「かんぱーい!」
ビールと酎ハイが入ったグラスが鳴る。
こんなの普通許されないけど、大学生であってもたまにはハメを外したい。
いつもは学食のミルクティーだけど!
「こうして飲むのも久しぶりだよね?」
「前は、鍋パーティーの時ですよ!こうして飲んだの」
ハルが次々とつまみを運びながらそう言った。
それを澤くんが何も言わずに手伝っていて、傍から見ていても二人の呼吸はバッチリ。
でも、二人は腐れ縁だと言い張ってる。
澤くんも別にそんな素振りみせないし、ハルだって好きなように見えない。
大学になっても離れないのは、何かあるからじゃないのかなぁって最初に思ったんだけどなぁ。
「ゆき乃、これ飲んでみ!」
「え?」
「八木ちゃんカクテル〜!」
お店から色んなものをハルが持ってきていて、それで勇征がお酒を作ってくれた。
可愛らしい薄ピンクのお酒。
「可愛い〜!」
「ゆき乃をイメージして作ってみた!アルコールは弱くしてあるから」
「強くても平気だよ」
「だーめ!そんな事いってゆき乃すぐ酔っちゃうもん」
「でも介抱してくれるんでしょ?」
「優しくね」
「やだ〜!ゆせくんエロ目!」
肩を抱いた勇征とキャーキャー言ってると、「盛り上がるの早えよ」と目の前でなっちゃんがグイっとビールを飲み干した。
ハルと澤くんが座った所で、
「酔っ払う前に本題だ」
ガンとグラスを置いて視線を一気に集めた。
まだ勇征の手が腕に触れてるからなのか、それともなっちゃんから出てくる言葉の先を期待してなのか…鼓動が高鳴っていく。
ハルの目もワクワクしてるのが分かる。
澤くんは…ちょっと分からないや。
「夏と言えば?」
なっちゃんの問いに、澤くんが「花火?」と真っ先に答えた。
ちょっと意外だ!と思っていたら、私の隣にいた勇征が「はいはーい!海!」とピンと勢いよく手を挙げて言った。
顔が少年のように輝いてる。
それに乗っかって私も手を挙げて、「行きたい!」と声を漏らすと、ハルも「あたしも〜!」と手を挙げた。
なっちゃんがグルッとその光景を見回して、ニッと笑う。
「はい!決定!」
私たちの反応を分かっていたかのように言うと、ピシッと澤くんと勇征を指さした。
「今回は一泊二日でいく…宿は俺が手配しておくから、サワは当日の運転な!勇征は花火大量に仕入れといて」
「きゃっ!泊まりなの〜?」
手を叩いて喜ぶ私を見て、なっちゃんがニヤリと笑う。
それから私とハルに「女子は何もしなくていい!けど…水着は用意しておいてね」とこれまたテンションの上がる提案をしてくれた。
二人で手を合わせて喜ぶ。
一泊二日、しかも海で水着!
もうワクワクしかない!
「ゆせくん!水着だってぇ!」
「…え、あそうだな!楽しみだなぁゆき乃の水着」
「買いに行かなきゃ!」
あっという間に決まった夏の旅行。
予定が早く決まるのも、私たちの飲み会が長いのも恒例で。
勇征が作ってくれたカクテルを喉に流し込んだ。