最近ぬらりひょんを脱獄させるためその仲間の妖怪が飛騨三中にある妖怪刑務所を襲う。という話を聞いた楓花は大天狗に天音経由でぬらりひょんの刑が無事に執行されるようその護衛を鬼太郎達として欲しいと頼まれ天狗大本堂にいた。「おぉ!目玉親父殿!」「大天狗!元気そうじゃな!」「鬼太郎も皆もよく来た」「ははい、お久しぶりです。大天狗様」ぬりかべよりもはるかに大きい体をした大天狗に包み込まれるかのように撫で回される鬼太郎。そんな彼を少し憐れみながらみていればその目玉親父がのった手は次に楓花の方へと向けられる「お主も久しぶりだのぉ」「…はい。大天狗殿も」「天音達は来とらんのかい?」「あぁ、雛稀は神社の留守番です。天音に関しては「あーんな寒いところに行くなんて嫌よ。大天狗にはよろしくとだけ伝えておいて、あと私に会いたいならあなたの方からお願いね」と。」「アイツらしいなぁ」大天狗に撫でられぐしゃぐしゃになった髪でそう話せば大天狗は懐かしそうに目を細め「では次会う時はワシの方から行こう」と言う。その言葉に楓花は酔っ払い共が増える面倒くささが目に見え勘弁してくれ、という言葉を隠しながら「そう伝えておきます。」と髪ヒモを解きながら答えた。
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ぬらりひょんの処刑は明日。今日はゆっくりして言ってくれという大天狗に甘え楓花は大本堂の中を散歩するようにふらつく。その途中烏天狗のエース黒鴉と会った。「楓花殿お久しぶりです」「久しぶり。…見ないうちに随分と成長したわね、最後に会った時はまだ小さかったのに」「一体何十年前の話をしているんですか」楓花は黒鴉と最後に会ったあの日を思い出し、その時のまだ自分の腹辺りまでしかなかった身長の高さを手で表す。そんな彼女に黒鴉は少し恥ずかしそうに言葉を返す。何十年前、そうかもうそんなに経ったのか…数千年と生きてきた楓花にとって数十年などあまりにも一瞬で、たったその期間でこれ程までに育った黒鴉にどこか感銘を受ける。「そっかもうそんなに経つのね」「なかなか挨拶に行けず、すみません」「なんで謝るのよ、私達だってあんた達に会いに行かなかったんだからお互い様でしょ?」そう返す楓花に黒鴉はそうですねと笑ったあと「貴方は何も変わりませんね」と言う。嫌味とかではなく、変わりが無いようで安心した、という意味だ。その言葉に楓花はそうねとだけ返す。一体自分はいつまで生き続けるのだろうか…そんな考えが頭をよぎる。そんな彼女の横で黒鴉は「あ」と小さく声を出す、そんな彼に楓花は視線をあげればその先にいたのは鬼太郎だった
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2人は外の雪景色を見る鬼太郎へと近づく。そしてあんなに上機嫌な大天狗は久々だと鬼太郎に話しかけながら黒鴉は彼の隣に立つ。楓花もその成り行きのように2人の話を聞くように立ち止まる。わざわざ輸送の護衛に来るほどぬらりひょんが気になるのかと言う黒鴉に鬼太郎は顔を強ばらせる。あいつのどす黒さはしっている、だからこそ最後まで見届けなければ。そう語る鬼太郎に楓花は同意せざるおえなかった。「明日、無事刑が執行されることを願いましょう」そんな黒鴉の言葉に楓花も鬼太郎も静かに頷いた。
