ゴーゴンに招待された鬼太郎達はもう既に閉店したホテルの中へと足を踏み入れた。中に入り指定された階へとたどり着く、そこはただの高級レストランの風景でそこの主がどこに居るのか空間を見渡す。するとそんな鬼太郎達の後ろから女性が「ようこそいらっしゃいました、鬼太郎さん」と声をかけた。振り向くとその先にいたのは人間の姿を借りたゴーゴンの姿そんな彼女は外で隠れるように待機していた一反木綿と塗り壁にいとも簡単に見抜いた。そんな彼女はその笑みを崩さないまま鬼太郎達を食事の運ばれたテーブルへと案内し、彼等はその後を警戒しながらついて行った。
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人数分用意されていた食事に毒は入ってはいなかったが、子泣きじじいと目玉親父以外は手をつけることは無い。毒も入っていなくとても美味しいと目玉親父が言えばゴーゴンはこれが最後の晩餐、この食事の後は皆さん全滅ですから。そう綺麗な笑顔を見せながら話すゴーゴンに警戒が深まる。「鬼太郎さんを石にして献上するようにバックベアード様から言われています。なんでも、体内に物凄い秘宝を持っているとか…」(…地獄の鍵の事か)「鬼界島で手に入れたとされる謎の鍵…地獄の力をこの世に引き上げて手にした者は自在に妖怪世界を牛耳れるんですってね」そう話すゴーゴンにやはりバックベアードが後ろについていたのかと気づく鬼太郎達、しかしその後の言葉に鬼太郎達は目を見開く事となる「…本当は彼女も招待しようと思ったのですが警戒心の強い方なのでこの後で私が直接迎えに行かなくてわね」「彼女…?」「えぇ、あなた方の良く知る…霊永神社の巫女ですよ」「何故お前があの子の事を!」「あら、ご存知なくって?私はてっきり貴方方はソレが狙いで彼女の近くにいたのかと。…あの地獄の鍵とも引けを取らない、それこそ地獄すらいとも簡単に滅ぼせる力を」ゴーゴンの言葉に鬼太郎達は言葉が出なかった。自分達の知るあの彼女がそんな力を持っているだなんて見たことも聞いたこともなかったからだ。ゴーゴンはそんな鬼太郎たちを見て笑みを深める。「彼女を器にして存在するその強大な力はバックベアード様にとっても私にとっても魅力的でしてね、貴方の中にある地獄の鍵も彼女の中にある全てを飲み込む力も…」「楓花ちゃんに手出しはさせないぞっ…」「やはり…皆さんは取られいと抵抗なさるのですね」そして戦いになる、けれど私と戦えば結果は必ず全滅です。そう自信たっぷりと話すゴーゴン。鬼太郎の頭の中は彼女の口から話される楓花の事、楓花の中に存在する地獄の鍵と同等もしくはそれ以上の力がある何か、それらがぐちゃぐちゃと支配する。あの時の話、蒼兄さんは楓花ちゃんのその力を知っていた…だから、とここまで来て鬼太郎は自分の目をきつく閉じて今は目の前の事をと気持ちを入れ替え、目を開けるとゴーゴンを睨むように見据えた。
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鬼太郎達がゴーゴンと対峙しているとき楓花はその場所へと向かっていた。そしてその建物に近づいた時その酷く嫌な気配に止まった。それは人の邪気を集め固めた物で楓花は思わず自身の左腕を握りしめる(何これ…まるで大禍の力の一部が表に出てきたみたい…)痛みなどないはずなのに、まるでそれと共鳴するかのように疼くその刻印を消し去るように先程よりも強く握り爪を立てる。そして数回深呼吸するとまた建物の方へと急いだ。その途中楓花は自身の頭の中で響く、天音の神通力だ。その内容は鬼太郎がもしかしたら閻魔大王の言葉を破り地獄の鍵を解放するかもしれない、というもので今の鬼太郎にそれは制御できるものではなく下手をすれば人間にも被害があるだから早く鬼太郎を止めて欲しい。そう話す天音に楓花は自身の目に映る赤く燃え盛るそれに「もう遅いわよ」とだけ返した。
