妖怪の白山坊とねずみ男がタッグを組み人間界で妖怪横丁の妖怪達とお化け大劇場というショーを開くという話を猫娘と鬼太郎から聞いた楓花はまたよからぬ事を…と考えるがそれよりも1度も行ったことのないショーというものに興味を持ち鬼太郎達と共にその劇場へと足を運んだ。白山坊の司会でショーは始まり、ろくろ首やぬりかべ、一反木綿などの演劇が続きその途中途中で楓花は周りの人間たちと共に控えめな拍手を送る。そんな彼女に猫娘は呆れる「ちょっと楓花なに普通のお客さんみたいな事してるの?私達は人間に被害が起きないように見張るっていう目的もあるんだからね!」「そうね、ごめんなさい。こういう場所に来るのは初めてだから周りに釣られてしまって…」猫娘に注意され謝るも楓花はすぐにそのショーの続きに入り込む。例え何千年生きていようと彼女の精神年齢はほとんど15で止まったまま、だからこのショーのように自身の興味が惹かれるものに逆らう事が出来ず表情は変わらないもののその目はライトに照らされ子供のようにキラキラと光る。そんな楓花の顔を見るとそれ以上猫娘は何も言えずむしろ自分自身も見入ってしまい、鬼太郎や目玉親父もそんな彼女に少し意外と感じつつもその表情は穏やかなものだった。
↓
ショーも無事に終わり楓花達は控え室へと向かった。中に入れば皆手に今回分の給料が入った袋を持ちニコニコと笑みを浮かべる。そんな中入口の扉が開き、こちらも笑顔を浮かべ上機嫌な白山坊が入ってきた。鬼太郎や目玉親父に来てくれたのかと喜ぶ白山坊と給料が貰えて喜ぶ妖怪達にに目玉親父は軽々しく人間の前に立つんじゃない!もし本物の妖怪だとバレたらどうするんだ!と注意するが傘化け達はその稼いだ給料の良さにまだ働きたいと話、白山坊もみんなの為に働かせて欲しいと頼む。しかしそれでも渋る目玉親父に白山坊は実は目玉親父にも出演してもらいたいと指を鳴らし、目玉親父の大きさにあった帽子をかぶせる。「目玉ちゃんならスターになれる。輝くビックスターにね!」「そ、そうかのぉ?」白山坊が取り出した鏡で自分の姿を見て満更でもない目玉親父「父さん…」「…ちょろい」その姿に楓花達は呆れるしかなかった
↓
その翌日目玉親父に呼ばれ楓花は鬼太郎の家に来ていた。そこでは目玉親父が白山坊に言われた言葉を本気にし、ショーに出るための芸を練習しようとしていた。「親子で芸をやろう。わしは的になってお前が毛針を撃つんじゃ」そう話す目玉親父の体はどこかテレビで見たように手足を壁を拘束され身動きが取れないようになっていた。この場合壁ではなくちゃぶ台だが。そんな目玉親父に鬼太郎は困り果て、猫娘と楓花はその様子を横で見ている「こういうのは美女がやるものじゃ…」「確かに…」「鬼太郎がそこまで言うなら私やるわ!」「え?」なぜ猫娘が?と反応する鬼太郎とそういう問題ではないだろうと感じる楓花、そんな時ねずみ男が鬼太郎に助けを呼ぶ声が聞こえた。
↓
あの劇場で化け草履が暴れていると聞いた3人は急いでその場所へと向かった。中では意思を持った靴に人間が襲われ、ステージではいつもより数倍にも巨大化した化け草履がいた。ねずみ男は別として楓花達は自分たちに襲いかかる靴を弾き飛ばし化け草履の元へと近づく。「今いいところなんだ!邪魔するやつは妖怪であろうと許さないんだど!」と化け草履は言い放つとその1つ目から赤い光線を3人に放つ、鬼太郎と楓花はそれを避けることが出来たが猫娘はその光に当たってしまい、履いていた靴が操られ観客席の方へと飛んでいく。「猫娘!」「私が行くわ」楓花は猫娘の方へと向かい、今だ靴のせいで飛ばされそうになっている彼女の体を掴み能力で靴の動きを止める「大丈夫?」「ありがとう…」靴に振り回され目を回す猫娘の傍で楓花は襲いかかってくる靴から自分と彼女を守りながら鬼太郎と化け草履の戦いを見守った。
↓
