話の流れ11


なんとかエルザ達や人魚の踵、蛇姫の鱗がいる簡易スペースに戻ってきた2人。ウェンディもフウカも魔力はほとんどなくぼろぼろなため治癒魔法を使うことが出来ず全員包帯やらガーゼやらで傷を塞げる。推し達が……ウェンディちゃん達が…ボロボロになってる…!魔法は使えずとも治療くらいなら…!と動こうとするが、13を1人で倒してその後に敵の魔法によってラクサスと共にハデスと戦った事を知ったグレイ達によって「フウカは寝てろ!」とほぼ強制的に満身創痍で寝ているラクサスの隣に寝かせつけられた。ここでいつもならお、推しの隣…!!と興奮と恥ずかしさで寝るどころの騒ぎじゃないのだが今回に関しては横になった瞬間疲れやら疲労やらですぐに意識が沈んでいくのだった。あまり深く眠っていなかったからか次に目が覚めたのは瞼の裏まで微かに届く程の光を感じた時だ。しかもこの光はただの自然現象ではなく何者かの強力な魔法によってなされたものでどんどんと強くなる眩しさに目が開けられなくなる。何が何だか全く分からないものの今起きようとしているものは普通ではないと判断したフウカはその光に飲み込まれる前に咄嗟に未だ意識の戻らないラクサスの頭部を抱き込むと強く目を瞑った。気づけば今度は砂漠の上だなんて誰が分かっただろう、そんな感じで何故か砂漠に飛ばされたフウカとラクサス。しかもすぐ隣は森でちぐはぐな場所であの魔法はそれぞれの強制転移と地形をごちゃ混ぜにする魔法だったと気づき驚きつつ、あの時カッコつけみたいな感じで推しを抱きしめてしまったことに今更ながらの羞恥心を感じて慌ててラクサスから少し距離をとり推しに接触しちゃったーーー!!と1人頭を抱えて悶えるフウカ。そんな時突然頭の中に聞き覚えのない少女の声が響く。念話から話された内容はギルドの方角と初代マスターであるメイビスが危険だと知らせるものだった。情報的にはすごく助かるもののこれをそのまま丸々信じていいのかと少しの疑問を持った時その少女と会話するようにガジルの声が聞こえ、しかも彼の口からメイビスの友達かよと呆れたような感じで出てきた事からフウカの中で即座にこのツンデレな女の子は味方!という確信を持つ。そしてその念話の声で今まで眠っていたラクサスは目を覚まし同じようにその指示を聞き体を起こした。「あ!良かった起きた…。今の話聞いてた?」「あぁ。…早くギルドに戻るぞ」「うん」あの女の子の指示通り2人はこのよく分からない場所からギルドへと向かった。

2人は夜中でもあったため途中で木の影に隠れるように座り込み一旦の休憩をとる。と言ってもいつどこで争いになるか分からないし、敵と遭遇するかもしれないなんて気持ちで寝るに寝れない。いやフウカ的にはそれだけじゃなくなった色々と自分の気持ちに気づいてしまったり1年ぶりの最推しだったりで隣に座られただけでこそばゆい気持ちになる。ちらりと横を見て端正で精悍な顔立ちに思わず貢ぎたくなるような衝動を抑えて居ればラクサスと目が合ってしまった。「どうした?」「へ、ぁ…いや何でも……なくないな…うん」「………」「…ちょっと怖いんだよね」「お前でもそう思うんだな」「んー?それはどういう事ですかね〜?」心外だと子供のように分かりやすく怒るフウカにこんな状況ではあるものの思わず口元が緩み、そして窘めるように言葉を続ける。「そんな怒んな、別に悪い意味じゃねぇよ。ただお前は昔から気丈夫だから少し以外に思ってな」「失礼な!私にも怖いものは沢山あるよ」幽霊だったり驚かし要素だったり…と心の中で指折りながら数えていく。