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翌日、大きな鴉の羽ばたきと鳴き声と共にぬらりひょん達を閉じ込めた岩ごと処刑される場所へと運ばれる。鬼太郎と猫娘は一反木綿に乗って、楓花は自分の能力で、ほかの妖怪達は下からその運ばれる岩を囲むように警護する。「いやな風…」先程まで吹いていなかった風が彼女の頬を掠める。その不自然な風に鬼太郎も気づく。次の瞬間目の前から突然その風が凶器となって襲いかかった。すぐさま楓花は自身の前に結界を張りそれを防ぐ。けれど他に反応できなかった烏天狗の数人、そして岩と結んでいた鴉のヒモを切り裂く。「…かまいたち」ぬらりひょんとまた結託したのか。楓花は岩の上にたっていた黒鴉に声をかける「黒鴉大丈夫?」「はい、少し腕を掠っただけです!それより敵は…」かまいたちの姿は見えない、けれど楓花は目を閉じそれがどこにいるのかを察知する。「上よ!」その言葉と同時にかまいたちは鋭い風を楓花達に浴びせる楓花は頬と足に怪我を負いながら一反木綿を裂かれ落ちそうになった猫娘の腕を掴むと一反木綿に渡し黒鴉と共にかまいたちを追った。「乙女坂真空波!」と叫び次々と烏天狗を倒していくかまいたちに向かって札を投げる。しかしそれはかまいたちの風で割かれてしまう。「乙女坂カッター!」自身の手を鋭い刃物に変え楓花を襲うが、楓花は咄嗟に大幣を取り出しそれを防ぐ。そんな彼女を助けようと黒鴉がかまいたちに向け羽根手裏剣を放ちながらその後を追う。しかしかまいたちは次々と鴉たちの紐を切り、岩はバランスを取れなくなり逆さになってしまった。
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かまいたちは鬼太郎に任せ黒鴉達はその岩を落とさぬよう下で支える。しかしそんな中またしてもネズミ男がやらかしかまいたちの逆鱗に触れる。怒り狂ったかまいたちは台風のような強さの風を作り上げる、それは鬼太郎のちゃんちゃんこでも防げないほどで楓花の能力でも操ることは出来ない。その風は猫娘とねずみ男に向かい投げられた。風の威力で吹き飛ばされた鬼太郎と一反木綿を楓花は受け止めその鋭い風に傷つきながら猫娘たちの方へと急ごうとした時、それよりも早く黒鴉が動いた。地面へとぶつけられたその風に雪は舞い上がりあたりは何も見えなくなる。「猫娘、黒鴉さん!」(黒鴉…)雪煙が収まった場所には特に傷のない猫娘とねずみ男、そして痛手をおった黒鴉の姿があった。鬼太郎はその様子を見たあと楓花の方へと顔を向ける。彼女も最初に猫娘を庇いそして今鬼太郎を助けたせいで傷だらけだった。「一反木綿飛べるか?」「頑張るばい」「頼む!楓花ちゃんは黒鴉さん達を」「…分かった」あまり無理をさせないよう楓花にこの場を任せ鬼太郎はぬらりひょん達を閉じ込めた岩が地面に落ちた場所へと向かおうとする。しかしそんな彼の前にかまいたちは立ち塞がり、鬼太郎とかまいたちの勝負が始まった。
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楓花は上空で行われている鬼太郎とかまいたちの勝負の行方を見守りながら3人の元へと向かう「あんた達大丈夫…じゃないわね…」楓花は事の発端であるねずみ男は放っておくと袖の中から布を出し気づ付いた黒鴉の腕にそれを巻く「なっ、楓花殿の方が酷い怪我を!」「私はいいのよ。あんたも知っているでしょう私の傷の治りが他よりも早いこと、それにかすり傷程度よ。猫娘は怪我はない?」「わ、私は大丈夫…」その時どこからが地響きのような物が聞こえ楓花は辺りを見回す、その音の正体は雪崩によるものだと分かると3人に絶対ここから動かないようにと警告した。そして雪崩ばちょうど楓花達の目の前を過ぎ去って言った。