鬼太郎の方が有利だと思っていたこの戦いは化け草履がリモコン下駄を操った事により不利へと変わる。下駄は鬼太郎に襲いかかり無理やり履かされると空中へと四方八方勢いよく飛ばされ回される(何やってるの鬼太郎…)自身の下駄に振り回され攻撃も簡単に避けられてしまっている鬼太郎に本当に倒せるのか少し不安になってきた楓花だったが、鬼太郎はリモコン下駄が自分のことをよく知っているように自分もリモコン下駄のことをよく知っている。と闘牛士のようにちゃんちゃんこと毛槍でリモコン下駄を惑わし下駄の急所とも言えるはなわを切った。残るは本体の化け草履となり、鬼太郎が自身の髪の毛を伸ばし化け草履のはなわも切ろうとした時もう操られてはいないはずのリモコン下駄がその攻撃から化け草履を庇った。自分の急所であるはなわを切られそうになった化け草履は先程まで人間に抱えていた怒りよりも怖さが勝ち、靴を操っていた力も消えて体も元の小ささへと戻っていく。「あ…」「た、助かった…」
↓
ステージ上で楓花達は化け草履と話すように動くリモコン下駄を見る。「リモコン下駄、化け草履のコントロールは消えたのにどうして…」「もしかして、同じ履物として同じ化け草履を庇っているんじゃないの?」「え、」楓花の言葉に驚く鬼太郎の元へ片方のリモコン下駄が近寄る。そして彼らが言いたいことを目玉親父が翻訳した。「自分には化け草履の気持ちがよく分かる。いつも自分たちは踏みつけられ汚れ臭い足の臭いを欠かされ続けている、なのに踵を踏まれたり無惨に捨てられたり…皆の足をいつも守っているのにあんまりだ、と」そんなリモコン下駄が伝えようとしていた言葉に鬼太郎はそうだよな…と納得し化け草履のことを許そうと伝え、お前は僕の大切なパートナーお前がいないと僕は困るんだと話せばもう片方のリモコン下駄も鬼太郎の所へ向い立たせていたその体をいつもの様に地面に置いた。そんなリモコン下駄のはなわを鬼太郎は直しながら化け草履に話しかける「化け草履、僕らは君たちに感謝が足りないのかもしれないな。いつもありがとう」そんな感謝の言葉に化け草履は泣き自分も悪かったと泣いた。その姿に見ていた人間達も手元にある履物を見る者、大切に抱きしめる者、あるいは感動するものと化け草履の言葉を胸にする。白山坊はそれを見て何かを思いつくと床に落ちていたマイクを拾い今までの事はショーの演目だったと上手くまとめ会場を納めた。人間達は最後そんな彼らに拍手を送る「上手くこの場をまとめたわね」「全く白山坊も人騒がせなんだから…でも何とか解決出来て良かったですね」「そうじゃな。しかしこの歓声たまらんのぉ」「え」「よぉしわしらも人間を笑わせてみせるぞぉ!」「あら、頑張ってね」「もぉ…勘弁してくださいよ父さん…」楓花ちゃんも応援しないで止めてよと話す鬼太郎に小さく笑みを送った。
↓
↓
封じられていたはずの百目が姿を現し、その百目の呪いが鬼太郎を苦しませている。そう目玉親父から伝えられ楓花は鬼太郎達の元に急いだ。「うぅ…」「このままだと不味いわね…」その場にいた砂かけばばあ達に囲まれ布団の上で苦しそうに声を上げる鬼太郎。そんな彼の上半身に浮かぶ不気味な模様を浮かばせる百目の呪いに楓花は自身の手を重ね目を閉じその妖力を調べる「どうにかならんかのぉ…」「呪いが深く根付いてる…私には直せないわ、本体を倒さなければこれは消えない」「そんな…」百目の呪いは彼女たちが思っていたよりも協力で下手に手は出せない。どうするか…今もその呪いに苦しんでいる鬼太郎の汗を拭いながら頭を巡らせる「……古今、目玉親父さん古今を呼んで」「こ、古今か?おーい古今!」目玉親父の呼び掛けに古今が姿を現す。そして楓花は古今に百目のページを見せて、と話すと古今はすぐにそのページを開いてみせた。百目のページを楓花は読み上げる「治せはしないけど、少しは抑えられるかもしれない…」「本当か!」「多少だけれど…」やらないよりはマシでしょ、楓花は早速目玉親父達に話その準備をした
↓