フウカは精神が他よりもタフ過ぎるところがあるがそれと共に変な所でノミの心臓でもあるため周りはあまり知らないが怖いものは多い。そしていくつか思い浮かべた時よぎったものに先程までの仏頂面が消え代わりに愁眉が浮かび上がる。「今回みたいな戦いは特に怖いかな…。天狼島の時も冥府の門の時も一向に敵と戦うことに慣れないし本当は怖くて手が震えそうになる。でも大切な人を守るためなら頑張らなくちゃって深く考えないようにしてるんだけどね」ラクサスから視線を外しへらりと力なく笑う。天狼島で自分を餌にどうにかしようとしていた時も冥府の門で魔障粒子に侵されながらチエーニと戦いボロ雑巾のようになった時も本当は怖くてしょうがなかった。この暗闇に溶けてしまいそうな舌から押し出される言葉を全て余すことなく掴むようにラクサスは地面に放り出されたフウカの手の上に自分の手を重ねて握る。予期してなかった接触にフウカはビクリと一瞬体を震わせ外していた視線を元に戻せば灰色の曇りない目と合う。「怖ぇのは当たり前だ。命かけてんだ、誰だってそう思うだろうよ。それにこんな事慣れるもんじゃねぇし、慣れちゃいけねぇもんだろ」「うん…」「あまり1人で抱え込むなよ。恐怖で震えるなら俺の後ろにでも隠れてればいい、誰かに助けを求めたって構わねぇ。俺も、ギルドの連中もお前の事を大切だと思ってんだから」戦う理由なんて誰かを守るためっていうのは全員一緒だろうよ。安心させるようにゆるりと目じりを下げ握る力を少し強くする。フウカはあの時のサーヴァント達と同じように自分の事を想い嘘など入っていない言葉を語るラクサスに目頭が熱くなるのを抑えつつ自分の手に重なる武骨な手をゆっくりと握り返す。「…ありがと、ラクサス」「あぁ。…もう寝とけ日の出と共にまた動くぞ」握った手はそのままにフウカは目を瞑る。きっと明日になれば全てに決着がつき終わるだろう、それが悪い方向に転がるのか良い方向に転がるのか分からないものの今はただ手から伝わる温かさを感じていた。

日が登ったと同時に動き出す2人。途中で包帯を変えたりラクサスは上の服を着たりしてあの少女が教えてくれたギルドへと向かう。それで遠目に先に着いて戦ってるマカロフ達視野に入れつつフウカ達も戦いに入っていく。途中でもうこの状況で宝具うんたらかんたら言ってる余裕なんてないから少しラクサスと離れ再降臨で鈴鹿御前に変わると宝具「天鬼雨」を発動して周囲の敵を一掃していき、残った敵は召喚で来てくれたエルキドゥとモリアーティと共にバッタバッタ倒していくんだけど元々傷だらけだったから体力の消費と魔力の消費が激しくてもう宝具は打てない状態だしそれを知った鯖2人に飛ばしすぎないでって注意されちゃう。でそんな感じで戦ってた時突然吹雪が吹き初めたりメイビスを探し出すために空に大きな目が現れたりしてその不気味な見た目に思わず少し後ずさりをするもののそのメイビスの幻影魔法によって巨大なメイビスの幻が姿を現し、フウカ達を鼓舞し戦場の士気をあげる。さすが初代様…なんて感心してるのも束の間、巨大な魔力が敵兵力を包み込む。その魔力に当てられた兵士達は苦しむような素振りを見せ一、二度唸り声をあげるとその見た目を変えて襲ってくる。振り下ろされた剣を刀で防ごうとするが先程までとは違う力の強さに弾き飛ばされる。フウカ!と心配されるラクサスの声に大丈夫と答えながらフウカは絶えず襲いかかろうとする兵士を見る。今まで感じていた人間的思考が消えて代わりに能力が跳ね上がっている兵士達、フウカはそれに似たものを知っていた。狂戦士。さらにはフウカ達が倒した兵士達がゾンビのように次々と立ち上がる「もしかして痛みを感じてないの?」