話の流れ4


そういえば、とフウカは今この場にいないナツたちのことを聞けばミラから特攻組として敵の本拠地に向かった事を教えられる。フウカの脳裏には今ここにはいないし、きっと皆気づいていないであろうラクサスの姿。特攻組も含め全員酷い怪我をしてなければいいな、特に女の子が顔に残る怪我をするとかシャレにならんし…そんな心配をしながら簡易スペースにいるマカロフ達も本拠地へ向かうという案にフウカも同行した。そして着いた先にあったものは形が崩れた悪魔の心臓の船と傷だらけなナツたち。下っ端の敵はまだ何人かいたもののマカロフたちの姿を見ると蜘蛛の子を散らすように逃げ去っていく。全員がそこまで酷い怪我をしてないことにほっとしつつナツたちのそばにいないラクサスを探す。キョロキョロと周りを見れば少し離れた所で倒れているラクサスを見つけ喉が引つる。ひぃっっ!!お、推しが…!!!し、死んでない!?大丈夫!?とさっきとは別の意味で心臓が止まりそうになりながらフウカはラクサスの元へと早足で向かった。「ら、ラクサス!」「よお、元気になったみてぇだな…」「そりゃちょっと休憩したし…っていうか私のことは別にいいの!」体を起こし平然と話す彼になんでこの推しは今ボロボロな自分より私の事を心配するのかなぁ!!??そういうところも好き!!!なんて騒ぐ心を抑えつつ簡易スペースでやったように目に見える傷を少しずつ治していく。「私には無理するなって言ってたのに自分は無理するのどうかと思うんですけど!」「別に、無理なんかしてねぇよ」「はい私よりも傷だらけな人の言葉は信じませーん」もう!もう!とプンプン怒るフウカにラクサスは笑みを浮かべるが治療に専念するフウカはその事に気づかない。その後マカロフがラクサスに怒ったり雷神衆がラクサスに会えたことに感動して飛びついたり…そんな光景をフウカは先程までの怒りを収めはぁ〜目の保養〜…尊しんどい…と微笑ましく眺めていた。
全員で簡易スペースへと戻り、ナツ達がマカロフから今年のS級魔導士昇格試験が中止だと伝えられていた時フウカはラクサスやリサーナ、雷神衆とともに居た。目の前にいるリサーナが本物か確かめるために思わず頬を引っ張り確認しているラクサスとリサーナの絡みをフウカはにこやかに見る。だって推しと推しの絡みだし…美男美女の絡みだし…!するとリサーナは何とかラクサスの手から逃れるとフウカの方へ逃げ戯れで抱きつかれる「なんで助けてくれないの〜!」「いやぁ…微笑ましいなって」「どこが!?」酷いー!とギューギュー腕の強さが増す。けれどそれは痛くはなくフウカは女の子でよかった…!と心満たされていった。ふとフウカはリサーナ越しに恐る恐るこちらへと歩み寄って来ようとするウェンディの姿を発見する。その彼女の先にいたのはラクサスで、え、え、もしかして…ウェンディちゃんもしかして…!なんて勘違いをしたがよく良く考えればそんな事が起こる前にまず二人は初対面だったわけで、あ、じゃあもしかしてご挨拶的な…?と思っていれば目があった。ちょっとおびえたような目。(分かる、分かるよ…怖いよね…私はラクサスと昔からの仲だし勝手にめちゃくちゃ推してるしで忘れてたけど、初対面だとちょっと顔怖いよね…分かる)であるならば私が二人の間を取り持つ仲人ががりを務めましょう!!!フウカはリサーナから解放してもらいウェンディに向かって小さく手招きをすると、安心したように笑って駆け寄ってくる。ほあぁ可愛い…

