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「登山か。俺は山は苦手だなぁ。」
「山はいいぞ!山は!何せ俺は山神だからな!わーはっはっはっ。」
「うっぜー。」
今日は遠足、先日作ったグループで頂上を目指す。
数日前のHR。
「遠足は、男女混合5〜7人でグループになって登山だからな。明日までに作っとけー。」
担任がそう言うと、名前はすぐに仲の良い友達と組んだ。
「女子2人だと男子は3〜5人必要になっちゃうね。」
「かと言って、他の女子はもうみんなグループできてるっぽいし。」
どうしようかと話していると、男子4人組に声をかけられた。
「苗字さん、もし良ければ俺らとグループにならない?」
正直なところ、もちろん荒北と同じグループで組みたいが、やはり自分から声をかけるのは恥ずかしい、ましてや向こうはきっと新開と東堂と組んでいるはずなので、さらに声はかけづらい。でも荒北が他の女子と仲良くしてる姿を考えるとモヤモヤしてしまう。どうしたものかと考えながら
「友達に聞いてくるね。」
とその場を離れる。
クラスでは特に荒北と付き合っている事を言っているわけではない。もちろん隠している訳でもない。聞かれたら答える程度ではある。ただやはり荒北の彼女という立場からか、新開と東堂とは割と話す方かもしれない。たまに「仲良いけど、付き合ってたりするの?」と聞かれる相手は、新開や東堂の名前ばかり、もちろん荒北といちばん話すし頭ポンポンの軽いボディタッチだってたまにあるのに、誰も荒北と、とは思わないらしい。
「あのね、あの男子達にグループ一緒にって言われたんだけど、どうかな?」
「はっ?あんたそれでいいの?」
「えっ。」
「いや、荒北と一緒がいいんでしょ?」
「そりゃまぁ欲を言えば…でもそうもいかないしね。」
と話していると、さらに別の男子に声をかけられた。
「あっ、いま他の人に声掛けられてて。」
「えー、いーじゃん、俺らとでー。」
名前はだんだんと面倒くさくなり、先生が決めてくれればいいのにと投げやりな気持ちになりかけた時
「苗字さんはもちろんこの山神と愉快な仲間達と組むのであろう!美しいもの同士素晴らしいグループになるとは思わんかね、なぁ男子達よ!」
と東堂が男子達になぜか指差しポーズをとっている。
「東堂くん、突っ込みどころが多々あるんだけど…。」
「だいたい、なぜすぐこちらにこないのだ?てっきり一緒のグループになるものだと思っていたのに。」
「あぁ、そうだったんだね、ごめん。」
その後もギャンギャンとうるさい東堂に、他の男子も押され、名前達の返事も聞かずに同じグループになる事で、やっと東堂が静かになった。
2020.09.25