「んなのアリかよ…!」例えいま狂った兵士達であってもそれが人であるのならその命を奪うことはしたくない。そんなフウカ達の考えに漬け込むように狂戦士は何度倒しても起き上がり続ける。段々と押され続ける状況にマカロフが動く。妖精の法律を発動させようと構え、それを見ていたフウカもその魔法であれば少しでもこの戦況が有利な方へ傾くかもしれないと思う。けれどそれを幻ではなく今度は本物のメイビスが止めて入る。その魔法は対する敵が多いほど自らの命を削ると言い今のマカロフではこの大軍を前に体が持たないと話す。けれどマカロフはメイビスの止めを両断しエルザに言葉を託すと自分意志を貫くように発動しようとする。その話を聞いていたフウカは急いで止めに向かおうとするものの兵士に囲まれ自分の身を守るだけで精一杯だった。だめだ、貴方はこんな所で終わっていい人間じゃない…!妖精の法律という言葉と共に辺り1面が光で白く染る。そしてそれが消える事には周りにいた兵士は皆倒れ、マカロフからは魔力すら感じられなくなっていた。マカロフと座り込むメイビスの元にフウカとラクサスは向かう、そしてラクサスがメイビスの肩に手を置いている姿を後ろから見つめる。マカロフと出会った頃から今に今るまでの記憶が頭を過ぎ、視界が歪む。けれどフウカはそれをこらえるように自身のスカートを握りしめ唇を噛む。マカロフの孫であるラクサスだって悲しい筈だ、けれど彼は涙を流す事無くメイビスに励ましを送る。なら自分だけが泣く訳には行かない、強く噛みすぎた唇から血が滲むがそんな些細な痛みなど今のフウカには感じることが出来なかった。

このまま悲しみ続ける事は状況的にも叶わずマカロフを地面へと寝かせ未だ残った狂戦士達を迎え撃とうと構える。けれどまたしてもフウカ達の視界を光が塗り潰すし、それが明けたかと思えば辺り一面の地面から正体の分からない白いモヤのようなものが湧き出る。状態異常がほぼ効かないのも含めフウカはそのモヤに警戒心が上がるものの何も起こらないため疑問を浮かべつつ鯖達に影響があるとまずいと判断して召喚を解く。その間にフウカを含めた何人かを除いて次々と人が地面へと倒れる。その中にはラクサスも入っていて力なく地面へと膝を着き、フウカが慌てて近寄り大丈夫かと肩に手を置こうとした時だ「触んな…ッ!」拒絶の言葉に手は空中で止まる。一体何が、と思いつつ地面に向けるラクサスの顔を見れば頬が紅潮させ時何かを耐えているものの時たま小さく声を漏らす。お、推しがえっちな感じになってる…!!戦いのさなかではあるものの推しの姿にそう思う他なく、周りから聞こえてくる気持ちいいという言葉と倒れていない人達を見てもしかしてと察する。だってそうでなきゃ他にどんな共通点が…とかて事はやっぱりラクサスは…とか1人勝手に恥ずかしくなりながらこれに気づいているのは他に居ないため前世薄い本とかでよく見た知識が変な所で生かされてしまったフウカだった。でもこれは何故かすぐに止まって一体何がやりたかったのか首を傾げる。いや、確かにえっちな推しが見れて良かったけど…私得だったけど。なんて1人うだうだ考えるけどやっぱり今はそんな事考えてる時じゃないってまた狂戦士と戦う。でもなんかどんどん向こうの力が弱まってくるしおや、これはもしかして術者の魔力が擦り切れて来てる?って感じるし、実際そう。それで最終的にエンチャントが解除されて普通の兵士に。これで倒しやすくなった!って喜ぶけどそれよりも先に地面が光り出す。