最初はこっちが心配になるほど緊張していたウェンディと、なぜかそれに釣られてぎくしゃくしていたラクサスだったがフウカやリサーナが間に入りフォローを入れたりなんなりしたおかげで何とかお互い普通に会話ができるようになった。始めの頃とは打って変わってお互い楽しそうに話す2人を一歩下がって見ていたフウカは眼福〜!!や、ラクサスのお兄さん感強いの好き〜!!だったりを感じ思わずその興奮は兄弟みたい…という言葉に変わりフウカの口から零れた。すると直ぐに隣から確かに、と同意の言葉が帰ってきた。「そんなお兄ちゃん感もあり面倒みもいいラクサスは凄くいい優良物件だと思うんだけどどう?」「えっ、いきなり何!?」「だってフウカとラクサスって昔っからず〜と一緒にいるのに何も進展がないんだもん」急になんちゅう事をなんて驚きつつなんて答えるのが正しいのか分からずう〜んとかえ〜と、とか曖昧な返事をしていると誰かの手が肩に置かれた「フウカだったら私達雷神衆もオーケーよ」「エバまで何言ってんの〜…」「むしろなんでアンタはそう曖昧なのよ。考えて見なさいラクサスみたいな顔良し、性格良し、しかもとっても強いなんてそう居ないわよ」「うんうん」何で何でと目で訴えてくる二人に思わず上半身が後ろに傾く。二人の言ってることは正しすぎる。でも…と考える確かに下手したら私は絶対ラクサスのことを好きになる。だって顔がいいし。それに正直っていうか当たり前だけどめちゃくちゃどストライクすぎる。だって性格もいいし。だけど!!だけれども!!推しと!!私が!!付き合うって言うのは結構地雷です!!!完璧嫌だ!って訳じゃないけどクソクソ平凡な石ころみたいな自分と悪い所を上げるのがあまりにも難しいし考えて考えて考え抜いてあげるとしたら反抗期がやばすぎたのと顔が良すぎる事ぐらいしかないラクサス。釣り合わなさすぎる!!!友達っていう枠にいること自体奇跡だって言うのに!!!とまぁオタク特有の面倒臭い部分がそう喚くがそれをそっくりそのまま目の前のふたりに言えるはずもなくフウカはわざとらしく目を空へと逸らすとこれまたわざとらしく話す「あ、あーそろそろ簡易スペースの方にもどらない?ずっとミラ達に任せっぱなしだったし」「あー!話変えたー!ずるい!」「まぁいいわ。帰ったらまたじっくり聞かせてもらうわよ」何がまぁいいのか、そして帰ったらまた聞かれるんですか…?と思わず聞き返そうになるがここで根掘り葉掘り聞きまくたらたまったものじゃないので口を閉じる。ギルド戻ったらカルデアに閉じこもろうかな……。
フウカ達が簡易スペースに戻ると知りその場にいたラクサス達もついでにと腰をあげる。先程まで恋バナという名の尋問をされたせいか何故か不自然にラクサスの近くを歩かされ、後ろからニヤニヤとした視線を感じる。くそぅ面白そうでイジりがいがあるからって理由でお前も混ざるなビッグスロー!!!こんな中での救いと言えば気づいていない当の本人であるラクサスやウェンディ達ぐらいだ。「あ、あの」「どうしたの?」「さっきはいろいろとフォローを入れてくれてありがとうございました。私すごく緊張しちゃってうまく言葉が出なかったので助かりました」「気にしないで、見た目ちょっと怖いし不愛想なところもあるから緊張しちゃうのも無理ないよ、まぁでも悪い人じゃないからそこは安心してね」「はい。それはお話ししててよくわかりました、だからきっともう大丈夫です!」「お、ならよかった」本人にばれないようにお互いくすくすと笑う。あぁ〜いい子〜可愛い〜!!好き〜!!撫で回して抱きついたい!という衝動をなんとか抑えつつテントへ着いたフウカ達。その時、突然ゾクリと言葉に表せない何か酷く冷たくて嫌なものがフウカの体を勢いよく駆け巡る。それは今までに感じたことの無い恐怖を呼び込むようなもので、さっきまでフウカと話していたウェンディは直ぐに違和感を感じる「フウカさん?」「ぁ、いや、なんでもないよ…」なんでもないわけが無い。だってその顔は誰が見ても真っ青なのだ。フウカはドクドクと警報を鳴らすかのように脈打つ心臓を抑えるために服の上から強く握りしめることで精一杯で、落ち着け、大丈夫、落ち着けと頭の中で繰り返す。けれども本能が逃げろと叫ぶ。そんなフウカの異常は傍にいたリサーナ達も気づきラクサスもいつもとは違うフウカに声をかけようとする。しかしそれよりも先に言葉では表せないような体の奥底まで響く大きな轟音が辺りを包んだ。その声とも音とも取れないそれに冷や汗が止まらなくなる。