なっちゃんとランチをした帰り、エレベーターでヨシユキ先輩と会った。
取引先と人とご飯だったらしくて、財布だけを持った私達とは違って身なりが整っていた。
「パスタ食べたの?いいなぁ〜…俺相手がおじさん達だから定食だったよ」
「いいじゃないですか!定食」
「まぁね、旨かったけど」
「あ!きっと私がいなくて物足りなかったんだ!」
「あははっ!」
「ということで、今度私とパスタ食べに行きましょう!」
そう言ったら、「そうだね」と笑って私の頭をポンと叩いた。
こうされると嬉しくなって顔が緩む。
だけど本当は――「いつですか?」って聞きたかった。
約束まで取り付けたかったけど、何となく…聞けなかった。
ヨシユキ先輩が先にエレベーターを降りる。
隣にいたなっちゃんが、「ゆき乃さん」とタイミングを見計らってたかのように声をかけてきた。
今まで何度か、なっちゃんと一緒にいる時にヨシユキ先輩と会ったことがある。
それに…部署の行き来もあるし。
だからたぶん、なっちゃんは私の気持ちに気付いてるだろうなって思った。
隠してるつもりはないけど、ヨシユキ先輩本人が冗談として受け止めてる以上…態度以外でこの気持ちを伝える事が出来ない。
周りをよく見てるなっちゃんだから、私が本気だって分かってると思う。
「ん?なぁに?」
「またランチ行こうね」
「なっちゃんの奢りで?」
「あは、もちろん!誘ってんの俺なんだから」
「ま、今日も奢ってもらっちゃったけど!」
イシシって笑いながらなっちゃんの腕に絡みついた。
その時、目的の階より手前で止まったエレベーター。
誰かが入ってくる…そう思って絡めていた腕を緩めると、
「あ!ゆき乃さん!」