術式完了





我愛羅は薄っすら目を覚ました。

頭がスッキリして気分がいい。
いつも頭がボーッとしているのに、今はハッキリと冴えている。

むくりと身体を起こしてみると、我愛羅の足元に倒れ込んでいる●●●の姿。


「●●●!」

我愛羅は●●●に駆け寄って、起こそうと揺さぶるが起きない。
息はしているようで我愛羅はほっとした。


「よう、ガキ。寝れたか」

「我愛羅様!」

玄師と夜叉丸が2人のそばに来る。

「●●●が…●●●が起きない」

我愛羅は●●●の頬に小さな手を当てる。

「起こすな、起こすな」

心配そうにする我愛羅をよそに、玄師は●●●の身体を軽々と抱き上げ、我愛羅が寝ていたベッドに寝かす。

スースーと寝息をたてる●●●を我愛羅が覗き込む。

「このまま寝かしとけばそのうち目がさめるだろ」

「そう……」

「ぐっすり寝てんな〜。俺様特製兵糧丸には『幻源樹』という木の蜜が入っててな…飲んだ副作用に未来が見える…簡単に言えば予知夢だな。おい、ガキ。●●●はお前との未来を見てるかもしれねぇぞ」

玄師は我愛羅をからかうようにヒヒヒ、と笑ってさっさと部屋を出た。

「我愛羅様、行きましょう」
夜叉丸も部屋を出ようとするが、我愛羅は動かない。

「…僕、●●●が起きるまでここにいる」

「我愛羅様……」


夜叉丸は2人を置いて部屋を出た。