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結果ぬらりひょんは逃げてしまったと報告する黒鴉に大天狗はあの場で猫娘を助けなかった天狗なら飛騨には要らないと言い放ちぬらりひょんはまた捕まえればいい、鬼太郎や仲間達と力を合わせてな。と言い放ち黒鴉の失態を全て許した。そんな彼の言葉に黒鴉は嬉しそうに楓花達の方へ目を向ける。楓花はそんな彼に小さく周りと同じように頷いた。帰り大本堂を出た鬼太郎達。「黒鴉さんって素敵よね〜強くて優しくて」そんな話をしだした猫娘に鬼太郎は興味なさげに「そうだね」とだけ返事する。「あんなに親切にしてくれるなんて、まさか私に恋しちゃってたりして*」立ち止まりそう話す猫娘に鬼太郎達は足を止めることは無い。それは楓花も同じだった。(恋…ね。そのまさかだと思うわよ猫娘)あの小さかった小烏が1人前に恋なんかして…どこか親戚の子供のように思っていた黒鴉に来た春に楓花は小さく笑った。
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目玉親父は前回渡したハーブティーが気に入ったらしく楓花はそれを渡しに度々横丁を訪れていた。そしてすぐに帰ってしまおうとする彼女を鬼太郎は止め一緒に甘いものでも食べないかとさそった。そんな彼女はその横丁に人間界からクレープ屋が来たという話を聞き鬼太郎と共に訪れていた「そのくれーぷって言うのはどういう食べ物なんだい?」「簡単に言えば春巻きみたいに薄く焼いた生地に生クリームとか果物とかを入れてまいたものよ」「へぇ、そんな物が人間界にはあるんですね父さん」「うーむそれは気になるのぉ」クレープをあまり知らない3人にそう説明しながら楓花達は目的の場所へと向かう。けれどその途中横丁の端から端までありそうな謎の長蛇の列が目に付いた。妖怪横丁に住むほとんどの妖怪が並んでいるその列が一体何なのか切りなり3人はその先頭の部分へと向かった
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その先にあったのはちょうど楓花達が話していたクレープ屋でねずみ男が子塗り壁に風船を売る姿もあった。そのクレープという妖怪横丁では見ない珍しいスイーツに全員虜になってるようだ。「こりゃあ買えんのぉ…」「そうですね」「別のところへ行った方が早いんじゃないかしら」この人気だとたどり着く前に売り切れるだろうと悟と3人はその列を後にし、饅頭の売っている小豆洗いのところへと向かう。小豆洗いの店は楓花が最初に見た時よりもボロボロに朽ちていて店内も蜘蛛の巣が至る所に張り巡らされていた。目玉親父を頭に乗せた鬼太郎は店ののれんをあげながら「お饅頭を3つ欲しいんですが」と小豆洗いに声をかける。楓花も鬼太郎に続いてそっと後ろから中を伺う。中にいた小豆洗いは蜘蛛の巣を頭にかけ入口に立つ鬼太郎の上にいる目玉親父を見つけると涙と鼻水を出し3人の元へ駆け寄るとそのまま鬼太郎の腰に縋り付く。「聞いてくれよぅ!ここんところ人間のクレープ屋のおかげで誰も饅頭を買ってくれねぇんだ!」泣きながらそう話す小豆洗いに困ったのぉと目玉親父が悩ましそうに言うと、小豆洗いは目玉親父と視線を合わせるようにどんどん鬼太郎によじ登り最終的には正面から頭を抱えこむ形で目玉親父に助けを乞う。その鬼太郎の姿に楓花は哀れんだ目で見ながらいっぽ距離を置く。目玉親父にどうすればいいのかと乞い続ける小豆洗いはふと目玉という単語を呟く。それは目玉親父も同じだった。そして2人は息が揃ったように声を上げた「目玉商品!!」目玉親父はそれだ!と小豆洗いに伝え小豆洗いもそれに同意する。それは鬼太郎が苦しそうに言葉を発するまで続いた。
