見透けた答え
下駄箱に手紙が入っていた。
白い封筒に、丸い赤いシールで封がされた手紙。昇降口に差し込む夕日に透かせば、中には数枚の便箋が入っているようだ。
差出人は不明、宛名は自分の名前。セオリー通りならラブレターだけど、その場でどうもその封を切る気にはなれなかった。手で弄びながらどうしようかとぼんやり考えていると、放課後の開放感に浮かれた集団にぶつかられ、手紙が彼方へ飛んでいった。
ぶつかった人への謝罪もそこそこに、手紙の飛んでいった先へ駆け寄ると、誰かがそれを拾い上げた。
「これ、キミの落とし物?」
そう言って誰かは私に差し出した。視線を上げると、同じクラスの不二くんがいた。
「そんな感じですかね…」
「煮え切らない返事だね。靴箱に入ってたのかな?」
「そうですどうしてわかったんですか?」
「ふふっ、なんでだろうね」
まるで何かを知ってるかのような口ぶりを訝しむが、ありがたく拾ってもらった手紙を受け取る。軽く会釈し、自分の靴箱へと向かう。
「ねぇ、それ返事だすのかい?」
声をかけられ、彼に向き直る。どこか縋るような声色でもしかしてと、手紙を持つ手に力が入る。
「うーん私好きな人いますし…」
「そうなんだ。」
「でも、もしかしたら好きな人からかもしれないからちゃんとお返事します。」
そう口にしてなんだか恥ずかしくなって、私はそそくさと靴箱から靴を取り出して三和土に置く。さっさと去らないと余計なこと言ってしまいそうで。
「ねぇ待って、忘れ物」
彼が私の腕を掴んだ。振り返った瞬間額に唇が落とされる。
「返事待ってるから」
そう言い残し、彼は部活へと足早に向かって行った。
やけに顔が熱いのはきっと夕日のせい。
私は手紙の封を切るため家路を急いだ。
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