その眩しさにあ、これあの場所がちぐはぐになった時のアレじゃ…って察しが着いて、周りも気づいて逸れないようにお互い手を繋いでたりするんだけど残念なことにフウカだけ少し離れたとこにいて確実に間に合いそうにないから今度はぼっちでどこに飛ばされるんだよ〜なんて思うんだけどフウカの後ろから腕が現れて肩を抱く「ラクサス…!?」「しっかり掴まってろ」片手にマカロフを抱きかかえ、もう片方の手で1人別の所へ飛ばされそうになってたフウカを抱きしめる。お、推しの腕の中……推しが、腕が、……ウッッッ!!!って倒れそうになるけどそんな暇はなくて言われた通りラクサスの腕を両手で掴んだ。

光が明ければそこはいつものマグノリアの景色でフウカ達は街の少し高台のところに立ってた。少し離れた場所にギルドを捉え、メイビスは土地勘を活かして戦闘をするようにと命じ、ビッグスロー達はギルドへと向かいながら敵を倒そうと走っていく。その姿を後ろから見ていたフウカは後を追おうとするがふと意識が隣に移る。「ジジィ…もう少しだ、必ず連れてってやるからな。ギルドへ……俺たちの家へ」ラクサスは穏やかな顔で自身の腕の中で目を瞑るマカロフを見てそう声をかける。その言葉にフウカは同意するようにラクサスの腕に手を添えて再降臨でアルトリアへと変身した。「早く帰ろっか…一緒に」「そうだな…」2人顔を合わせて小さく笑顔を浮かべ合うと先に向かった彼等の後を辿るように走っていった。
途中突然アクノロギアの気配を感じたりギルドの方から巨大な魔力を感じたりし、1年前のフウカなら顔を真っ青にして使い物にならなくなるところだが今の彼女はあのある意味地獄ともとれる鯖達との修行によりなんとか耐える。それで何人かと合流して大聖堂で戦っていたギルダーツ達の元へ行き、何があったのかとギルドへ向かおうとしていた2人を止める。初代からギルドへ近づかないようにと言われていたのだ。「早くギルドに帰らせてやりてえんだけどな」「そうだね」「黒龍はどうした?気配が消えたようだが…」「天馬の船を追いかけてるのを見たぜ」「囮になってくれてるの?」フウカもここに来る途中で突然消えた気配を不思議に感じ、まるでこの世界にすら居ないような気すらする。天馬達に何もなければいいんだけど…と少し嫌な予感が背中をかける。それに今ここにいないナツやエルザ達が今どんな状況なのか分からず、心配が尽きない。ギルドはここから少し歩けば着くもののメイビスの命令があるため行くことが出来ず、そのまま誰ともなく自分たちはこれから何をすればいいのかという雰囲気の中フウカはふと不思議な風とそれが過ぎ去った後の小さな芽吹きを感じ取り無意識に小さく指が動く。だってそれを感じる先は……「戦いは終わったのか…?」掠れた声ではあるもののもう二度と聞けることは無いと思っていたそれにフウカはすぐにラクサスの横から顔を覗き込む。薄らと目を開いたマカロフにフウカはあの時耐えていた物が溢れ出てくる。「夢を見ておった」「マスターーー!」「生きてたーーーっ!」マカロフが生きていた事にそこにいた人達は歓喜の声を上げる。そしてその中でラクサスは今の今まで気丈に振舞っていた物が崩れ大粒の涙を流し声を震わせる。「じぃじ…」もうずっと昔、まだフウカもラクサスも子供の時に呼んでいた名称が舌から押し出され溶けていく。何故また吹き返したのか分からないしマカロフが寝ぼけたように語る言葉を全て理解することは出来ない、けれどもフウカは今目の前で自分の親代わりとも言える人が生きていることにただただ良かった、生きていて良かった…!と自分の服を握りながら泣き続けた。