苦しむ鬼太郎を何とか起き上がらさせその半身に包帯を巻くと楓花は古今のページを見ながら呪いを抑える呪文を鬼太郎の背中に書いた。「気休め程度だけど、多少は呪いも抑えられるはずよ」「ありがとう…楓花ちゃん…」それでも気休めは気休め、依然呪いに苦しめられる鬼太郎に楓花達はこれ以上何もできることはなかった。そんな中突然部屋の隅においてあった電話が鳴り響く。目玉親父が小さいながらもその受話器をとり電話に出た「はい、もしもし……な、なんじゃと!おい鬼太郎、人間の子供からお前にじゃ。百目に襲われているらしいぞ」目玉親父の言葉に鬼太郎はその体を引きずるように慌てて受話器を受け取る「もしもし、僕が鬼太郎だ。君は…?」鬼太郎と以前百目の部下を務めていた妖怪が話している内容を楓花達は静かに聞いていた。「話は分かった。だがひとつ聞きたい…」「なんだね」「なぜ敵だった僕にまで頼んで人間を救うんだ」そう質問した鬼太郎に彼は答える。人間を見てみたい、彼らから学ぶものが多い…だからもう一度百目様を倒して欲しい。その内容に猫娘達は頷き、鬼太郎もそれに返した。
↓
百目が居る工事現場へと訪れた楓花達はその掘られた大穴の中へ潜っていく。1番下へと降りた時ちょうど百目が目から光線を出し人間の男の子を襲おうとしていた。鬼太郎はすぐさまリモコン下駄を百目に向かって放ち、その光線の起動を変えた。光線で鉄骨が落下し、あたりは一面土埃で埋まる。その隙に楓花達は男の子の前にたった。「おのれぇ!」「猫娘タカシ君を!」「分かった!」猫娘に男の子を託し鬼太郎は放ったリモコン下駄で後ろから百目に当てようとするが封印の包帯を巻いていても呪いのせいでいつもより体内にある霊力が少なく操ることが出来ない。そんな鬼太郎に無理させぬようぬりかべと子泣きじじいは百目の動きを止め一反木綿に乗った砂かけばばあと楓花で百目の視界を奪おうと砂や札を投げる。けれどもそれは百目にあまり効かずぬりかべ達は弾き飛ばされ楓花や砂かけばばあに向かっていくつもの目玉が飛んでくる。楓花はそれを袖から出した小刀で切り倒していく「百目こっちだ!」ぬりかべ立ちに向かって放っていた光線を鬼太郎へと変える。鬼太郎はそれをちゃんちゃんこで防ぐが、このままだと焼ききれてしまう。そんな中タカシはバケローに言われたことを思い出し百目に後ろから蹴りを食らわせる。「君!?」「鬼太郎さん!僕さっき見たんだ、あいつは長い間からだを保てない!」楓花は自身の周りにいた目玉を全て倒すと急いで鬼太郎たちの元へ駆け寄りタカシを自分の背に隠す。タカシの蹴りに起動が一瞬それたもののまたすぐさま百目はその的を鬼太郎に絞り光線を放つ「そうか鬼太郎!目を新しくしなければ百目の力は無限ではない。いずれ力を使い果たしその姿さえ保てなくなるんじゃ!しかしそれまでわしらが耐えられるかどうか… 」今の鬼太郎では霊力が足りず負けてしまう、そう心配する目玉親父に楓花はひとつの案を思いつき鬼太郎の背中に自分の右手を当てる「…なら私の霊力を分けるわ」「…ありがとう……百目、勝負だ!お前が押し切るか、僕が耐えきれるか」楓花は自身の右手に霊力を集中させて鬼太郎へと流し込む。これで最後だ!と言い放つ百目は少しずつ熔けていく。そして鬼太郎へと向けられていた光線は弱々しくなりあらぬ方向へと向かう「よし!皆!」鬼太郎のその合図に隣にいたぬりかべと子泣きじじいがちゃんちゃんこを手に持ち溶けかかっている百目を囲う。そして砂かけばばあも百目に向かって火炎砂を投げ飛ばす。青い炎に包まれた百目はぬりかべによってちゃんちゃんこ事振り回され地面へと叩き落とされた。百目は形を保てずただの砂に成り果て、鬼太郎を苦しめていた呪いも解かれた。「やりました父さん!」「うむ!」「…はぁ、疲れた」「楓花ちゃんもありがとう!」「いいえ」
↓
人間の子供たちはすぐに意識を取り戻し帰路へと帰っていく。鬼太郎達も横丁へと戻りそれに楓花も着いていく。鬼太郎の家に上がった楓花の手にはタカシから譲り受けた百目の攻撃で傷つき霊力を失ったバケローが取り付く携帯が握られていた「それを貰ってどうするの?」「少し、ね」猫娘の質問に楓花は曖昧に答えるとその携帯を両手で握り自身の霊力をあの時のように流し込む。すると今までなんの反応もなかったバケローの目玉がまた緑色に光る。「こ、ここは…」「また動き出した!」「これは…」霊力を取り戻し元気を取り戻したバケロー、その姿に鬼太郎達は驚き楓花を見れば彼女は小さく笑い両手をひらひらさせながら「巫女パワー」とだけ話す。鬼太郎達にまた新たな仲間が加わった。