一体何が、どこから、と全員が状況を掴めずにいる中リリーがこの轟音を放った主を見つけ空を指さした。その先を見ると青い空には似つかわしくない黒い龍が空を飛んでいた。黙示録にある黒き龍、アクノロギアだった。「おまえ!!イグニールがどこにいるか知ってるか!!?あとグランディーネとメタリカーナも!!」「よせナツ!!」「降りてくるぞ!!!」地上に降り立ったアクノロギアは周りにあった天狼島の遺跡をいとも簡単に壊すとフウカたちに向かって咆哮し、それが合図となった。アクロノギアはその大きな翼を羽ばたかせ空に飛び立つとこちらに襲い掛かる。あ、これは流石にアサシンクラスもドラゴンスレイヤーと呼ばれたジークフリートも倒すのは難しいだろうな。そう確信せざるおえない存在の前にフウカは唖然とする。そんなフウカの腕をラクサスは掴むとアクノロギアが地面へと攻撃する前に自分の方へと引き距離を取る。一度の攻撃で地面は大きくへこみ、ひび割れ、周りの木や人はその衝撃に吹き飛ばされる。その圧倒的とも言える破壊力を前にやっとフウカの思考は正常へと戻る「ごめん、ラクサスありがと。早く行こう」「あぁ…」(何自分だけ可憐さぶってんだ)何か言いたげな顔をするラクサスに気付かぬふりをしてフウカはエルザ達の指示通り船へと急ぐ。けれどアクロノギアは人間達を相手に攻撃をやめることはなかった。同じドラゴンに育てられたのだからとウェンディ達に会話できないのかと聞く者もいたが、会話できていたのは人間の力ではなくドラゴンの知能がとてもよく人間に合わせていたからできたこと。しかし今目の前にいるこの竜はわかるであろうその人間の言葉を使おうとしない。人を生き物としてみてはいなかったのだ。必死に逃げてもすぐに追いつかれる、きっとこのままではみんな助からない、何か最善策を。そんな時マカロフが一人アクロノギアの前に立ちふさがった。「マカロフさん…?」「じっちゃん!!!」「マスター!!!」「船まで走れ」そう一言だけ言うと魔法で自身の体を巨大化させアクロノギアを抑え込もうとする。しかし向こうの力はとても強くフウカが応急処置として塞いだ傷が開き始める、そんな姿を見て何も思わないわけがない誰もが助けに行こうとしたとき、怒号が響いた。「最後ぐらいマスターの言うことが聞けんのかぁ!!!クソガキが!!!」「最後…って」「オレは滅竜魔導士だぁーー!!!そいつが敵って言うならオレが…」マカロフの言葉を無視して加戦しに行こうとしたナツの服ラクサスが掴み無理やり走り出した。その行為にナツが噛みつこうと振り向くが、そこから見えたラクサスは何かを我慢するように、耐えるように震えまるで泣いているように見える。今この中で一番マカロフを助けに行きたいと思っているのは血の繋がりを持ったラクサスだ。そんな彼が耐え、最後と言われた言いつけを守ろうとしている。その姿にナツたちはマカロフを置いて船に逃げるしかなかった。

けれど、けれども…フウカは森の中を走りながら思う。何も出来ず逃げ出す自分が情けない。何よりこのまま走り続ければ自分が助かるかもしれないという希望を少しでも見いだした自分が情けない。私は、私は、私は…どうすれば………。そんな時ふと頭に過ったのはオレンジの髪をした少女。前世自分が毎日見ていた彼女。誰よりも平凡で、そして誰よりも勇敢なあの子だったらどうしていたのだろうか。…きっと彼女は恐怖に駆られていても、逃げたいと思っていてもそれを押し殺してでも前を向き抗うのだサーヴァント達と共に…だって生きたいから。それがゲームの中の設定でも綺麗事でも私はそれを見て確かに心打たれたはずなのだ。だったら、だったら私もそうしよう…いやそうしなければならない。このまま後悔して怯えて失うよりは、這ってでも、傷だらけでも自分が納得して生きれるように。フウカは1度目を瞑りそして開く。もうそこには怯えも何も存在しない、ただただひかりある目。フウカは動かしていた足を1人止める。突然の事に全員が驚き振り返る「フウカなに止まってんだ!早く船に戻るぞ!」「ごめん先行ってて」「何言ってんのよフウカ!」