「おはようございます」
「…颯太、何でわざわざここまで言いに来る」
「だって朝の挨拶したいじゃないですか!それに…朝からゆき乃さんの顔みたら仕事の消化スピードが違うんすよ」
何故か自慢げにそう言って、それから照れた顔で笑った。
いやいや、照れるとこじゃねぇし!
まだ働いてないのに半日働いたような疲れが押し寄せた。
違う部署のくせにほぼ毎日挨拶してくる――――中島颯太。
2コ下の後輩…だけど顔が幼い所為でもっと下に見えるこのオトコ。
別部署で接点なんてなかったのに、先日あった合同の飲み会で一緒になった。
そこで偶然同じ席になったのは覚えてる。
ワイワイと楽しく盛り上がったのも覚えてる。
だけどそこで、何かが芽生えてしまうような…そんな雰囲気になった記憶はない。
それなのに…。
どうやら私は、彼に好かれてしまったようだった。
愛嬌があるとかでわりと可愛がられるみたいだけど、私には全く関係のない話。
そして全く興味がない。
「ゆき乃さん今日お昼――」
「あ、ゆき乃さんおはよう」
颯太の言葉に被せて挨拶してきたのは、
「あ!なっちゃんおはよう」
私と同じ部署で働くなっちゃん…こと堀夏喜。
1コ下の後輩だけど――――顔がかなりイケメンだから、私の中で彼だけは例外だった。
「なっちゃん今日一緒にランチ行こう?」
「いいっすよ」
「ごめん颯太、先約あるから!じゃあね!」
なっちゃんの腕を取って、ヒラヒラと軽く手を振ってフロアに向かった。
颯太がどんな顔してるのか見えないけど、きっとショボンとしてるに違いない。
「ゆき乃さん、いいの?颯太」
「いいのいいの!年下興味ないから」
「え?俺は?」
「なっちゃんは顔が良いから特別〜」
私の言葉にクスッと笑ったなっちゃん。
横顔もイケメンななっちゃんとのランチがあるお陰で、午前中の仕事は難なく終わる事ができた。