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名前が通常業務に戻ってからは、今まで通り休日出勤をする事もなくなり、荒北と過ごす時間も増えた。休みの日は、どちらかの家に泊まり出掛けたり、二人で1泊旅行にも行ったりと順調に思えていた。


5ヶ月を過ぎた頃、荒北がお昼に入ったコンビニで斉藤から声をかけられた。

「お久しぶりですね。」
「アァ。」

荒北は、お前には興味がないと言わんばかりの態度を取り、必要なものを手に取っていく。
レジで会計をし、コンビニから出たところで斉藤は荒北が出てくるのを待っていた。

「なんか用かよ。」
「はい。俺、今でも苗字さん好きです。苗字さんにもそれは伝えています。これから何があっても俺の事恨まないでくださいね。」
「名前に何する気だよ。」
「嫌だなぁ、苗字さんが嫌がる事は絶対にしませんよ。ただ、アナタからは奪う気でいるので。それじゃぁ。」

荒北は苛立った。どういうつもりで、自分にあんな事を言ってきたのか、もしかして名前の気持ちも傾いてしまっているのかと不安が過った。いつもなら、もし今の様な事を言われたとしても勝手にしろと苛立ちはするが、その程度でおさまったかもしれない。けれど、ここ1ヶ月半程、名前の態度がおかしい気がしていた。何かあったかと聞いても何もないとか仕事のことで少し考えてたと言うだけで、それが嘘だとは荒北も気が付いていたが、深くは聞くことができなかった。









「あれ、オレこんなにメンタル弱かったっけェ…。」

それは、名前と斉藤が二人で近くのカフェに買い出しに来ている姿を見た時だった。紙袋5つにいっぱい入った飲み物を持ち、会社へと戻る為歩いている名前と斉藤。名前が斉藤へ向ける笑顔が耐えられなかった。自分に好意があると知ってて、そんな笑顔向けるのかよと。そして嫉妬まみれで醜くなる自分にも怖くなった。



その翌日、名前からメールがきた。

『土曜、どっちにする?』
『そっち行く』
『わかった』

そこで一度メールが止まり、その5分後

『土曜、話したい事ある』

と名前からきた。

『話しって?』
『会ってからね』

今の荒北には、悪い考えしか出来ず、それにもう耐えられなくなっていた。




2020.05.15
monoGatari