↓
↓
鬼太郎はある日妖怪ポストにあの鵺というから手紙を貰い京都の鵺を封印したと言われる神社に猫娘とねずみ男を連れてやって来ていた。「楓花も来てくれれば心強かったのにな」「そうは言っても向こうには向こうの事情というものがあるんじゃよ」そう話す猫娘達に鬼太郎は思い出す。京都に行くという話をした時楓花はどこか懐かしみ鬼太郎達と共に向かおうとしていた。けれどこの手紙の主が鵺だと知り、その目を見開き彼女は途端に「ごめんなさい、行きたいけれど私はついていけないわ」と断った。そんな彼女の姿に鬼太郎は何か知っているのではと感ずくが追求することも出来ずこの日を迎えた。(彼女は確かにあの時…)鬼太郎が手にしていた手紙の内容を楓花が読んでいた時彼女は小さく「鵺さま…」そう呼んできた。鬼太郎は楓花と鵺の関係も踏まえつつこの手紙の通り京都へとわざわざ足を運んだのであった
↓
凶悪な妖怪であったがために1200年前に人間に退治され封印された鵺がなぜ自分たちを呼んだのか。その中でねずみ男は1度も人前に姿を表さなかった鵺がもしかしたら自分の前に現れるかもしれないと、写真を取りだしスクープを狙う、けれどそれを猫娘が許すはずもなくまた一儲けしようと企んでいるのかとねずみ男を問い詰める。そんな2人を鬼太郎が見ていれば突然不気味な鳴き声が辺りに響いた。「なんだ、この声は…?」鬼太郎達は驚き神社の方へと目を向けた途端、本殿の扉が突然開き中から黒い雲のようなものが出てきて鬼太郎を囲む。そしてそれは勢いよく中へと戻っていき、鬼太郎はその勢いに逆らうことが出来ず雲とともに本殿の中へと引き込まれた。
↓
雲が鬼太郎たちを離しその足を地面に着けた時には周りの風景はガラリと変わっていた。一体ここはどこなんだと戸惑う鬼太郎と鵺の仕業だとは思うが一体自分たちをどうするつもりなのかと思案する目玉親父、その2人の前を百鬼夜行が慌て、お化け狩りだ!と叫びながら横切ろうとする。「おばけ狩り?」聞いたことの無い単語に鬼太郎は反応する。すると白い人型の紙のようなものが百鬼夜行を追いかけ後ろにいる付喪神に巻き付くと道の端へと連れていき灯篭へと変えてしまった。「父さん、あれは…」「なんと…妖怪が灯篭にされてしもうた…」その光景に鬼太郎はまた襲われそうになっている楽器の付喪神を守るため髪の毛針を放ち人型の紙を消し去る。走るのが遅い付喪神を抱えアレは一体何なのかと聞いた「式神です!あの陰陽師たちの使い魔ですよ!」「陰陽師!?」「主に平安時代に活躍した妖怪退治のエキスパートじゃ!」完全に日がくれる前に都の外に逃げないとと抱えた付喪神が指を指す。その先にあった建物は平安時代末期に倒れ今はもうない羅城門だった。「今は無いはずのものがある…ということは!」「わしらは違う場所ではなく違う時代へ来てしまったようじゃ。ここは1200年前の京都、平安京じゃ!」「タイムトリップ!?」自分たちがタイムトリップした事に驚きつつも鬼太郎はその足を止めず他の妖怪たちと共に羅城門から抜けようとするが日は落ち、完全にそのもんは閉じてしまった。鬼太郎はその門を襲うと手を添えるがなにか強い力で弾き飛ばされる。「なんだ…!?」「門にはお化け避けの結界が貼られてるんどす…」そうしてる間に式神は他の妖怪たちを取り込もうとする。鬼太郎は抱えていた付喪神を下ろしそこに向かい式神を切り裂く。しかしその多さに1人ではその対処は難しく隙ができてしまった「鬼太郎!後ろじゃ!」「!」慌てて振り向いた時にはもう目の前に式神はいてどうすることも出来ない。そんな時その式神は鬼太郎に触れる前に縦に切り裂かれた。「大丈夫?!」その先にいた人物、狐の面を被り巫女の服を着た少女。鬼太郎はその見覚えがありすぎる人物が立っていたことに驚愕した。「楓花、ちゃん?」「え、なんで私の名前を…、ってそんなことしてる場合じゃない!」楓花は残りの式神に向かって札を投げ破壊していく。鬼太郎も呆気に取られてはいたが今はこの式神達を倒すのが先だと毛槍で割いていった。
↓