「やっぱ駄目だ。これ以上背中は見せられない」「っ!マスターの言葉だぞ!!」「私は!!!」言葉を遮るようにフウカは叫ぶ。それは今まで誰も聞いたことの無いものでかけようとしていた声が喉元で消える。そしてフウカは1回息を吐いて真っ直ぐと前を向く「私は大切な誰かを犠牲にして自分の未来が存在するのなら私はそんな未来なんていらない。だってそんな未来に私が描く幸せは存在しないと思うから」そしてもしその誰かの代わりになれるのなら私は喜んで自分を犠牲にしたい。なんてそんな綺麗事は流石に口に出せなかったけれどもそう思っている事は確かだ。生きたいのに犠牲になりたいなんてとんだ矛盾だ、けれど自分が後悔しないのならそれはどちらも結末は変わらない。フウカはその言葉を皮切りに逃げるために走ってきた道を今度は迎え撃つために戻っていく、その時一瞬ラクサスと目があったような気がした。酷く困惑したような目。ごめんね、貴方が思っているよりも私は結構自分勝手な人間なんだ。…そういえば推し達の意見にここまで刃向かったの初めてかもしれない。それは別に他人の意見に流されやすいとかそんなものではなくただ単に自分の言葉よりも彼等の言葉の方がしっくりくるものがありちゃんと納得した上で周りと同調する。でも今回は絶対に譲れない。自分が自分でいる為にも。再降臨でエルキドゥの姿へと変え走り続ける。音が大きくなっていく、マカロフと竜が戦ってる音、苦しむ声、感情を感じさせない咆哮。目の前に広がっていたのはアクノロギアに地面へと縫い付けられ今にも殺されそうになっているマカロフの姿。アクノロギアが大きく手を振りあげた時フウカは何も無い空間からゲートを開くと何束もの鎖でその巨体の動きを止める…がそれはアクノロギアの力で直ぐに砕け散る。しかしそんな事予想の範疇だ。だって現にアクノロギアはその標的をマカロフからフウカに変えるかのように顔を向けるのだから。あとはどうにか私が上手いこと惹き付けられればもっと完璧なんだけどなぁ…「フウカどうして戻って来た!!今すぐここから逃げろ!!」「だってさぁマカロフさん、私ね仲間の屍の上に立ってまで生きていたくないんだ。だから仲間がこの先笑って生きていけように、私が私として生きれるようにするにはこうするのが1番いい方法でしょ?」いつものようにフウカはんふふとマカロフに向けて笑い、アクノロギアへと視線を移す。うーん残りの魔力全部使って鯖たち呼び出したりしたらワンチャン倒せたりとかしないかな…、倒せなくても引きつける可能性が上がるとか…。あ、でもこれじゃ鯖たちを餌にしてるみたいでやだ。やっぱり無し。自分でどうにかしよう。よし!当たって砕けよう!と睨むようにアクノロギアと目を合わせる。その時、桜色の何かか彼女のそばを横切った。その見慣れた色を思わず目で追う。え、あ、なんで戻ってきた!?ナツ!その桜色の彼は果敢にもアクノロギアの体をよじ登っていく、それに気づき竜が振り落とそうと動くが、ナツは転げまわりながらも鱗に捕まり負けじと上る。突然の事に驚きを隠せずにいれば、また見慣れたたくさんの色が黒い龍へと向かって行く。予想してなかった事にフウカは唖然とし、そんな彼女の隣へとラクサスは歩み寄る。その顔はフウカの勝手な行動に怒っているかのように眉は顰められている。ラ、ラクサスさん……?もしかしてもしかしなくても怒ってらっしゃる?アクノロギアとは違う怖さに怯えれば、突然ベシリと頭を叩かれた「あいたっ」「…自分を犠牲にしてまで誰かを救おうだなんて二度と考えんな。俺達だってお前と一緒でそんな未来なんていらねぇんだよ」いつもより手加減なく叩かれたそこを手で擦りながらごめんねと呟けばラクサスは先程とは違いしょうがねぇなとでも言うように口角をあげると、そのまま倒れているマカロフのもとへと向かった。うわ何今の表情かっけぇ…。思わず惚けそうになったフウカだが流石に空気は読みますとも。こんなクソデカ感情を今は頭の片隅へと置いておき目の前にいるアクノロギアへと集中した。