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小豆洗いと別れ鬼太郎達は隣の雑貨屋で何か茶菓子を買っていこうと釣瓶落としの経営する雑貨屋へと向かった。けれどその店内も蜘蛛の巣だらけ、そして目玉親父の声に反応に小豆洗いのように涙と鼻水を出しながら鬼太郎達の方へと顔を向けた。(あ、既視感…)楓花はその既視感にまたそっと鬼太郎達から距離を取る。それと同時に釣瓶落としは鬼太郎達に向かって走りそのまま鬼太郎を下敷きにする。釣瓶落としは下に鬼太郎が居ると分かっていないままその巨大な顔を揺らし泣きながらどうすればいいのかと目玉親父に聞く。(鬼太郎の所からミシミシ音が聞こえる…)それに目玉親父が答えているあいだ楓花はさすがに鬼太郎が可哀想に思えはみ出た手を掴み引っこ抜こうとする。けれど楓花でもその巨漢の重さにさからえるはずもなくさながら大きなカブのようにビクともしない。けれど釣瓶落としが小豆洗いに気づき啀み合うように睨み合った瞬間少しの隙間ができ鬼太郎は抜け出すことが出来た。ただその勢いは強くそのまま楓花の方へとぶつかり、最終的はその勢いで尻もちをついた楓花の上に重なるように鬼太郎は彼女に抱きとめられる形となった。「痛た…」「ご、ごめんっ、」すぐ耳元で聞こえる声と彼女の匂い自身の背中に添えられた手…その他諸々は鬼太郎を酷く混乱させた。(駄目だ…顔が熱い……!ってそれより楓花ちゃんの上から退かないと)すぐに上からどこうとするが慌てすぎて自分の足に引っかかり楓花の横で盛大に転ぶ。「うわっ!」「ちょっと鬼太郎大丈夫?」「う、うん…!楓花ちゃんは?平気?」「何とかね」転けて地面に倒れた鬼太郎に踏んだり蹴ったりねと、まさかその内容に自分が入っているとは知らず楓花はまた鬼太郎を憐れむ。釣瓶落としと小豆洗いのいがみ合いを横目に楓花は何もしていないのに草臥れた鬼太郎の背中の汚れを叩き落としていると猫娘が慌てながら走ってくる。「どうしたんじゃ猫娘」「親父さん!鬼太郎は?」猫娘の言葉に楓花は猫娘が分かるよう手を上げて知らせるそしてそのまま隣でボロボロになり疲れ果てた表情の鬼太郎を指さした。
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猫娘に事情を聞いた鬼太郎と楓花はすぐにそのクレープ屋へと向かった。そこには風船で空へと飛んでしまった子塗り壁と、子塗り壁を助けようとして崩れた塗り壁達。鬼太郎は一反木綿なら、と彼を探すが楓花に肩を叩かれ彼女が指さした方へと目を向ける。そこに居たのはクレープ屋を食べすぎてお腹が膨れ上がった一反木綿の姿。あれでは飛ぶことが出来ない。鬼太郎はだったらとクレープ屋の販売車の上に乗ると髪の毛針で風船を割り落ちてくる子塗り壁をちゃんちゃんこでキャッチし無事無傷で地面に返した。そしてその鬼太郎の姿からまたもう1つ事件が生まれる
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その翌日楓花はまた鬼太郎の元を訪れていた理由は今目玉親父が乗っている人が手動で回し動かす木馬の玩具だ。バランスをとって体を鍛えると言い鬼太郎に木馬を動かさす目玉親父を見ながら出されたお茶を飲む。もっと激しく回してくれと言う目玉親父に鬼太郎は先程よりも勢いをつけてハンドルを回す。もっともっとと言いながらどんどん早くして欲しいと言う目玉親父の頼みを聞く彼に大変そうねとだけ思いまたお茶を啜った。そんな空間に猫娘が鬼太郎を呼ぶ声が届く、馬の上で目を回す目玉親父を置いて鬼太郎は外に顔を出した。「猫娘どうしたんだい?そんなに慌てて」「大変なのよ*…」猫娘は顔を上げ鬼太郎に顔を向け、鬼太郎の右手がずっと回り続けていることに不思議に思う。楓花もそれに気づき後ろから「鬼太郎、手が回ったままよ」と教えると彼は気恥しそうにその手を後ろに隠した。「楓花もそっちにいるなら一緒に来て!」「私も?」「一体何が?」「売られてるのよ!鬼太郎が! 」「え?!」鬼太郎が売られている。猫娘のその言葉に楓花と鬼太郎は思わず顔を見合わせ、一体何が起きているのか猫娘の後をついて行った