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鬼太郎は地獄の鍵、獄炎乱舞を使いゴーゴンと邪気の塊を消し去ることに成功した。しかし閻魔大王が言っていたとおり鬼太郎はそれを操ることが出来ず炎は逆に人間達の建物を襲う「やはり僕には地獄の鍵の制御は出来ないのか…」自分では止められないその炎は未だ木や車や建物を燃やす、その光景にそう言葉をもらす鬼太郎の前に狐の面を顔に被った楓花が降り立った。「楓花ちゃ、」「…これじゃあどっちが悪者か分かったもじゃないわね」未だ獄炎乱舞が解除されずふらつく鬼太郎に楓花はそう皮肉るように言うと彼女の左手がちょうど地獄の鍵の模様が現れる場所へと重ね「少し耐えて、鬼太郎…」そう小さく呟くと鬼太郎は突然自分の体の中で何かが這い回る様な感覚に一瞬息が止まる。それはあまりにもおぞましく恐ろしいものに感じて鬼太郎は本能的にそれを拒むように思わず彼女の左腕を強く掴む、そして止めて欲しいと縋るように彼女の唯一面で隠れていない目を見る(目が…赤い…)もしかしたら見間違いなのかもしれない、けれど明らかにその彼女の左目はまるで鬼太郎の中に這い回るそれのように白目は黒く、その瞳は不気味に赤く光る。楓花はその手を離すことは無く自分の腕がミシミシと悲鳴をあげるのを無視し獄炎乱舞が強制的に解除され消えるまで続いた。鬼太郎はふらりと力をなくし楓花の方へ倒れ込む。その時彼女の左手は腕から何か黒い文字のような模様が這い出ていることに気づくが今、それを確かめる気力も体力もない。そんな鬼太郎を楓花は受け止め横抱きにすると屋上から地上へと降りる。ぐったりとした鬼太郎を楓花は地面へと寝かせればその2人に目玉親父達が駆け寄ってくる「鬼太郎!」「…父さん、僕は地獄の罰を受けるでしょう…」鬼太郎と目玉親父の会話を後ろに楓花は彼等から離れ炎に包まれた街の後始末へと向かった。
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あの日から数日、鬼太郎は妖怪刑務所で閻魔大王に逆らい地獄の鍵を開いた罰として石積みの刑にさせられていたとこを楓花は知っていた、これに関しては楓花自身も思うことがあるため口を出すことはしない。…けれど「裁判ってどういう事よ」「ひぇ、楓花ちゃん顔が怖いよ…」「でもこの事に関しては怒るのも無理はないわ」楓花と雛稀、天音は今妖怪裁判所に居たその裁判の内容は鬼太郎が妖怪の秘湯を人間に教えたというもの。突然始まった裁判とその鬼太郎は消してやることは無い内容に楓花達は顔を顰める。「裁判長は大天狗って言うことだから少しは安心できていたけど…」裁判の観覧席よりも後ろで3人は第一審の様子を伺う、その状況は誰が見ても不利でしかなくこのままだと鬼太郎は1000年のツボ詰めの刑に処されてしまう。「…この裁判どこかきな臭いわね」「うん、特にあの百々爺達はね」楓花の言葉に雛稀は頷く。すると天音はそんな二人の後ろから「なら探してみましょう。その原因を」その言葉に雛稀と楓花は振り返る、天音は自身の手を袖の中で組みながら口角を上げ至極面白そうな顔をする。そんな彼女に雛稀は思わず隣に立つ楓花の後ろへと隠れた「さ、探す?」「えぇそうよ。今回の件、どう考えてもおかしな点が多く残るわ…あの爺共、騙す事が得意な私達狐まで欺けると思わない事ね」長く生きてきた天音の狐のプライドに火をつけたのかその目は一向に笑っていない。普段の楓花ならそんな彼女を見て面倒臭いと思い非協力的になるが今回は違った、この場を立ち去る天音に楓花は今回の事での腹立たちさを抑えながら静かに後をおった。