式神を全て倒すと陰陽師達は鬼太郎達に背を向け静かに去っていった。楓花はそれを見たあと羅城門の下で脅える付喪神達の方を見る「皆、今のうちにいつもの屋根裏に!」「ありがてぇ巫女様!」付喪神達は楓花や鬼太郎に礼を言うと次々に羅城門の屋根裏へと隠れていく「さぁ貴方も早く」「ちょ、ちょっと待って!」羅城門へと向かおうとした楓花を鬼太郎はその腕を掴んで止めた「君…楓花ちゃんだろう?なんでここに」「なんでって、貴方こそなんで私のことを知ってるの?私と貴方は今日初めて会ったはずなのに…」「初めて…?何を言って…」嘘などついていない、本当に鬼太郎のことをわかっていないその言葉にさらに混乱する。しかし目玉親父はそんな鬼太郎に落ち着くようにと髪の毛から飛び出して話す。そんな目玉親父に次は楓花が驚くばんだった「ひっ、め、目のお化け…」「わしは目のおばけではない!鬼太郎の父親、目玉親父じゃ」「きたろう…?お父さん…?」面を付けているせいで表情は読み取れないが目玉親父に驚き怯え、その言葉に首を傾げる楓花の姿に目玉親父は確信する。「うーむ鬼太郎、もしかしたら目の前に居る楓花はこの時代の、1200年前の彼女じゃないかのぉ」「過去の、楓花ちゃん…」確かに落ち着いてよく見れば服そうがどこか違く、髪の毛だって今よりも短い。するとその本人である楓花はおずおずと口を開く「あの…お名前を伺っても?」「あ、僕はゲゲゲの鬼太郎」「鬼太郎、さんですね」さん、それに敬語。今の彼女ではあまり聞くことの無いそれに今度は目玉親父も驚く。鬼太郎は慌てて敬語もさん付けも要らないよ!と話せばじゃあ鬼太郎くんで、とそれでもむず痒いものが返ってきた。「ねぇ鬼太郎くん…なんで私の事知っていたの?……もしかして、貴方も飛ばされて?」「貴方も?って他に誰か鵺に飛ばされた人がいるのかい?」「鵺?」鬼太郎と目玉親父は自分たちが鵺によって現代から過去へ飛ばされたのだと話し、その過程で楓花にも出会っているのだと話す。すると彼女の声のトーンが先程よりも下がる「そう…だから、貴方達は私の事を…。」「…楓花ちゃん?」「…鵺様に飛ばされたのは大変だったね…でも大丈夫、すぐに戻れるよ。それとごめんなさい、さっきのは私の言葉のあやで鬼太郎くん達みたいに過去に飛ばされた人はいないの」「謝らないで、全然気にしてないから」鬼太郎の呼び掛けでまたすぐに先程の調子へと戻る彼女に内心首を傾げつつ気にしていないと気遣う「わしからもひとついいかい?」「はい」「楓花ちゃん君はわしらの時代と変わってなかったら東京…今の江戸にいたはずじゃ。それなのにどうして平安京に?」「……これは天音さん達からあまり人には言うなと言われているのですが…」目玉親父の質問に楓花は少し考えたあと言葉を選びながら言葉を出す「依頼、だったんです。今みたいに付喪神やお化け達を見境なく灯篭にしてる。だから手を貸してほしいと。そのために10日ほど前、ここに来ました」「依頼…それは誰から」「それは申し訳ないですが、言えません…」ごめんなさい、頭を軽く下げそう謝る彼女に目玉親父は慌てていやいや、むしろ答えてくれてありがとうと返した「…そろそろ私達も屋根裏に隠れようか」「うん」鬼太郎は楓花の言葉に頷きその後ろを歩くそんな時風に乗ってかすかに彼女の声が鬼太郎の耳に入る「鵺様は、」それより先は上手く聞き取れなかった。けれども鬼太郎はひとつだけ分かったことがある(楓花ちゃんは鵺の事を知っている)現代の彼女よりもどこか頼りなく脆い背中を鬼太郎は見つめた
↓