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たどり着いたのは昨日一悶着あった小豆洗いと釣瓶落としの店がある場所。そこにはこれまた多くの妖怪が集まっていた。楓花は昨日のことを思い出し少し嫌な予感がするも鬼太郎達と共にその妖怪が集まる中へと入っていった。ちょうど中心へと来た時顔を上げる。そこに居たのはカランカランと盛大にベルをならし小豆洗いが500年振りだという新商品の宣伝だった。その内容は紙芝居方式で始まる。「さて皆さんご存知のヒーローゲゲゲの鬼太郎!」その言葉に楓花は思わず隣にいる鬼太郎を見るそれは周りの妖怪も同じだ。そして小豆洗いの紙芝居は進んでいき昨日子塗り壁を救った霊毛ちゃんちゃんこを取り上げた。「そのちゃんちゃんこが商品になっちゃった!名ずけて…ちゃんちゃんこサンド!」ちゃんちゃんこのような黄色と黒っぽい茶色で作られたパンを掲げる。その商品に鬼太郎と楓花は驚き目玉親父は1人目玉商品じゃと目を輝かせる。そのサンドの人気は高く妖怪が押しかけていく「ぼ、僕がサンドに…」「こっちもあるの!」唖然とする鬼太郎に猫娘は嬉しそうに次の場所へと背中を押しながら向かう。そこは釣瓶落としの雑貨屋だったまた楓花達は妖怪の中へと潜っていき顔を上げる。そこで売っていたのは鬼太郎の顔が描かれたスナック。ゲゲゲスナックだった。「えぇ…」「僕が…スナックに…」このスナックもまた人気が高く、向こうに負けじと妖怪が押しかける。未だ唖然とする鬼太郎に多くの妖怪が自分も買ったと報告していく。そんな鬼太郎を挟むようにしてまた小豆洗いと釣瓶落としが火花をひらせる。それは雲にも影響があるかのように共鳴するかのごとく雷がなる。
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お互いがお互いのアイデアを横取りした、売り出したのは自分が先だと揉める2人の妖怪に鬼太郎は思わず止めようと2人に声をかけた。「あ、あの、喧嘩はよくないと思うよ…」そんな鬼太郎に周りは流石といった眼差しで彼を見つめる。そんな周りから助けてほしそうに鬼太郎は楓花を見たが、面倒事に巻き込まれたくない彼女はそっと鬼太郎から目を逸らした。猫娘はそんな鬼太郎に感化されるかのようにどうせ鬼太郎に許可を貰わないで勝手にやっているんでしょ!と横槍を入れた。またその言葉が2人に火をつける。鬼太郎がいいんだよと収めようとしても時すでに遅い、すると鬼太郎の頭に乗っていた目玉親父はそうだ!と言うと「この際どっちが公認の鬼太郎グッズか決めてやりなさい」と話す目玉親父に鬼太郎は困惑を表情にうかべる。(さすがにどっちを選ぶって言うのは鬼太郎にとっては難しい気が…)心の優しい彼がこんな状況でどちらかを選ぶなんてことできるわけがないと楓花は思ったが、どうやら周りは違うらしくそれに同意するように鬼太郎にどちらかを選ばせようとする。(昨日と言い今日といい同情せざるおえないわ…)周りから急かされ冷や汗を浮かばせる鬼太郎に楓花はそっとあらぬ方向を指さす。「あれは何かしら?」彼女のそんな声に周りの妖怪たちは鬼太郎から視線を外しその指さされた方向を見る。楓花はその隙に指笛で鴉を呼び集まってきたところを瞬時に目玉親父を猫娘へと移すと鬼太郎の手を掴み鴉に紛れて能力で空を飛びこの場を離れた。