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第2審も終わり今日行われる第3審が最後、もう後は無いその状況であったが楓花はこれまでに集めた証拠、そして途中裏で手を結んだ黒鴉とねずみ男の事もあり周りよりも冷静にその裁判を影から見守る。白蛇に拘束された鬼太郎、そのすぐ下は火で熱せられボコボコと音を立てる毒の液体。そしてその白蛇は証言の重さでどんどん下がっていくというものであった。百々爺は鬼太郎に止めを刺そうと裁判長を務める大天狗にここで最後の証人を呼びます、とねずみ男を証言台へと登らせた。(…あとは作戦通りに)ねずみ男が姿を無くした妖怪達の魂を呼び寄せる秘石を取り出したと同時に楓花とその後ろに立っていた狐2人は動き出した。そして定位置へと立ち楓花は自分の真下でねずみ男が本当の真犯人は百々爺だ!と証言し彼を裏切ると弁護側へと着きこれまでの企みを別の場所にいる黒鴉と共にばらしていく、そして高らかに叫んだ「裁判長!この百々爺はこの他にも色々な悪事を働いていました!それがその証拠と証人たちです!」それが合図となり楓花達は一斉にその証拠となる写真や書類を全ての妖怪たちに渡るよう空からばら蒔いていく。それは百々爺がこれまでの悪事や賄賂がこと細かく載っていた。そして楓花達はそれをばらまき終えると証言台へと3人が集まった「裁判長、別件でのことお許しください。今回この裁判をきっかけとし百々爺の不自然な点が多々ありそれをそこに居るねずみ男や黒鴉と共に探っていました。そして私達が今ばら撒きましたその書類たちはその証拠がのっております」「この裁判で鬼太郎が有罪だろうと無罪であろうと私たち高貴な狐には関係のない事…しかし」「それに目をつぶろうとも隠しきれないこの罪の数々…これはこれで別の罪でありましょう?それに、なんでしたっけ?今回の事は大掛かりな自作自演ではありませんか…これはこれはタイミングのいい、罪のかさ増しそれこそ貴方が第一審で話したとおり悪しきものはきちんとした裁きを」まるでこの裁判など興味はなく自分たちは関係ないとでも言いたげなその姿に大天狗はまた遠回しなことをと長年見知った狐達に呆れ、鬼太郎は楓花達も自分を助ける為にここまでしてくれたその姿に「楓花ちゃん…」と呟く声はどこか震えていた。
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その証拠の数々、そして妖怪横丁の妖怪たちが百々爺の共犯者として天邪鬼、手の目を捕まえ裁判所へと引っ張り出した。突然自身が振りになった百々爺は巫山戯るな!と逆ギレを起こし逃げようとする。けれど今無実となり蛇から解放され、大天狗からちゃんちゃんことリモコン下駄を投げ渡された鬼太郎がそれを食い止めようと戦う。百々爺の鼻もんという幻術で自身の分身を多く作り目をくらませようとするが鬼太郎はそれを髪の毛針で割り本体へと突き刺す。それに怯んだ百々爺を投げ飛ばすが彼はその身を軽く翻し手に持っていた杖で鬼太郎の首を絞める。それを楓花は黙って見ているわけもなく「往生際が悪いわね」と袖の中から札を出し百々爺の手の甲に向けて投げる。その札は他のものよりも固く鋭く、簡単にその肉を刺す。それに怯んだ百々爺から鬼太郎は素早く抜け出すと体内電気で百々爺を倒した。