鬼太郎は楓花と屋根裏に上がったあとその小窓から外を見る。自分たちがいた道は付喪神達の石灯篭で明るくてらされていた。「大丈夫だ、ここには人間たちはやってこない。一息ついていくがいい」「ありがとう…」「すまんのぉ羅城門の鬼」鬼太郎達の言葉に鬼はこういう時はお互い様だと答えた。なぜ人間が妖怪狩りなんかをと不思議に聞けば周りの妖怪は鵺のせいだと答える。「鵺、鵺はどこにいるんだい?」鬼太郎の言葉を聞いた途端妖怪達は鬼太郎達から距離を置く、それは鬼太郎達が鵺の仲間なのではないかという疑いからだった。「そうじゃない。わしらは鵺のことをよく知らんのじゃ。一体どんな妖怪じゃ」目玉親父の問に周りはお化けも人もたべる凶悪なやつだ、だから陰陽師がおばけ狩りを始めたのだと口々に言う。「うーむ鵺は相当悪い妖怪のようじゃのぉ…」その言葉に鬼太郎は隣で黙ったままの彼女の手が強く握られたことに気づいた。そして少し考える「どうした鬼太郎?」「気になるんですよね…どうして鵺が僕に手紙を寄越したのか、なぜ平安時代に連れてきたのか…やはり鵺に会ってみないと」「そうじゃのぉ…鵺に会わんことには元の時代に戻れんしのぉ…」「誰か鵺の所に連れて行ってくれないか?」鵺の所、周りの妖怪たちはその言葉にまた鬼太郎と距離を置く。そして誰も鵺の居所もわからなければ姿を見たことがないと話した。そんな中先程鬼太郎が助けた付喪神が前へと出る「鵺が出るっちゅう場所ならあります。うちが案内しまひょか?」「君は…」「危ないところを助けてくれたお礼に、この琵琶が手伝わせてもらいます!」すると鬼太郎の隣で黙って様子を見ていた楓花もおずおずと手を上げる「私も手伝うよ」鬼太郎は琵琶と楓花と共に神泉苑へと向かった。
↓
鵺は月の出る晩神泉苑にて姿を現す、その声も聞いたことがある。と説明する琵琶の跡を継いていく。途中、式神の気配を感じとった鬼太郎は琵琶を抱え、楓花の手を掴むと壁際へとより自身の能力で壁の色と同化しやり過ごした。式神に鉢合わせしないようにそっと道を注意深く見渡すがこの道にあるのは石灯籠だけだった「これ全て妖怪か…可哀想に」「妖怪を片っ端から妖怪に帰るとは…しかしなぜ灯篭なんじゃ?」「それにこんなに明るくしてしまって、まるで1200年前の日本見たいですね」「前よりも増えちゃったからね、だから夜がすっかり明るくなって…本当だったら様々なおばけ達が歌って踊りながら堂々と道を歩いて百鬼夜行が盛んだったはずなのに…それが今では…」前を歩く琵琶の後ろ姿を見ながら楓花はそう説明する。そんな時琵琶が道を出た時1人の子供がその姿を指さす「あ!付喪神!」その声に鬼太郎と楓花はすぐその場に向かう。「お母さん、付喪神がおるよ!」「え、」「おやほんま!琵琶の付喪神、それにお狐さんまで」「こんばんは!」「こんばんは」そう普通に挨拶する琵琶と楓花に鬼太郎は唖然とする。「うちの鍋知らへん?付喪神になったんやけどどっか行ったんよ…」「陰陽師に退治されてしまったのかもしれんなぁ」「見つけたら探していたと伝えておきますよ」「ほんまぁ?おおきに。…無事やったらええんやけど」自分の家の鍋を心配する母親の横で子供は目玉親父を見つけると「目玉のお化けやぁ」と嬉しそうに言う「お主らおばけが怖くないのかい?」「お化け言うても、色々でしょ?そりゃ人間をおそうおばけは怖いけど、役に立ってくれるのもいるんやから」そんな母親の言葉に琵琶も自分も使って欲しいから危ないけどよく京都に来てしまうと話す。その会話に目玉親父達は人間と妖怪が仲良く出来さえすればこんな住みやすい時代はないと感じざるおえなかった。そんな時1人の人間が近寄って来て琵琶達を化け物とい放つ、それに母親はこの子達は化け物じゃないと言うが男は聞く耳を持たない。その時またどこからか鵺の声が響き渡る。男は化け物に関わってると鵺に襲われるぞとその親子にいい大声でここに化け物がいるぞ!と叫ぶ「早うお逃げ!」母親の言葉に鬼太郎達はすぐその場を移動した。
↓
近頃はお化け嫌いの人間も増えてきた気がする、これも鵺のせいだと語る琵琶を抱えながら鬼太郎達は神泉苑へとたどり着いた。「鵺が出ると言われとるのはこの当たりどす!」琵琶がそう言った時突然鬼太郎達を後ろから強い光が灯す。それは石灯籠からの光で、その隙間を縫うように陰陽師達がこちらへと歩いてきた。そしてなにかの呪文を唱えるとあの式神が姿を現し鬼太郎達に遅いかかってきた。楓花が琵琶に「貴方は早く逃げて!」と言い放ち袖から出した小刀で鬼太郎と共にそれを切り裂いていく。鬼太郎はそれを倒しながらなぜ貴方方はおばけを襲うのですか!と聞くが相手は聞く耳を持たない「鬼太郎くん話しても無駄だよ!この人たちは誰かに操られてるみたいなの!」