最後の晩餐




上忍昇進を控えた前夜


任務で3日ぶりに里に帰ってきたカカシは、●●●の家のドアノブに手をかける。
珍しく鍵がかかっているのでインターホンを押す。
中でバタバタドタドタと大きな音が聞こえてきた。
音が落ちついたと思ったら●●●が玄関を開けてくれた。

「あ、カカシ。お風呂入ってきたの?」

「...うん。泥だらけだったから」

「そっか」

「...なんか大きい音してたけどなんかしてたの?」

「えーっと、大丈夫」

●●●は部屋の中を振り返って見る。
なんとなくぎこちない笑顔を向けられる。
見間違えかもしれないし突っ込むのはやめた。

部屋に上がると食卓にはいつもよりかなり豪勢な食事が並べられていた。
品数に加え、量もこれから何人か来るのかと思うほどある。

これだけの量を2人で食べるのかと思うと
すこし顔がひきつる。
この時ばかりは口布に感謝である。

「....この料理どーしたの」

「え?作ったんだよ」

聞きたい答えはそれじゃない。

「なんでこんなに?」

●●●はすこし考え込んで、

「.....明日から上忍だから!」

●●●はニコと笑ってカカシを見る。

カカシはまた料理を見る。
上忍になる記念のお祝いにこれだけの料理を作ってくれたのか。
柄にもなく顔が緩む。

「じゃあ、遠慮なく」

そう言って座り、箸を手にとる。

「たくさん食べてね!」

また●●●はニコと笑う。
カカシは今日はやけに●●●の笑顔が眩しく儚く見える。
そんな気がした。

思いっきり食べてお腹がパンパンに膨れた。
もう何も入らない。
●●●が食後のお茶を入れてくれた。
2人で食卓机で向き合って座る。


つづく



201836