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第3審最終判決で楓花やねずみ男達が出した証拠により鬼太郎は無罪になった。それを喜ぶ鬼太郎と猫娘達を見ながら楓花と狐2人は立ち去ろうとする。そんな彼女達に鬼太郎は「楓花ちゃん、ありがとう」と嬉しそうに伝えるが楓花は鬼太郎に顔を向けないまま「感謝されることなんてひとつもしてないわよ…今回の事はあんたの為じゃないのだから」とだけ言うと裁判所から出て行った。そんなどこかいつもと違う彼女の後ろ姿を見る鬼太郎の上で目玉親父は納得する。「彼女達も平等でなければ行けなかった立ち位置、そこから周りにどうにかバレないよう鬼太郎を助けようと動いてくれたんじゃな」父の言葉に鬼太郎はそうまでして助けようとしてくれていた狐2人と楓花にもう一度心の中で感謝した。
「素直じゃないわね*、本当は少しほっとしているくせに」「……うるさいわよ、私達はあまり誰かに過多入りしては行けないって教えたのはどこの誰?」「そんな事言ったかしら?」「でもまさかあそこまで色んなことが出てくるなんてびっくり!」「外面だけいい奴ほど粗は見つかるものよ、人間も妖怪も」「あんたのように?」「あら、私はただのいい子ちゃんな狐よ」とぶりっ子のような声質で話す天音に楓花は軽く叩いた。
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たまたま妖怪横丁に用事があり向かった楓花はその横丁のど真ん中に何故か鬼太郎が住んでいる家に目がつきちゃんちゃんこを着て下駄まではき、更には動く。(遂に幻覚も見るほどになったのかしら)だったらもう少し別のものにして欲しい、と現実逃避はここまでにして楓花はその場所へと近づく。「今度は何があったのよ…」鬼太郎は不思議そうな顔をして動く家を見る楓花の姿にまた来てくれたんだ、と思いつつ井戸仙人の薬で自分の家が自我を持ってしまったと説明する。「…大変ね」「あはは…」楓花からの同情に苦笑いするしかない鬼太郎。するとその意志を持った家は先程まで下駄とちゃんちゃんこを貰い全身でその嬉しさを表現していた動きを止める、突然どうじたのかと周りは不思議に思い楓花も家の方を見て首を傾げる。「げげ!げげげげ!」家は楓花に手のような枝を伸ばしその先についてる葉っぱで彼女を撫で回す。突然の事に一体なんなんだと焦る楓花と鬼太郎を他所についにはその枝で楓花を持ち上げ至近距離からその姿を見るとどこか照れたようにもうひとつの枝で自身の目を隠す。「げ、げげげ…げげ」けれど家はまたその葉っぱをかき分けチラチラとその隙間から楓花を見る。その姿に感のいい猫娘はまさかと呟くと後からやってきた井戸仙人がおぉと声を上げる「いやはや珍しいこともあるもんじゃのぉ、まさか家が恋をするなんて」「なんじゃって!?」「こ、恋!?!?」「えぇ…」「げげ!げげげ!!」井戸仙人の言葉に驚愕する鬼太郎達と唖然とする楓花。そして照れる素振りをする家。まさにカオスである。「家が恋をするなんてそんなまさか!」「じゃが見てみろあいつの姿。どこからどう見ても恋する乙女のようじゃないか」「家に乙女って…」「いや、それよりコレをどうにかして…」そんな中家は楓花の顔を葉っぱ撫でるように触れるとそのまま家の中へと置く、そして藁の一部を妖怪アンテナのように立たせるとげげげ!!と意気込むように叫ぶ。そして何かを感じ取るかのように鬼太郎達を置き去りにして歩き出す。 どこまでも鬼太郎の真似をしようとする家に呆れながらも楓花を引き込みどこかへと向かおうとしている家を鬼太郎と猫娘は追いかけた。