「操られてる!?」すると後ろから琵琶の助けを呼ぶ声がして振り向けば1枚の式神が琵琶を襲おうとしていた。鬼太郎と楓花はすぐにその方向へと向かうが突然の落雷にそれは拒まれてしまった。それを起こしたのは陰陽師の1人、楓花と鬼太郎がその人物に足止めを食らっているあいだに琵琶は石灯籠へと成り果ててしまった。「これは妖力を燃やして光妖怪灯篭だ。物の怪どもも使いようによっては役に立つ」「その力…お前人間じゃないな、まさか…」「もしやあいつが鵺だとでも言うのか」不気味に笑う陰陽師に鬼太郎はリモコン下駄を撃とうとするがその陰陽師の前に操られた人間が盾になろうと現れる。その姿に鬼太郎はリモコン下駄に止まれ!と指示し戻らせる。「人間に攻撃できないのか?それは都合がいい。…やれ」2人を囲むように人が集まる。そしてどこからともなく式神が2人に向かって飛んでくる、2人はそれを倒すがどんどんと現れるそれについに鬼太郎は捉えられてしまった。楓花は直ぐに切り離そうとするが手遅れ、せめてと頭に乗っていた目玉親父を手に取り楓花は小刀を構えながら口を開いた「貴方…鵺様ではないでしょう?姿を現しなさい!」「…なんだ貴様にはバレていたのか」陰陽師の目は光それはひとつの場所へと集まり形をなす。その姿は式神に取り憑かれた妖怪達が成り代わった姿のようで「お前は化け灯篭!みんなに化けたり人間を操ったりできる古い灯篭の妖怪じゃな」「ただの化け灯篭では無いぞ。雷の凄まじい力を持った優れた化け灯篭だ」化け灯篭は楓花達の目の前に雷を落とすと笑い出す「鵺と同じ腑抜けだな」「鵺?」「…」「鵺は俺の邪魔をしてきたので陰陽師をけしかけたらあいつも人間を傷つけることは出来ないと反撃すらしてこなかった」「鵺が人を襲った…あの噂は」「あいつにそんな度胸はない。俺が流したでたらめさ」「なんと!鵺の言い伝えは間違っていたのか!」「本当の鵺様をどこにやったの!」「ほう、そんなに会いたいのなら見せてやろう。あいつの哀れな姿を」化け灯篭は自分の体からひとつの封印された小包を取り出す。その中からは悲しそうな鵺の声が聞こえた「わしに逆らうと皆こうなるのだ。都を妖怪灯篭で埋めつくし人間たちにワシを神だと崇めさせてやる。この都も人間も全てわしの物になるのだ」「そんな事させない!」「ほう、灯篭になっても抵抗できるとはなかなかの妖力を持っている…ん?」化け灯篭が思っているよりも鬼太郎の妖力は強く、灯篭がガタガタと揺れだす「いかん、妖力が強すぎる…おい、こいつにも封じの札をはれ!」化け灯篭が人間にそう命じているすきに楓花は先程こっそりと目玉親父から話を聞いていた作戦を実行し、手に持っていた目玉親父を鵺が封じられたそれへと投げた。「待ってろ鵺!今助けてやるからな!」目玉親父に気を取られているすきに楓花が人間に札を投げようとした時あの屋根裏にいた他の妖怪たちも駆けつけ人間を襲いその動きを止める。「お主ら!」「都はわしらの聖地じゃ!わしらが取り戻す!」「頑張って取り戻さんとなぁ!」そう話す妖怪たちに楓花も手助けをし、目玉親父はついにその封印の札を剥がすことに成功した。
↓
札が剥がれた瞬間あの神社で鬼太郎達を飲み込んだ黒い雲が現れ、それと同時に鬼太郎は鵺の力で式神を振りほどき石灯籠から元の姿へと戻った。「鵺!」「私は力を奪われそなたを元の姿に戻すことが精一杯、もはやこの時代では化け灯篭の妖力にはほとんどの者が適わぬ。そう思い霊力を振り絞ってひとつは楓花に、そしてもうひとつ送った文のひとつが時を超えゲゲゲの鬼太郎、そなたの元に届いたのだ…」「鵺様…」「頼む…!」「はい!」鬼太郎は鵺の言葉に強く返事し、楓花は頷く。化け灯篭に妖怪を元に戻せと言うが俺に命令するな!と2人の元へ雷を落とす。それをかわした2人に「いつまで交しきれるかな?」とすぐに多くの雷を落とすそれは鬼太郎だけではなく、見境なしに落ちていく雷は京の都も標的とする。「まずい!」「大変じゃ!このままじゃ都が燃えてしまう!」「この都を火の海にはさせん!」鵺はそう言い放つと残り少ない妖力を使い都へと向かっていく「鵺様!