秘めた想い03


「おはようございます」

「…颯太、何でわざわざここまで言いに来る」

「だって朝の挨拶したいじゃないですか!それに…朝からゆき乃さんの顔みたら仕事の消化スピードが違うんすよ」


何故か自慢げにそう言って、それから照れた顔で笑った。

いやいや、照れるとこじゃねぇし!

まだ働いてないのに半日働いたような疲れが押し寄せた。


違う部署のくせにほぼ毎日挨拶してくる――――中島颯太。

2コ下の後輩…だけど顔が幼い所為でもっと下に見えるこのオトコ。

別部署で接点なんてなかったのに、先日あった合同の飲み会で一緒になった。

そこで偶然同じ席になったのは覚えてる。

ワイワイと楽しく盛り上がったのも覚えてる。

だけどそこで、何かが芽生えてしまうような…そんな雰囲気になった記憶はない。

それなのに…。

どうやら私は、彼に好かれてしまったようだった。

愛嬌があるとかでわりと可愛がられるみたいだけど、私には全く関係のない話。

そして全く興味がない。


「ゆき乃さん今日お昼――」

「あ、ゆき乃さんおはよう」


颯太の言葉に被せて挨拶してきたのは、


「あ!なっちゃんおはよう」


私と同じ部署で働くなっちゃん…こと堀夏喜。

1コ下の後輩だけど――――顔がかなりイケメンだから、私の中で彼だけは例外だった。


「なっちゃん今日一緒にランチ行こう?」

「いいっすよ」

「ごめん颯太、先約あるから!じゃあね!」


なっちゃんの腕を取って、ヒラヒラと軽く手を振ってフロアに向かった。

颯太がどんな顔してるのか見えないけど、きっとショボンとしてるに違いない。


「ゆき乃さん、いいの?颯太」

「いいのいいの!年下興味ないから」

「え?俺は?」

「なっちゃんは顔が良いから特別〜」


私の言葉にクスッと笑ったなっちゃん。

横顔もイケメンななっちゃんとのランチがあるお陰で、午前中の仕事は難なく終わる事ができた。

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