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歩く家の振動に揺れながら楓花は諦めたように家の中に座る。勿論こうなる少し前に自身の能力でこの場から飛んで去ろうと思ったがすぐに家に捕まり「そろそろ帰りたいのだけど…」と話しても家は必死に首を横に振り駄々を捏ねて楓花の意見は拒否された。(いつになったら神社に戻れるのかしら…)いまだ帰れそうにない状況に溜息をひとつ吐く、すると突然家の動きが止まった。そしてまた楽しそうに右へ左へ揺れ動いたと思ったら今度は鬼太郎と猫娘が家によって中へと入ってきた。その3人から新たにこの家は新しくゲゲゲハウスという家に改名されたと聞いた。そしてまた動く室内で鬼太郎と猫娘は何かつかんでいないと動けない状況に悩まされることとなる。それをもはや慣れてしまった楓花は見つめる「こんなに揺れちゃ風呂にも入れん…」「一晩中歩き回るつもりですかね?」「今夜は私達も泊めてね!」「仕方ないなぁ…」「仕方ないって何よ!」右に左に揺れ振り回される室内で繰り広げられる会話の中で楓花は猫娘の私達という単語に引っかかる「え、私も?」「当たり前でしょ!」「申し訳ないけど楓花ちゃんにはいてもらわないと…!また駄々をこねられたらたまったもんじゃない…」早く帰りたいと思う楓花の傍らで鬼太郎はその室内の揺れの激しさにゲゲゲハウスに止まるよう叫んだ。そしてしばらく静かにしてくれないかとゲゲゲハウスに頼み、それでも動きそうだった為可哀想だが手足をロープで縛り近くの木へと結び完全に動けないようにした。
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久しぶりの茶碗風呂だと喜ぶ目玉親父とやっと落ち着く事のできた鬼太郎達は井戸仙人が作る薬はどうなったのかなどを話す。「ごめんね楓花ちゃんまで巻き込んじゃって」「巻き込まれた事はもう慣れたけどそろそろ神社に帰して欲しいわ…」「そろそろ諦めなさいよ」「にしてもわし等の家がまさか恋をするとわのぉ」目玉親父の言葉にまさか家が人に恋をするだなんて誰が想像できただろうか。「楓花はモテるからね〜」「…またそうやって」「あら、本当の事じゃない」楽しそうに話す猫娘とそれに疲れた様な表情で答える楓花、その女2人を鬼太郎は何とも言えない気持ちで見ているのだった。そして楓花は神社に帰ることを諦め鬼太郎達とゲゲゲハウスの中で寝ていた時だった。また突然動きだしたその揺れに楓花達は目を覚まし、一体どうしたのかと外に繋がる入口を見れば見知らぬ男の子2人の背中がみえた。「君達…」「どこから上がったの?」そんな2人に声をかければどうやらゲゲゲハウスの縄を解いてしまい、そのお礼として乗せてもらっているようだった。
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新しく少年2人を乗せたゲゲゲハウスはまるで何かを察知したかのように真っ直ぐ歩く。その先にいたのは電気をたらふく食べ巨大化した土転びという妖怪だった。普通なら土の中で静かに眠っているはずなのになぜここにいるのかと不思議に思えば、土転びの後を追いかけていたねずみ男を見つけた。また彼の仕業だった。鬼太郎と猫娘はねずみ男の元へ降りていく、楓花もそれに続こうと思ったが少年2人を置き去りにするのはしのびなくゲゲゲハウスへと残った。ねずみ男が商売のために掘り起こした土転びは電気が大好物でこのままだと全ての電気をくらい尽くしてしまう、目玉親父の言葉にゲゲゲハウスはやる気を燃やし土転びの元へと走っていく。いまだに電気を吸い続ける土転びにゲゲゲハウスは何かを話し土転びをこちらへと向かせる「戦いが始まりそうだよぉ…」「あの妖怪強そうだな…」「2人ともここから外には出ないようにね」入口から顔をのぞかせる少年にそう話しながら楓花も外の様子を伺う。土転びはその象のような鼻から今まで溜め込んだ電気をゲゲゲハウスへと放出される。その電気は室内に入っては来ないものの威力は高くゲゲゲハウスは後ろに吹き飛ばされてしまった。そしてその勢いで少年達も外に飛び出してしまい楓花は急いでその2人を掴み庇った。そんな強さを誇る土転びにゲゲゲハウスは焼きほどまでの威勢は消え去ってしまう、するとそこへ土転びの目に目掛けて鬼太郎のリモコン下駄が飛んできて土転びを怯ませる。けれど土転びに鬼太郎の髪の毛針は効かず逆に鬼太郎の体内電気に反応した土転びによって電気を全て吸われ力尽きた鬼太郎は泥の中に埋まってしまった。