あぁこりゃまずいな…、飛ばされ地面へと着地したフウカは危機感を感じる。だって何人もの魔導士が攻撃してもアクノロギアは怯むどころか手加減して遊んでいるから。せめて私が鯖達の宝具が撃てれば…そんな「たられば」を考えたところでこの状況が変わることは無い。突然アクノロギアは翼を広げるとまた空へと飛んでいく。今度は何をするつもりなのか、一同気を引き締めたときアクノロギアにたくさんの魔力が集まっていくのが見えた。咆哮(ブレス)だ。アクノロギアは島ごとフウカたちを消すつもりなのだ。「」「」「」「」「」「」「」私が持っている魔力も…!とフウカは再降臨を解きその円の中へと入る。左手はビックスローと、そして右手はラクサスと。きっと大丈夫、だって皆がいるから。根拠の無い自信を湧かせながら目を閉じる。アクノロギアが放った咆哮が近づいてきてるのがわかる。意識が遠のくその瞬間までフウカは繋がれた手の温かさを感じ続けた。

空白の7年(意識のみ)
その後みんなと同じように眠ったままになるかと思ったがところがどっこい!鯖達は7年間マスターと話せないのは寂しい!てかあの時の自己犠牲みたいなやつマジでなんなの!?ふざけんなよマスター!そんなに頼りないか自分達は!?あと1人で無理しすぎ!危機的状況であればあるほど自分達を呼べよコノヤロー!!ってめちゃくちゃ怒ってる鯖とめちゃくちゃ悲しんでる鯖とめちゃくちゃ寂しがってる鯖とエトセトラ……そんな感じで意識だけカルデアの方に引き寄せられちゃって身体は詳しくわからんけど大丈夫だよと言われその後はお叱りと慰めのオンパレード。強くなりたいんだろ?マッスル!ならとことんやってあげるよ!マッスル!!……ごめんなさい!!!まぁ意識だけ鍛えても精神のタフ度が100から500位になるだけだからそういうお叱り(脅し)って感じ。カルデア空間は現実世界との時間はリンクしているため約7年間鯖達と触れ合い、餌にされそうになり、スパルタされそうになり、お茶会し、地獄の周回(という名のシュミレーションシステム)をしてなきそうになる、etcetcetc……でも久しぶりにずっと鯖達と騒いだりバカしたり遊んだり話したりするのが楽しい。もちろん鯖達もフウカの行動に怒ってるだけで皆絆MAXマンだから楽しい。パッピー空間。ただ向こうに帰ったら今度こそ鍛えるからな!!とか勘弁してくれ〜〜!!そんなこんなであっという間でフウカにとってはそんなに経っているとは思わなかった約7年をこっちで過ごし、ダヴィンチちゃん達にそろそろ時間みたいだよって教えてもらいカルデアとバイバイしたフウカだった。

カルデアと一時的なバイバイをしたあと意識がふわふわな状態で眠ってるフウカ。でもそれは直ぐに覚めて体の感覚が戻ってくる。なんか…重い…温かい…おも、おも、……。誰かの騒がしい声やまぶた越しに感じる光の眩しさ。…あと自分の体に感じる重さ。明るさにまぶたは開こうとするのを拒むように重いが何とか開けて景色を視界に映す。葉っぱ、空、木、あれここって天狼島じゃね?じゃあ体は無事だったってことか…。うわ〜良かった〜!なんてホッとしたのもつかの間、そういえばこの重さなんて視線と共に首を左に回せば見慣れた黄色い髪…。って事はと下に向ける。自分に重なるようにあるのはフウカとは全然違う鍛えられた体で、あまりの驚きに声は出ずに喉から空気が肺に入る音が鳴る。目が覚めたら推しと無意識の触れ合いをしてる上に顔がすぐ側にある…あれ、私はもしかして天国にでも来たのか…??と現実逃避をしそうになるが残念ながらうるさくなる心臓がこれは現実だよ、と教えてくる。このままではまずい…色々と勘違いが産まれそうな気がすると何とか上半身を起こし自分の腰に置かれた左腕をぺちぺちと叩くラクサス…ラクサスさん、早く起きてください…そんな気持ちを込めて名前を呼びながら叩き続ければその腕が動き低い声が聞こえた。目が覚めたラクサスはそのままフウカと同じ様に上半身を起こす。