涙のあとには 番外編


パクッと食べるように私の唇を貪る黎弥くん。

上唇を挟んでチュッとした後、舌を這わせながら今度は下唇を愛撫する。

強弱をつけての優しいキスに意識が遠のく…――――わけなんてなくて、パチッと目を開けると、黎弥くんの唇がスッと離れた。


「起きた?」

「もう、黎弥くんズルいんだから」

「え〜何が?」

「こんなチューされたら、目覚めちゃうよ!」


私の言葉にクスッと笑うと、「可愛いなぁゆき乃ちゃん」と私をギュッと抱きしめる。

でもすぐに離すと、


「起きるまでチューするつもりだったの!俺の我慢もそろそろ限界」


そう言ってクルッと身体を回転させると、私をベッドに組み敷くと、真っ直ぐ私を見下ろした。

黎弥くんに見つめられるとドキドキする。

しかも、まだ髪の毛が若干濡れていて、明るい髪色の黎弥くんの下ろした前髪から覗く大きな瞳から、目を逸らせない。


「黎弥くん」

「うん?」

「だ〜いすき!」


私の言葉にポッと照れる黎弥くんが可愛い。

それを嬉しそうに受け取って、「俺もだいすき!」とクシャッとした笑顔を向ける黎弥くんはもっと好き。

その表情から真面目な表情へと変わりながら私に近づいてくる。

目を伏せる直前の黎弥くんは、最高にカッコイイ。

黎弥くんの舌がニュルリと入ってきて、私の舌を絡めとる。

キスは元々好きだけど、黎弥くんとのキスはまた格別で…――――好きって気持ちが大きいからというのもあるけど、脳がピリピリと痺れていく。

黎弥くんの舌に意識を集中していると、今度は私の胸元を包み込むように優しく触れる指に意識が飛ぶ。

大きめの黎弥くんのTシャツにいとも簡単に侵入した黎弥くんの手。

すぐに地肌に触れたその指に、重なっていた唇の隙間から吐息が漏れた。


「…ン、」

「もうツンツンしてる」

「だってぇ…黎弥くんとのキス、気持ちいい」

「俺も、ずっとゆき乃ちゃんとキスしてたい」


男はキスをないがしろにしがちだとよく聞く。

最初と最後だけして、後はすぐに下半身を触ってくる人が多いって。

だけど、黎弥くんは違う。

私がキスが好きと言ったからかもしれないけど、黎弥くんは丁寧に何度もキスをしてくれる。

その過程があるからこそ、私の感情が高まっていく。


「ゆき乃ちゃんバンザイ」


いつの間にかシャツを脱いで上半身裸だった黎弥くんが、私の服を掴んで脱がせる。

自分が裸になるという恥じらいよりも、黎弥くんの逞しい身体つきにいつも見惚れてしまう。

陸さんみたいにバキバキの筋肉がついてる…わけじゃないけど、いい感じに割れてる腹筋。

私にはそれがとても愛おしいんだ。

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