夏の計画01


「かんぱーい!」


ビールと酎ハイが入ったグラスが鳴る。

こんなの普通許されないけど、大学生であってもたまにはハメを外したい。

いつもは学食のミルクティーだけど!


「こうして飲むのも久しぶりだよね?」

「前は、鍋パーティーの時ですよ!こうして飲んだの」


ハルが次々とつまみを運びながらそう言った。

それを澤くんが何も言わずに手伝っていて、傍から見ていても二人の呼吸はバッチリ。

でも、二人は腐れ縁だと言い張ってる。

澤くんも別にそんな素振りみせないし、ハルだって好きなように見えない。

大学になっても離れないのは、何かあるからじゃないのかなぁって最初に思ったんだけどなぁ。


「ゆき乃、これ飲んでみ!」

「え?」

「八木ちゃんカクテル〜!」


お店から色んなものをハルが持ってきていて、それで勇征がお酒を作ってくれた。

可愛らしい薄ピンクのお酒。


「可愛い〜!」

「ゆき乃をイメージして作ってみた!アルコールは弱くしてあるから」

「強くても平気だよ」

「だーめ!そんな事いってゆき乃すぐ酔っちゃうもん」

「でも介抱してくれるんでしょ?」

「優しくね」

「やだ〜!ゆせくんエロ目!」


肩を抱いた勇征とキャーキャー言ってると、「盛り上がるの早えよ」と目の前でなっちゃんがグイっとビールを飲み干した。

ハルと澤くんが座った所で、


「酔っ払う前に本題だ」


ガンとグラスを置いて視線を一気に集めた。

まだ勇征の手が腕に触れてるからなのか、それともなっちゃんから出てくる言葉の先を期待してなのか…鼓動が高鳴っていく。

ハルの目もワクワクしてるのが分かる。

澤くんは…ちょっと分からないや。


「夏と言えば?」


なっちゃんの問いに、澤くんが「花火?」と真っ先に答えた。

ちょっと意外だ!と思っていたら、私の隣にいた勇征が「はいはーい!海!」とピンと勢いよく手を挙げて言った。

顔が少年のように輝いてる。

それに乗っかって私も手を挙げて、「行きたい!」と声を漏らすと、ハルも「あたしも〜!」と手を挙げた。

なっちゃんがグルッとその光景を見回して、ニッと笑う。


「はい!決定!」


私たちの反応を分かっていたかのように言うと、ピシッと澤くんと勇征を指さした。


「今回は一泊二日でいく…宿は俺が手配しておくから、サワは当日の運転な!勇征は花火大量に仕入れといて」

「きゃっ!泊まりなの〜?」


手を叩いて喜ぶ私を見て、なっちゃんがニヤリと笑う。

それから私とハルに「女子は何もしなくていい!けど…水着は用意しておいてね」とこれまたテンションの上がる提案をしてくれた。

二人で手を合わせて喜ぶ。

一泊二日、しかも海で水着!

もうワクワクしかない!


「ゆせくん!水着だってぇ!」

「…え、あそうだな!楽しみだなぁゆき乃の水着」

「買いに行かなきゃ!」


あっという間に決まった夏の旅行。

予定が早く決まるのも、私たちの飲み会が長いのも恒例で。

勇征が作ってくれたカクテルを喉に流し込んだ。


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