そしてそのまま目が合うが正直お互い何が起きたのか全く分からない、しかもフウカはフウカでなんで自分が推しとこんな触れ合ってるんだ…と混乱してるため最初の一言が「あ、…おはよ、ございます…?」「…おう?」になってしまった。その後自分達の他にすぐ離れた場所で同じように倒れていた雷神衆が目を覚まし、フウカが知っている見た目よりも変わりすぎているドロイとジェットがその5人を見つけ更にはここにいるはずのないラクサスまでいることに驚く。そして天狼島にいた者、ギルドから来た者、初代マスターの亡霊でもあるメイビス、その全員が集まった時フウカ達にあの後何が起こり何年経っていたのかが教えられる。じゃあ私は意識だけが約7年間カルデアにいた事になるのか…!!!というフウカにとっての新事実に雷に打たれたような驚きが体を駆け巡った。
そっから行きと同じように船に乗り記憶よりも変わった、と言うより前よりも断然ボロくな建物へと辿り着く。そこにはどう考えてもフェアリーテイルの一員でもなく逆にギルドに害をなそうとする男達数人。そんな彼等を先頭にいたナツ達が軽々と倒す。そして「ただいま」と以前よりも成長し変わったロメオ達へ言い、向こうは何故か全く姿かたちが変わってないナツ達に驚き事情を説明すればギルドで帰りを待っていた人達は皆涙を流した。「おかえり」と。

その夜、フェアリーテイルでは天狼島から帰ってきたフウカ達を歓迎し祝うように飲めや歌えや状態。成長したロメオに心打たれつつお酒を飲んだりする。途中で捜索に参加してくれた蛇姫の鱗を混じえつつ、フウカは目の前でやっぱり久しぶりに会えたことに感動しすぎてラクサスにひっつきまくってるフリードを見てにこにこしたりじゃあこっちはこっちで仲良くしましょ!って感じでエバに同じように絡まれて、ひぇ何もかもがやわらかい…いい匂い…好き…。なんてこともあったりそっから悪ノリしたビッグスローにも絡まれたりとほぼほぼ雷神衆とわちゃわちゃしてる。
そんでそっから数日くらい経ってマスターから大事なお話があるって聞いて、俺はフェアリーテイルの人間じゃねぇからって来ようとしないラクサスをほぼ無理矢理ギルドに連れてきたフウカ。「フウカ俺は、」「いや、だって一応聞いておいても損はなくない?一緒にギルドに帰ってきたんだしさ」そう話すフウカにラクサスはしょうがないといったようにため息を吐く。やはりどうにも惚れた弱みと言うやつからかフウカにあまり強く出れないし甘くなってしまう。そんなラクサスの思いなど知る由もなくフウカは皆の前に立つマカロフから伝えられる情報に耳を傾けた。
内容はマカロフはマスターを引退して次期マスターを紹介するというものだった。けれどその次期五代目マスターであるギルダーツをいざ紹介しようとしたら何故か彼はその場に居なく代わりに片手を振るミラの姿。はいかわいい。思わず振り返したくなる気持ちを抑えギルダーツが置いていった手紙の内容を聞いた。その中身には自分はマスターとかガラじゃない…けどせっかくだし仕事を2つだけしておく。1つ目はラクサスを妖精の尻尾の一員と認める、2つ目はマカロフに今度は6代目マスターを譲るということ、そしてまさかの実の娘と判明したカナに対しての言葉と妖精の尻尾をまたフィオーレ一のギルドに…という言葉だった。後半や2つ目はともかく1つ目に関してはフウカにとっても雷神衆にとってもとても嬉しいことで喜ぶビッグスローやエバ、あまりの嬉しさに感涙するフリード等など。ちなみにフウカも推しが!戻ってくる!!という喜びでいっぱいになり、良かったね!ラクサス良かったね!と自分の事のように喜び伝えればラクサスはどこか気恥しそうにそっぽを向く。おや、おやおやおや…照れておいでですかお兄さん??と顔を見ようとすればそれを邪魔するように頭を掴まれそのまま雑に撫でられる。うっっっっっ、推しが頭に触れる(掴まれる)だけでもしんどいのにそううやって撫でるとか卑怯なのでは…!しょうがないこれ以上は私の心臓が持たないから見ないであげよう。フウカの事情を知る人間から見ればそれは完璧推しに屈してるオタクの図だった。