残り少ない妖力を使っては…!」楓花の声に鵺は止まることなく炎が燃え上がる場所へと向かえば次々とその火事を消し去っていく。そして楓花達は雷を避けながら化け灯篭へと向かっていき、鬼太郎は手を持っていた毛槍を伸ばし紐のように化け灯篭を捉えると体内電気を使う。「馬鹿が!雷の力を持つわしがそんな力など効かぬわ!」「鬼太郎くんだけじゃないよ!」「何!?」楓花は札を複数枚投げるとその札は化け灯篭を囲み出す。それは化け灯篭の妖力を吸い上げるもので鬼太郎の体内電気でその体にはどんどんヒビが入っていく。鬼太郎はそのまま霊毛ちゃんちゃんこを使いそのヒビの入った場所を強く締めあげていく。楓花も片手で印を結び札の力を増やしていき、ついに化け灯篭を倒すことに成功した
↓
化け灯篭を倒したことにより石灯籠の火は消え灯篭は妖怪へと姿を戻す。都の夜はまたおばけ達のものへと戻っていった。琵琶は自分達を助けてくれた鬼太郎を称えて百鬼夜行や!といいおばけ達は百鬼夜行を作る。「ちょっと待って!僕の話を聞いてくれ!みんなを助けてくれたのはっ……そういえば鵺は…」「鬼太郎くん」鵺は一体どこに行ったのか百鬼夜行を作る妖怪に聞こうとした時、鬼太郎は楓花に呼ばれる。「鬼太郎くん今回は本当にありがとう。……私と違って貴方は元の時代に帰れる、向こうでもどうか…元気でね」「楓花ちゃん?何言って、」私と違って、彼女は確かにそういった。その意味が指し示すものは一体何なのかそれを詳しく聞こうとした時鬼太郎は黒い雲に連れ去られる。その一瞬鬼太郎は雲の隙間から楓花が面を外し小さく手を振るのが見えた。その表情はいつもと違いふにゃりと子供のような笑い方で、嬉しそうにされども悲しそうなそんな笑顔であった。
↓
鬼太郎は雲の中でその吹き荒れる風に飛ばされそうになりながらも目の前に佇む鵺を見た「元の世界へ送ろう」「待ってください鵺!みんな貴方を誤解しています!誤解をとかないと!」「都に夜が戻り百鬼夜行が復活したのはそなたのお陰だ。称えられるのはゲゲゲの鬼太郎、それで良い」「構成の歴史では貴方は凶悪な妖怪だと言い伝えられております。それではあまりに」そう話す鬼太郎に鵺は自分は皆の前に姿を現すつもりは無いと語る。声も不気味で姿も恐ろしい、皆を怖がらせなくないどこまでも他の者たちを考えている鵺に鬼太郎はそれ以上の言葉が出なかった。「けれど、ひとつ…一つだけ頼みがある…」「なんでしょうか」「楓花を…本当は怖がりなあの娘を守ってやってくれ。あの子は望んでこの世に足を踏み入れた訳では無い、本当は臆病で怖がりなどこにでも居る普通の少女だったのだ…」「…なぜ貴方がそこまで楓花ちゃんを」「私からは多くは語れん、ただ何も知らない娘が他人の欲に振り回され心を壊され大切なものを奪われていくその様はとても見ていられん。…頼んでもいいだろうか」「…もちろんです!」普通の少女、鬼太郎は先程まで目の前にいた楓花のことを思い出す。あの時の彼女は服を変え、能力を使わなければ本当にどこにでもいるような無邪気で可愛らしい女の子のようであった。けれどもそれは今の彼女から見受けられる部分はなくまるで瓜二つの人間をみているようだとどこかで感じていた鬼太郎は心が壊されという言葉は妙に当てはまる部分があった。鵺の言葉に力強く頷いな鬼太郎に鵺は目を細める「…心より感謝する…ありがとう」「平安京に来て、貴方に会えて本当に良かったです」「私も、そなたに会えてよかった」あの娘の事をよろしく頼むよ
↓
また本殿の扉が開き雲が流れ出す。猫娘達はその強さに思わず目を閉じる、そして開けた時その場にはいつの間にか鬼太郎が立っていた。どこに行ってたのかと心配する猫娘達に鬼太郎ははぐらかしながら鵺が描かれた絵を見ればそれは鵺に向かい矢を撃とうとするものから鵺を人々が拝むものへと変わっていた。人々は鵺に感謝し崇め…本当の歴史へと元に戻ったのだった。その頃楓花は1人目を覚ます。いつの間に寝ていたのかわからない、けれども手物にある本の中身をみて嬉しそうに笑う(鵺様は、優しい方なのよ)楓花は鵺が拝められる絵を指で撫でると静かに本を閉じた。