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横丁から離れた空を楓花と鬼太郎は飛ぶ。このまま鬼太郎を家に戻してもいいがそれだとすぐにまたあの場に戻されるだろう。「楓花ちゃんありがとう…助かったよ…」「昨日の今日でお疲れ様ね」疲労を顔ににじませる鬼太郎は楓花の言葉に苦笑いを浮かべる。「あの感じだとまた明日もありそうね」「…なんか、少し面白がってないかい?」「少しね」ごめんなさい、でも一応あんたに同情してるのよ?何時もよりどこか楽しそうに話す楓花に鬼太郎は怒れるはずもなく他人事だからって…と小さく言葉を漏らすしかなかった。「でも明日もこれがあるのはちょっと…」「そうね、それになんか悪化してそうだし」「ねぇ楓花ちゃん、明日も横丁に来てくれないかい?」えぇと楓花は鬼太郎の方を振り向き顔をしかめる。またこんな面倒くさいことに巻き込まれるのは勘弁してといった表情だ。「またこうなったら僕一人で逃げ切れる自信がなくて…、それにあの場に味方が欲しい…」切実にそう話してくる鬼太郎に楓花は出そうになったため息を飲み込むと「分かったわ」と渋々とでも言ったような感じで頷いた。
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次の日楓花は鬼太郎の元へ向かう途中、猫娘に連れられた鬼太郎を見つけそのまま一緒にまたあの場所へと向かった。まず小豆洗いの店へと妖怪達の隙間を縫って顔を出す、そこではちゃんちゃんこサンドのおまけとして特製のちゃんちゃんこが着いてくる。という物だった。それに目を輝かせる猫娘と目玉親父を他所に鬼太郎と楓花は顔を引き攣らせる。そしてまた猫娘に背中を押され次は釣瓶落としの雑貨屋へ向かう。また先程のように妖怪たちの間から顔を出しその商品を見る。こちらではゲゲゲスナックのおまけとして鬼太郎のクッションがついてくると言った物だった。相変わらず鬼太郎と楓花が顔を引き攣らせる中周りの妖怪たちはすれ違いざまにその買った商品のおまけを鬼太郎に見せ買った事を伝えていく。そして2人が気づかないあいだに目玉親父をそれらを買ったらしく鬼太郎の頭の上にクッションを置きちゃんちゃんこを羽織っていた。
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そんな父親に着いていけない鬼太郎を挟むようにまた小豆洗いと釣瓶落としは激しく睨み合い空の具合を変えていく。けれど今度は楓花達の後ろからねずみ男が出てきて2人に何かを耳打ちする、その行為を見ていた楓花は何故か寒気がしゆっくりと鬼太郎の後ろに隠れる。そんな彼女に鬼太郎はどうしたのかと聞こうとした時、鬼太郎の隣にいた猫娘は釣瓶落としが、また先程まで楓花いた場所にたまたま立っていたアマビエは小豆洗いが店の中へと連れ去る。その様子に鬼太郎は彼女の危機察知能力が働いたのだと知りそんな楓花に対して乾いた笑いが思わず出た。小豆洗い立ちに何かを言われた猫娘達は次に鬼太郎たちの前に出た時その衣装は別の物へと変わっていた。売り子対決までもが始まったのだ。その2人の対決は激しさをマシ服装も化粧もどんどん厚くなっていく。(危なかった…)下手したら、それこそ確率は低いと思うがあの場に立つのが自分になっていた可能性がある…と楓花は未だ鬼太郎の後ろから出ることなくどこからが襲って来る寒気に身を震わせた。実際もし楓花が鬼太郎の隣に立ったままであったらどちらかに連れ去られていただろう。
