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魔導集束砲ジュピターから仲間を、ギルドを守るためにエルザは自らを盾にした。そのおかげで仲間は全員無事、ギルドは半壊したが何とかその形を保っていたが、彼女自身大けがを負い戦闘不能となってしまった。

「もう貴様等に凱歌はあがらねえ。ルーシィ・ハートフィリアを渡せ、今すぐだ」
「ふざけんな!!!」
「仲間を敵にさしだすギルドがどこにある!!!」
「ルーシィは仲間なんだ!!!」
「渡せ」

マスタージョゼのいう通り自分が行けば皆は助かるかもしれない、けれど仲間たちと一緒に居たいという気持ちはとても大きくて…自分でもどうしたらいいのかわからない

「仲間を売るくらいなら死んだほうがマシだっ!!!!!!」
「オレたちの答えは何があっても変わらねえっ!!!!!おまえ等をぶっ潰してやる!!!!!」

まだ入って間もない自分にそこまで思ってくれているという事にルーシィの目から涙が溢れた。
そんな中スピーカーから聞こえてきたのは余裕のあるジョゼの含み笑い。まだ何かを隠して持っていたのだ。

「これは使わない予定だったんだがな…ではもう一度ジュピターの恐怖を味わうがいい!!!」
「まだ魔力が残ってんのかよ??!!」
「だったら…私が、また…」
「おいエルザ!!無理すんな!!!!」

隠し持っていたもう一発。また同じものを撃たれたら今度こそ全員無事では済まない。砲身にどんどん魔力が集まっていく、今のFAIRYTAILにジュピターを止めれるものなど存在しない。

(どうすればみんな助かる…!?どうすれば…)

そんな時だった。グレイとエルザの前に小さな風と砂埃が起きたその時目の前に人が立っていた。先程までそこには誰もいなかったはずなのに。
新しい敵か!?とグレイが構えたがその人物から聞こえてきた声に警戒と絶望ではなく、光と希望が生まれた。

「ごめん遅れた!」
「リンカ…!!」
「来てくれたんだな…」
「うん。…皆私より後ろにいて」
「お、おい…っ」
「リンカやめろ!!おまえも無傷じゃすまされ無くなるぞ!!」
「大丈夫。私の後ろが安全地帯だから」

首だけ動かして後ろを振り向く彼女の表情は自信ありげに笑っていた。その笑顔がグレイ達の不安を薄めた。

『まさか本当に砲身を向けられるとは…今更だけどこれ耐えきれるよね?』
『ああ。あれくらいの魔力であれば俺の防御力だけで余裕だ』
『なら良かった』

流石連合の英雄、心強すぎる。
今まで生きてきた中で砲身を向けられるという経験をしたことがないリンカは今の状況に少し恐怖を感じるが彼が大丈夫というのなら心配はないのだろう。

ジュピターの魔力が装填された。黒い光線がまたFAIRY TAILに撃たれる。
リンカは魔導集束砲ジュピターを見据えると片手を前に出し自身の囲む丸いバリアを出した。

リンカのバリアとジュピターの光線が激しくぶつかり、その大きな衝撃に辺りは砂埃に包まれた。
一人ギルドや仲間のために前へと出だ彼女の姿が見えない。もしかしたら消え飛んでしまったのではないか…誰かがそう思った時だった。周りの砂埃が薄くなったとき彼女が立っていた場所に人が立っていた。しかも無傷のまま。リンカだった。

「リンカ!!!」
「マジであれを止めやがった…」
「だから言ったでしょ、私の後ろは安全だって」

彼女の言葉通りギルドにも人間にも被害はない。周りは流石だと彼女を褒めるが、当の本人であるリンカは表情には出さないものの自分が有言実行できたことに少なからず安堵していた。しかし、これで終わりなはずがない。

「こしゃくな…ならばさらに特大のジュピターをくらわせてやる!!!!装填までの15分恐怖の中で足掻け!!!!」
「何!?」
「ジュピター…」
「また撃つのか…!?」
「リンカ!なんとかなんないのか!?」
「何とかできると思うけど、今度こそここら一帯無事では済ませれないよ…」

今撃たれた物の倍の威力だとすると彼女やその後ろにいた人たちは無事でもそれ以外のすべて被弾してしまう可能性がある。
だっただジュピター本体を倒せばいい話なのだがこの中でリンカと同じS級魔導士であるエルザは一発目の傷で気を失ってしまっている。なら私が行けば…換装を解いて向かおうとしたとき、幽鬼の支配者のギルドから沢山のジョゼが作った幽兵が降ってきた。

(下手に向かえば、負傷者含め全員が兵士に殺されるかもしれない…)

けれどジュピターを壊さなければそれ以上の被害が出てしまう。何かいい案はないのか…。

「オレがぶっ壊してくる!!!」
「ナツ…」
「15分だろ?やってやる」

ナツならもしかしたら、そんな思いでカナとリンカはナツを送り出した。それに続いてグレイとエルフマンも乗り込んでいく。
だったら自分たちはここに残りあの幽兵を倒さなければ。

「こっちは私とリンカとロキで守りをかためる!!!いいね!!!」
「わかった」
「ああ」

リンカはアタッカーであるマリアに換装して戦闘態勢になる。
攻撃は最大の防御だって誰かが言ってた気がする!と少し的外れなことを考えながら。