、真正面からその顔を覗き込む。
実弥は以前の縁側での出来事を思い出したのだ。
詳しい事情は聞いてはいないが、ゆき乃の過去に何かあった事は分かっていた。
早く抱いてしまいたい欲は常にあったが、実弥は泣いている女を無理に抱くような男ではない。
あの時のように、ゆき乃の涙に口付け、優しく唇を重ねた。
「怖えならやめてもいいんだぞォ…お前を無理矢理抱きたくねェ」
眉を下げてゆき乃を見つめる実弥に、涙を流しながらもゆき乃は首を横に振った。
それから、身を乗り出してゆき乃は実弥の首に腕を巻き付けるように前から抱きついた。
実弥の顔にゆき乃の胸が当たり、思わず後ろに倒れそうになった実弥は何とか片腕でゆき乃の体ごと自身を支えた。
「こんなにドキドキするのも、触れられて嬉しいと思うのも初めてなの。こんなの嫌な気持ちにしかなった事がなかった。だから、やめないで……わたしの記憶全部上書きするくらい、いっぱいにして」
「ゆき乃…」
「お願い、……実弥」
「ハッ…余裕なんてねェぞォ」
実弥の耳元で名前を囁けば、実弥は喉を鳴らし目を細めてゆき乃の胸元に触れ、舌を這わせた。
腕を実弥の首に巻きつけたまま、実弥の膝に跨るように座るゆき乃の体には、既に硬くなった熱いモノが押し当てられていた。
ゆき乃の腰を腕で支え、目の前にある膨らみの先を唇に含むと、ゆき乃が天を仰ぎ甘美な声を漏らす。
彼女の匂いとその声だけで、実弥は脳が麻痺をしているのかと思う程に、体が熱くなり、その熱は一点に集中していくのが分かった。
ゆき乃の下着を脱がせ、自身の服を素早く脱ぎ捨てると、彼女を横にしその上に覆いかぶさる。
唇を塞ぎながらも、実弥の手はゆき乃の体を滑っていき、既に蜜が溢れているそこに吸い寄せられるように降りていく。
骨張った指がその潤いに触れれば、艶かしい水音とゆき乃の声が部屋に響いた。
「ンッ、…実弥っ…ハァ」
「我慢すんじゃねぇ…ゆき乃の声、もっと聞かせてくれ」
「あぁッ…やぁ、そこ……ッ!」
溢れる蜜に指を滑らせ、ゆき乃の中に刺激を送りながらも、実弥は胸の突起を口に含み舌先でねっとりと舐め上げた。
頬を高潮させ、涙を浮かべて感じているゆき乃を見ていると、痛いほどに膨張した自身のものを無意識にゆき乃の体に密着させていた。
欲しくて堪らない、とゆき乃を見つめていると、甘美な声を上げながら薄目を開いたゆき乃が、ゆっくりと手を伸ばし実弥の頬に触れた。
「わたしも、もうッ……実弥が欲しい…」
「ゆき乃ッ…」
実弥は自身の熱を、ゆき乃の潤いにあてがい中へと押し進めていく。
絡みつく快感に、実弥の口から熱く甘い吐息が漏れた。