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この小豆洗いと釣瓶落としの対決は売り子だけでは飽き足らず宅配からどこかのサービスまで、どんどん横丁の妖怪たちを広げていく。そしてそのおまけが増えれば増えるほど店の上に立つ看板の高さは増していく。(これはさすがにやりすぎよ…)人間界にある高い建物のようになったその看板の上で未だ睨み合う2人の妖怪を楓花は呆れながら見る。2人のその争いはどんどん燃え自信を取り巻く炎を呼びついにその炎は看板へと移るとそれはとても大きな煙を上げながらいとも簡単に崩れ去った。「げほ、大丈夫ですか父さん、楓花ちゃん…」「大丈夫…」その土煙で視界を奪われ噎せながら何とか返事をする。土埃で汚れた服を払おうとした鬼太郎の肩を釣瓶落としと小豆洗いは掴む、その目は血走ったようで鬼太郎はまた顔を引き攣らせる。そしてどちらが公認の商品なのか決めてくれ、と昨日のあの時のよりも詰め寄り迫力のました2人に鬼太郎は思わず楓花のいる後ろへと後ずさる。けれどそれは途中で砂かけばばあと子泣きじじいに捕まり止められてしまう。周りもやはりどちらが鬼太郎の公認になるのかはっきりさせて欲しいといったような気迫で、自分の頭の上にいる目玉親父もまた「そんな優柔不断な息子に育てた覚えはない」と迫る。鬼太郎は最後の希望のように楓花の方へと目を向けるが、ここまで来ると楓花も手出しはできず静かに首を横へ降ることしか出来ない。
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けれど冷や汗が止まらない鬼太郎の目にねずみ男が大きな風呂敷を抱えて走り去る姿が写った。それに鬼太郎は思わず泥棒…と声を漏らす。彼が指さした方へとまた全員が目を向ければ小豆洗いのサンドも釣瓶落としのスナックも全部無くなっていた。無論その犯人はねずみ男である。「鬼太郎!すぐに追うんじゃ」と目玉親父の指示に鬼太郎は楓花の手を引くとその場を抜け出す。共にあの場から抜け出せホッとする2人とねずみ男を追いかける妖怪2人を横丁の妖怪たちは唖然とした表情で見ていた。森の中へと入り楓花と鬼太郎はねずみ男を追うが向こうのすばしっこさには適わず距離は縮まらない、そしてそのまま森を抜けるとねずみ男が入っていったのは使われていない妖怪寺だった。それを見た鬼太郎には何か心当たりがあるらしく「まさか…!」という鬼太郎を他所に楓花はサッと思わず身を避ける、そのすぐ後に小豆洗いと釣瓶落としは鬼太郎をまた下敷きにして勢いよく妖怪寺へと入っていく。地面にめり込む形で倒れた鬼太郎にまた申し訳なくなり楓花はすぐに鬼太郎と目玉親父を起こす「…ごめんなさい、大丈夫?」「楓花ちゃんが謝ることじゃないよ…」またボロボロになった鬼太郎と共に妖怪寺の入口からその中を見る。その中では相変わらずふたりが睨み合い、目玉親父の声も届かぬほどだった。「鬼太郎止めるんじゃ!」「はい!」鬼太郎はそのまま2人の元へと走り間に入ると両手で2人を押し返し距離をあけさせる。しかしそれだけで収まることなる釣瓶落としの力で何故か天井から桶が落ちてくる(もうっ)むしろ悪化する争いに楓花も中へと入ると桶に反応出来てない鬼太郎を抱え避ける。壁側へと避け何とか桶は避けたものの次は小豆洗いの小豆鉄砲が繰り出される。「ありがとう…」「油断しないでっ」その小豆鉄砲は最初釣瓶落としに向かって放たれていたのにも関わらず何故かこちらへと向かって撃たれる。それを楓花はまた鬼太郎を連れて回避する。本殿の真ん中に来た2人は互いに背負わせ自分達の周りを回る2人をどうしようかと考えるが、その2人を目で追うあまりどんどんと視界が回っていきその思考が止まる「鬼太郎、楓花、耐えるんじゃ!耐えて喧嘩を止めるんじゃ!」「そんな…無理ですよぉ…」「私も…」だんだんと早くなっていく2人に楓花達もどんどんと目が回りどうしようもなくなってくる。そんな2人を置き去りに小豆洗い達はその勢いを止めることなく本殿を壊す勢いでものや壁、お互いにぶつかり合う。そんな争いに本殿の中を駆け巡る怒号とロープのような何かが割って入り妖怪2人と目を回した2人は身動きが取れない状態になった。空中でロープに捕まり動くことの出来ない楓花達はその声の主を見た。「逆柱!