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入学式の翌日、荒北靖友は教室に現れた。教室内が一斉にざわつく。荒北が入ってきた扉とは反対側の扉近くにいた名前も驚いた。顔や体は名前のよく知っている荒北ではあるが、髪型がリーゼントになっていた。
荒北は教室に入るなり、ギロッと周りを睨むと窓側いちばん後ろの自分の席に座り机に突っ伏して寝てしまう。まだ荒北はこのクラスに名前がいる事に気がついてはいなかった。だが、時間の問題であろう。なぜなら、荒北の隣の席は名前なのだから。
それはHRの時間だった。
「おい、荒北起きろ。」
担任の声は聞こえているが、荒北は体を起こさない。
「周りの奴も起こしてやってくれ。」
担任と荒北は教室に来る前、一悶着起こしたのだろうか。担任ならもっと強くでればいいものを、生徒に投げている。
「ほらー苗字も頼むよー。」
担任のその声でガバッという表現がこれ程までにピッタリくるのかと思う勢いで荒北が体を起こした。そして次はゆっくりとそれは動かない体を何とか動かそうと必死になっているかのような動きで隣の名前を見る。
「おっ…おはよう、荒北くん。」
とても気まずい中、名前はそう声をかけたが荒北は目が大きく開くとそのまま固まってしまった。
「おっ、起きたようだね。それじゃぁ始めるか。」
と担任は話し始める。それでもまだ固まったままの荒北に、名前はどうしていいか分からず、担任の方へと顔を向けた。
「……おっ…」
荒北の声が聞こえたので隣を向くと凶暴な顔と目つきで名前を睨みつける。
「なんで、お前がここにいんだよ。」
と低い小さな声で言った。
「えっと、びっくりだよね。私も驚いた。」
するとガタッと席を立つ。
「あれ?荒北どうしたんだ?どこ行くんだ?」
そんな担任の声など無視をして、教室を出て行ってしまった。
「あれかな?荒北は、体調悪かったのかな?はははー。」
この時クラス全員が思った。
うちの担任は頼りにならない、と。
2019.12.06