ところでギルダーツが手紙に記したフィオーレ1という言葉にギルドに残っていた人達は他のギルドはこの7年で成長し、それに比べてウチは主要メンバーが戻ったとはいえその7年の差は埋めようがないと諦念する。それは天狼組の誰もが薄々感じていたものだった。けれどその中でロメオは直ぐにNo.1になれる方法が一つだけあると高らかに言った。その言葉に察するマカオ達。その方法に出る、出ないとポーリュシカの所に行っていたナツ達が帰ってくるまで続いた。さっきから何の話なのかナツが突っ込みを入れるとロメオはマカオとの言い合いをやめて話す。それはフウカ達がいない間にフィオーレ一のギルドを決める祭りが出来たというものだった。その名も「大魔闘演武」。最初はどこか渋っていたマスターも賞金の3千万jが入るという話を聞いた途端手のひらを返して乗り気になる。大会まであと3ヶ月、天狼島組はそれぞれ気合いを入れ優勝を目指す。フウカの方は推しの戦いか……うん!見る専だな!!!と参加意思は特にないもの気合いが入る。目指せフィオーレ一!チームフェアリーテイル、大魔闘演武に参戦!

先程の通り7年間空いていたから下手したら天狼組は実力的にも置いてかれているんじゃ問題が発生したため。そこで各々大魔闘演武まで合宿という名の修行をするという話が出た。フウカも特に仲のいい雷神衆から良かったら一緒に、と誘われるが頭によぎる鯖達…「うーん行きたい…一緒に行きたいんだけど…」「先に先約でもあったか?」「いや、あの、うちのサーヴァント達にこれからしごかれる予定っていうか、マッスルっていうか、スパルタって言うか…う、うぅ」「わりぃ途中から全然話が見えてこねぇんだけど、なんだマッスルって」予定からあとの言葉に疑問符が浮かぶラクサス達にフウカは天狼島での事に鯖達がブチ切れて、またそんなボロボロにならないために魔力向上、身体的能力も向上させようぜ!!と言う感じになってると話せば、あ〜と気の抜けた声が帰ってくる「それはお前が悪いな」「うっ」「流石にあの時の件は庇いきれん」「ううっ」「ちょっとあんたの使い魔に同情するわほんと…まぁ自業自得ね」「うううっ」昔からの友として仲間としてあの時自己犠牲でマカロフを含め全員を助けようとしていた彼女の行動には許せないものがあった。そんな彼等の気持ちもあってかフウカにはそんな雷神衆の言葉が心臓に刺さる。やっぱ私が悪いですよね…でも絶対やばい…絶対スパルタからのローマだ…とまたもやよく分からない言葉を呟き項垂れるフウカ。そしてもうちょっと自分の命を大切にして、俺達がどれだけ心配するか少しでもわかるように反省しないさい。という意味も込めフウカとは別れて修行をしに行くと話し始める3人。そしてそんなやり取りを見ていたラクサスもこのことに関してはフウカの味方にはつかない。つきたくない。だってあの時のラクサスはフウカの言葉に血の気が引くような感じがし、もしものことを考えただけで息をするのだって苦しいくらい心臓が締め付けられたのだ。そんなラクサスの気持ちなど今目の前でうだうだと何か言っている彼女には伝わらないだろう。でもわかって欲しい自分を大切に思っている人間がいることを。ラクサスはフウカへと手を伸ばすと自分の肩よりも下にある頭に手を伸ばし数回ぽんぽんと軽く叩く。「ま、無理しすぎねぇ程度に頑張ってくるんだな」と伝える。そんな彼の行動にフウカはフウカでぎゅん!と心臓が締め付けられる音が聞こえるくらい推しにときめくのとはまた別の何かを感じたのだがそれは目の前で「でェきてぇる」と口パクでからかってくるビッグスローに対しての怒りの方が優先され頭の片隅へと消えていった。

その後ラクサス達と別れてほぼ人のいない森の中で鯖達と修行しまくる。手合わせしたり、ふっ飛ばされたり、追いかけ回されたり、狙われまくったり、等など……もう二度と、鯖たちに心配かけないようにしよ…と決意するのだが多分それは出来ないだろう。