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鬼太郎を倒した土転びはそのまま少年2人が住む家の方へと向かっていく。その姿にゲゲゲハウスは立ち上がり楓花達は少年2人の家を守るために戦ってくれるのかと期待したが、それは全くの逆でゲゲゲハウスは土転びの強さにビビってしまい逃げ出そうとする。そんなゲゲゲハウスを目玉親父は止めた「今土転びと戦えるのはお前しかおらんのじゃ!いざ戦うとなれば怖いもんじゃ、鬼太郎とて同じじゃ。じゃが鬼太郎はその怖さを乗り越える勇気を持っておる、今鬼太郎の代わりとなって戦えるのはお前しかおらんのじゃ。鬼太郎になろうというのなら心まで鬼太郎にならねばのぉ…それに惚れた女を守れることこそ真の男という物じゃ」目玉親父の言葉に突き動かされるゲゲゲハウス、そして楓花はあと一押しと声をかけた「ゲゲゲハウス」「ゲ、ゲゲ…」「お願い、鬼太郎の代わりに土転びと戦って私達を守って」楓花の言葉と目玉親父の言葉にゲゲゲハウスの魂に火がついた。そしてゲゲゲハウスは履いていた下駄を土転びへと飛ばし、すぐに毛針のように葉っぱを相手に突き刺す。怯んだ土転びにゲゲゲハウスはちゃんちゃんこを投げつけ身動きが取れなくなった土転びに今度は体当たりをして地面へと倒す。その間に楓花達は泥に埋まった鬼太郎を掘り起こす、猫娘が鬼太郎のちゃんちゃんこを見つけるとそこから勢いよく鬼太郎が顔を上げる。ちゃんちゃんこのおかげで早く回復できたのだ。鬼太郎はすぐさま土転びを抑えていたゲゲゲハウスの元へと向かい、鬼太郎はゲゲゲハウスに自分の体をしっかり支えてくれと頼みねずみ男に切れた電線とゲゲゲハウスの足を持つんだと言う。何もわからずその2つを持ったねずみ男を経由して鬼太郎は土転びから電気を吸い取り電線へと流し込んでいく。そして最後には土転びはハムスター程の小ささまで縮んでいた。
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小さくなった土転びをねずみ男に渡した鬼太郎はゲゲゲハウスによく頑張ったなと褒めるがゲゲゲハウスはその言葉に対し嬉しそうではなく目玉親父の翻訳からすればもう妖怪と戦うのは懲り懲りだということだった。そんな鬼太郎達の前に井戸仙人が薬が出来上がったと一反木綿に乗りながらやってきた。するとゲゲゲハウスはその薬を片手で奪い取りもう片手は楓花の頭を撫で近くに咲いていた花を取るとそれを楓花に渡す。その行為に驚く楓花達をそのままにゲゲゲハウスはその場で薬を浴びてしまいすぐにいつもの家へと姿を変えた。少年達と別れ塗り壁にただの家へと変わったゲゲゲハウスを元の場所に戻してもらう中楓花はふとゲゲゲハウスにプレゼントされた小さくて可愛い野花を見る(…私なんかに恋をしてくれるなんて変な家だったわね…)子供のような性格だったゲゲゲハウスにこれが噂に聞く将来大きくなったらお姉ちゃんと結婚する、みたいなやつかしらね。と1人考えていれば聞きなれた下駄の音がすぐそばまで聞こえ顔を上げること無く楓花は話しかける「ゲゲゲハウスの方はいいの?」「父さん達がいるから平気だよ」「そう」先程に比べ口数の少ない鬼太郎を不思議に思いながらも楓花は手元にある野花をくるくると回す。「…花、好きなのかい?」「別に特別好きって訳じゃないわ、人並みよ」鬼太郎が何を言いたいのかが分かった楓花はその後にまた言葉をつける「ただ、人からの好意とかでこういうのを貰ったことが無かったから少し戸惑ってるだけ」その言葉に少なからず驚いてる鬼太郎は声を無意識に出す。