○○しないと出られない部屋

前略、なんやかんやよく分からない部屋に閉じ込められてしまった2人。

・「男側が相手を惚れ直させないと出られない部屋」
部屋の中央に置かれていた紙に書かれてあった言葉に石清水と楓花は混乱した。特に石清水はその自信のなさから(僕が…楓花ちゃんを惚れ直させなきゃ出られない…)そんな事果たして出来るのだろうかと不安を覚える。元々彼女が自分の事を好きになってくれたのですら奇跡に近いのではないか…と悶々としながら未だ隣で黙ったままの楓花を見た。
一方楓花はそのお題を見た瞬間(あ、これすぐ出られそう)と感じ、心に少しの余裕が生まれていた。それは石清水と出会い今に至るまでの間に楓花は石清水に対してそれはもうほぼ毎日その顔の良さと人の良さと性格の良さに心打たれ、夜1人ベッドの上で静かに悶えていた程だ。(…そんな私が澄明くんに惚れ直さないわけないでしょ)という謎の自信を持ち、早くここから出ようと楓花は石清水の方を見た。
タイミングよくパチリとお互いの視線が合う。石清水は何をしたら惚れ直してくれるんだろう…という悩みを抑えつつどうしようかと口を開こうとした、しかし石清水が言葉を発するよりも先にガチャリと言う鍵が開く音が無機質な部屋に響く。「え、な、なんで…?」まだ何もしていない石清水は思わずその音が鳴った扉を2度見し、その後隣に立つ楓花を見る。すると彼女は何処か照れるような笑顔を見せ「…澄明くんは知らないだろうけど、私は毎日…澄明くんに惚れ直してるから…なんて」恥ずかしそうに話すと楓花は石清水の手を取り早く外に出ようと話しながら扉へと向かっていく、そんな彼女の後ろ姿を見ながら石清水は無意識に空いた片手で自身の胸元を強く握った。バクバクとなる心臓と熱くなる顔に石清水は(それは僕だって同じだよ…)とそう感じていた。

・「女側が初恋について相手に全て話さないと出られない部屋」