目の前の事で大泣きしていたためマカロフが息を吹き返すと同時にゼレフとメイビスの魔力が消えた事を今感じ取ったフウカ。ナツが倒したんだ…と気づき涙を拭う。マカロフを椅子に座らせて彼を囲む皆を見ながらそろそろギルドに戻ろう、そう言葉をなげかけようとしたがそれはアクノロギアの気配で消え去る。なんで…そんな疑問と共に街にアクノロギアから放たれた流星のような伊吹が街に降り注ぎ、それはフウカ達の傍にも落ちてくる。あまりに突然の事に歓喜から一転今度は何なんだ!と皆気が動転しはじめ、更にラクサスとガジルのまわりが光始めた。「ラクサス…!」「ガジル!」嫌な感じがしてラクサスの方へと駆け寄り手を伸ばすがそれが触れる前に2人の体は光に飲まれ導かれるように何処かへと飛んで消えてしまった。きっとこれはアクノロギアの力だ…。やっと、やっとゼレフとの戦いが終わって皆でギルドに帰れると思ったのに…伸ばした手は力なく垂れ下がり残された自分達に何が出来るのかと思考を巡らせて居た時その場にエルザ達が駆け付ける。そこから滅竜魔導士達はアクノロギアの精神体と共に時の狭間に閉じ込められていて、自分達はこっちにいる竜の方のアクノロギアをどうにかしようと説明される。けれどアクノロギアは滅龍魔法でないと倒すことは出来ないためここに居るフウカを含めた人では倒すのは無理な話しだ。けれどだからと言ってただただ見ている訳には行かない、ならどうすればいいのか…解決法が思い浮かばず手詰まりを感じていた時ルーシィが一つだけ手があるかもしれない、と案を出した。案を話す前にまた攻撃で街が崩れ、アクノロギアが目視で確認できるほど近付いてきている。急いでルーシィはその案を話す。滅竜魔導士の共通の弱点である乗り物、船にアクノロギアを乗せてその隙にあの7年前にメイビスが発動させた妖精の球で閉じ込めるというものだった。100パーセントの確率ではなく一か八かではあるものの他に方法はなく各々ルーシィの支持で動き出した。誘導役は他のギルドの人達に任せフェアリーテイルは先にハルジオンに向かう。フウカもアルトリアランサーへと再降臨しドゥン・スタリオンという名の着いた馬に乗り移動を始めた。

ハルジオンに着くと先にメストの魔法で移動していたグレイ達によってアルバレス軍が置いていった船や漁船などが港に集まっていた。あとはエルザが上空からアクノロギアを物理攻撃で吹っ飛ばし船に叩き落とせばいい。けれどまだ2つ問題が残っていた。1つはミネルバ達がハルジオンまでアクノロギアを遊道出来るのか、そして2つ目は妖精の球の使い方が載った魔導書を探しにギルドへ戻っているルーシィ達が間に合うのかだった。そのまま祈るように待っていればルーシィ達よりも先にアクノロギアが姿を現す。(じゃあ私達はルーシィ達が来るまでの時間稼ぎ…)時間稼ぎに参加するフウカ達以外は妖精の球を発動する準備としてお互い手を繋ぎ始める。けれどアクノロギアは本能で自身の弱点である船を的確に攻撃に全て壊してしまう。船が壊れてしまえば根底から全て狂い妖精の球所の話では無くなる、しかし船が全滅してしまった光に景唖然とする人達の中でグレイが声を上げる。「作戦続行だ!!オレが作る!!」「そうか!造形魔法!」船は造形魔法を操るグレイとリオン、そして手伝いとしてジュビアに任せフウカは再降臨でエルキドゥへ変わりエルザとミラの隣に立つ「私達はアクノロギアを引きつけよう!」アクノロギアを魔力で釣り妖精の球と船の準備をしている場所から遠ざけ、屋根を登り、攻撃を避け誘導する。それを繰り返してエルザが途中で無事に辿り着いたルーシィに声をかけた。準備は完了したと言う言葉にフウカ達はお互い頷くとその場へと駆け出していき、目前まで迫ったと同時にエルザの攻撃でアクノロギアを船へと吹っ飛ばした。