そんな彼に楓花は小さく笑う。鬼太郎は慌てて「ごめん、馬鹿にしてる訳じゃなくて…ただ本当に意外で、猫娘が言ってたみたいに楓花ちゃんは色んな人にモテるらしいから」「別に怒ってないわよ。…それに今の私には色恋する暇も惚けている余裕もないから」そう、そんな事をする思考なんてこの世界で生きていた中で生まれたことは無い。それに惚けている時間があったら元の世界へ、両親とあの子がいるあの世界へ戻る方法を調べていた方が何倍も有効的だ。鬼太郎は彼女の言葉に違和感感じる(まただ…また彼女はなにか別のものを見てる…)花を通してどこかぼんやりと遠くを見つめる楓花に鬼太郎は小さく彼女の名前を呼ぶ。すると楓花はハッとしたように鬼太郎を見て何か言いたげな彼を誤魔化すように花に話題を変える「この花、普通に飾ってしまったらすぐに枯れてしまうから押し花にしようかしら」そんな彼女に鬼太郎はわざと誤魔化される。いいんじゃないかな、そう伝えれば楓花はなら大事に取っておかないと、とハンカチを取り出すと花を壊れ物のようにそっとその上に乗せる。その姿に鬼太郎は思わず口を開く「そんな慎重にならなくてもいいんじゃないかい?」「嫌でも慎重になるわよ。だってハウスが私なんかにプレゼントしてくれたものなんだから…」私なんか彼女は自分自身を卑下する。それは話の建前でもお世辞のようなものでもなく本当にそう思っているようで、まるで自分の事を要らないものとして見ている。「私なんかじゃないよ…ハウスは楓花ちゃんだったからその花をプレゼントしたんだ」「……」「自分を卑下しないで…その言葉は楓花ちゃんを大切に思ってる人にも、楓花ちゃん自身にも失礼なことだ」そう話す鬼太郎に楓花は彼の顔を見る。鬼太郎は真っ直ぐと楓花を見つめていて、その目がやはり彼女の中で大切なあの子と被って見えて泣きたくなる。何も話さなくなった楓花に鬼太郎は焦る「な、なんて…偉そうな事言ってごめん。そろそろ父さん達のところに行こうか」「…そうね」楓花は先を歩く鬼太郎を見ながら先程の彼の言葉を思い出す。私自身にも失礼、鬼太郎はそういった…それがどんな意味なのか、ただの女の子だった時の彼女なら分かっていたその言葉の意味に今の彼女は首を傾げるしか出来ない。そんな中で鬼太郎は楓花の方を見ずに話しかける「例えば、」「?」「例えば僕もハウスみたいに花…とか、を楓花ちゃんに…楓花ちゃんの為に贈ったら、貰ってくれる…?」鬼太郎は自分の好意を簡単に表に出し伝えることの出来るハウスの事を心のどこかで羨ましいと感じていた。だからあの時ハウスの渡した花を大事な宝物のように見ていたその姿にもやもやとしたものが競り上がり、自分を卑下した彼女に「そんな君が大切だと思う僕はどうなるんだ」と腹立たしくも悲しい感情に巻かれた。最近楓花に関してそう感じる時が多い、今だってそうだ。一体僕は彼女に何を聞いているんだ、鬼太郎はすぐに自分の言葉を取り消そうと口を開く。けれどその言葉は彼女の声によって出ることは無かった。「当たり前でしょ?」至極当然のように言い切る彼女に鬼太郎は立ち止まりそっと楓花の方へと振り向く「…私のために贈ってくれるならなんだって嬉しいんだから」1度手元にある野花を見たあと鬼太郎に移しいつもの様に小さく笑う楓花に先程まで彼の心を占めていたもやもやとした物はまるで最初からなかったかのように拭いとられ、代わりに気恥しさと嬉しさで埋められる。そんな単純で簡単に振り回される自分の感情に鬼太郎はついに気づいた。(そうか、僕は……楓花ちゃんの事が好きなのか…)自分の気持ちに気づいてしまった鬼太郎の体は内側から更にその熱さを増していき、彼女に気づかれないようにとすぐに前に向き直る。その顔は誰が見ても赤く染っていた。