黒幕はお前だったんか!」「元に戻したはずなのに」「どうせねずみ男の仕業でしょう」逆柱の後ろでお札を握り笑うねずみ男に楓花は呆れたように話す。逆柱はこの人気商品を売りその金で全てを逆さにしようと楓花にとっては至極どうでもいい悪巧みをしようとしていたようだった。そんな楓花の隣で鬼太郎は「このひねくれ者め!今度こそ許さないぞ!」と逆柱を倒そうとした時ふと自分の下で光る赤いものが目に入った。それは妖怪2人から出る怒りの炎で自身に巻かれたロープ等ないかのように勢いつけて逆柱に頭突きを食らわせた。その衝撃で柱は回り、その回った柱の先でねずみ男はどこかへと飛ばされ、最後に逆柱は普通の柱へと元に戻った。普通の柱へと戻ったため鬼太郎達を縛っていたロープは消えうせその足を地面に付け、2人の元へ行き座った。自分達の出番なく終わった妖怪退治にどこかあっけに取られる鬼太郎と目玉親父、そしてやっと終わったと息を吐く楓花。その2人の前には散らばったスナックとサンド、そして大きなたんこぶを作る小豆洗いと釣瓶落としだった。そんなどうしようもない空気を裂くように誰かのお腹がなる音が響く。鬼太郎と目玉親父だった。「おや、」「なんか急にお腹空きましたね」と目玉親父に話すと鬼太郎はすぐ側に落ちていたサンドとスナックを手に取り食べていき、目玉親父も自分の目と大して変わりのない大きさのスナックを頬張る。そんな鬼太郎達を見て小豆洗いと釣瓶落としは目を輝かせる。なんて言ったって初めて鬼太郎自身が食べてくれたのだから。そうして鬼太郎はしばし無言で食べ続けると、ふと口の周りに食べカスを付けながら両方とも美味しいと頬を緩ませる。小豆洗い達はその姿に涙を貯めながら自分のは美味しいか?と聞けばまた鬼太郎は笑いながらえぇ!と答えた。そんな鬼太郎を楓花は見ていれば鬼太郎は突然手に持っていたサンドを半分に割りその残りを彼女に渡す。「すごく美味しいから楓花ちゃんも食べてみて」無邪気な子供のように笑いながら言う鬼太郎に楓花はその渡されたサンドを手に取り口に運ぶ、そしてその1口を飲み込んだ後スナックを手に取りそれも食べる。ゆっくりと噛み飲んだあと楓花は小さく笑う「本当だ…美味しい…」「でしょう!」そんな2人に釣瓶落としと小豆洗いは声を上げて笑う。突然笑いだした2人に不思議に思っていれば目玉親父のあの二人も仲直りしたみたいじゃのぉと言う言葉に鬼太郎も笑い、楓花も声は上げないにしても手元にあるサンドを食べながらまた笑顔を見せた。
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これでやっと解決したと思っていた楓花と鬼太郎だったがまた猫娘に呼ばれ横丁へと向かう。そこはどこを見ても鬼太郎、鬼太郎、鬼太郎とどの店でも鬼太郎グッズが売られていた。困惑する鬼太郎の隣で楓花はある場所を見て思わず2度見した「ちょっと待って……なんで私のもあるの…?」彼女の引き攣る声に鬼太郎が目を向ければそこには確かに彼女がモチーフであろうぬいぐるみと今も頭に被せている狐の面、それに巫女のような洋服。鬼太郎に混じって売られているそれに困惑していれば猫娘は知らないの?と言う「楓花って意外と妖怪のファンが多いのよ?」「知らなかった…」「どこ情報よそれ…」「情報っていうか、あれを見れば一目瞭然じゃない?」そう猫娘が見る先にいたのは自身のモチーフと人形を大量に買いキャーキャー盛り上がる女妖怪達の姿。その姿に楓花は思わず頭を抱える。「楓花ってば女の子にモテモテなんだから*」「いや*繁盛繁盛。これを機に2人のグッズを人間界にも」そう嬉しそう話す猫娘とねずみ男に楓花と鬼太郎は互いに顔を合わせ頷くと2人に背を向け逃げ出す。「もう勘弁してよぉ!」「私を巻き込まないで!」「あ、逃げた…」