ジュビアの波の操作もありアクノロギアは船の上へと墜落し苦しそうに呻き、その隙を逃す事無くルーシィ達が妖精の球を発動させた。魔法は成功しアクノロギアと船の周りを妖精の球が覆い、閉じ込める。けれどアクノロギアは効かぬわ!と妖精の球に体をぶつけそこにヒビを作る。今この場にいる人たちだけではアクノロギアを閉じ込める程の魔力を出すことが出来ない、このままじゃ…どうしようもない現実から地面に膝が着きそうになった時フウカの腕にリンク魔法が浮かび上がった。この魔法の持ち主であるメルディはその場に姿を現すと大陸中から繋げていた皆の魔力をルーシィ達の元へと集める。その力は先程と比べ物にならない程でフウカも残りの魔力を届ける「私達の魔力も使って!」「行けぇーーーっ」「これがオレ達の全魔力」「大陸中の魔道士の魔力…!」「妖精の球!!」魔力を全て妖精の球へと注ぐと中にいるアクノロギアはその魔力に苦しむような声をあげ、そしてガラスのように竜の体は砕け散りそこに残ったのは氷の船と妖精の球だけだった。妖精の球にそんな力はない(という事は、ラクサス達がアクノロギアに勝ったんだ…)その場にいた全員がそれを理解し、長い戦いに終止符が打たれたことに手を挙げ声を上げ喜びを表す。フウカもやっと子の戦いが終わったんだと胸を撫で下ろし笑顔を浮かべた。

そんな喜びに包まれる中、上に広がる青空の一部が音を立てて崩れさりそこから時の狭間に連れていかれていたナツ達が落ちてくる。
その中の一人を目に映すとフウカは落ちてくるであろう着地点までもうほとんどない体力を使って走る人を避けて縺れそうになる足に叱咤して駆けて地面に上手く着地した姿を目にして涙が溢れてくる。けれどそれを拭う事無くフウカはその勢いのまま前から抱きしめた。結構な勢いだった筈なのによろける事さえしない鍛え抜かれた逞しい体と、雷神衆と話していたのに突然突っ込んできたフウカに対して怒ることも困ることもすること無く自分よりも一回り程大きな武骨な手で壊れ物を扱うように優しく撫でるさまに涙が止まらない。「ラ"グザズぅ…」「ふはっ、すげぇ声だな」「うぅぅ…」良かった、無事でよかった、生きてて良かった。嗚咽しか出てこない喉ではそんなこと言えないけれどそれが伝わるように背中に回した腕の力を強める。ここまで泣くのはこの世界の両親がなくなって以来かもしれないとほぼほぼ機能しない頭で考えていればラクサスやエバ達から泣きすぎだと言う声がかかる。でも私は自分と同じくらい泣いてるフリードにだけは言われたくないです、はい。頭に置かれていた手が離れると慣れない手つきで流れ続ける涙を拭われるが残念な事に止まらないし止められないしで明日は目が腫れているだろうという手に取る様にわかる未来予知をしながら2度3度吸って吐いてを繰り返して顔だけを離してラクサスの顔を見る。「おかえり…!」「…あぁ、ただいま」震える声のまま何とか押し出せば優しい笑顔と声で返され、本当にもう終わったのだと理解すると少し止まっていたはずの涙がまた止まらなくなる。そんなフウカにラクサスは全くとでも言うように涙でぐしゃぐしゃになった顔を自身の体に軽く押し付けて落ち着かせるように片手を添えると指で軽く背中を叩く。服が濡れてじわじわと冷たくなっている感覚がありそこだけ色が変わっているのだろうという傍から見れば至極滑稽な想像が簡単にできてしまうものの、未だ小さくすんすんと鼻をすする音と背中に回るか細い腕に免じて許してやろうと周りを囲むフリード達と話しながらそんな事を片隅でラクサスは考えていた。