柱合会議 壱



 定期的に開かれる柱合会議に、何故かゆき乃も呼び出された。
 ゆき乃の存在を知っているのは義勇としのぶだったが、産屋敷耀哉の思案により、ゆき乃にも今後危害が加わる可能性があると、柱全員にその思いを伝えるためだった。
 鬼殺隊の役に立ちたいと、稀血の彼女が申し出たことも関係していた。
 彼女の血に頼るつもりはなかったが、協力をしてくれているゆき乃に直接感謝の意を述べたいと耀哉は思っていたのだが、それは表向きの理由で、実弥を変えてくれたゆき乃に会いたかったのだ。
 会議の前に産屋敷邸へと上がった実弥とゆき乃は、耀哉から祝福の言葉を貰い、実弥は深々と頭を下げた。


「実弥に生涯を共にしたいと思える相手が出来たこと、私はとても嬉しく思っているよ。それからゆき乃も、役に立ちたいと言ってくれたそうだね。ありがとう」
「いえ、とんでもないです! わたしの血が役に立つならいくらでも!」
「ただ、無理をさせるつもりはないよ。しのぶが定期的に君の血液を採取しているけど、それを使わせてもらうだけだからね。実弥も、それなら心配いらないだろう?」
「はい、お館様」
「二人には改めて祝儀を贈らせてもらうよ。あまねと考えて用意したものだからきっと気に入ってくれると思う」


 恐れ多いと頭を下げた実弥を横目に、ゆき乃も同じように頭を下げてお礼を言った。
 耀哉の声はやけに心地が良かった。
 その所為か話が終わってもボケっとしていたゆき乃の手を実弥が掴んで立たせると、「本当はアイツらに見せたくもねェんだがなァ」と小さく呟くと、ゆき乃の手を引き庭へと連れて行く。
 庭が見えるや否や、実弥はその手を離した。
 同僚がいる手前恥ずかしさからそうしたのも無理はなかったが、ゆき乃は少し寂しく思ったが何も言わなかった。
 実弥とゆき乃の足音に、そこに集まっていた全員の視線が二人に注がれる。
 遠くからでもわかる程の上背のある男達や、露出度高めの女、それから小柄な男と様々な視線を浴びて、ゆき乃は顔に穴が開くのではと思った。
 皆ただ立っているだけなのに、存在感が凄まじかったのだ。

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