弐拾玖
二人は井戸端にある納屋に行った。狭く埃っぽいが、此処ならば誰かに見られることはない。源太郎は汲んだ井戸水で手と顔を洗う。
「痛かったらすぐ言え。我慢したら、すぐ止める」
源太郎は蘭丸の帯を解いて、帷子を左右に開いた。
「何だ、これ?」
白い包帯は蘭丸の乳首だけを避け、その胸を覆い隠している。二つの頂は既に丸く起っていた。
誰の仕業かはすぐに分かった。
「お菊の奴…」
「今は、その名は呼ばないで下さい」
蘭丸の反応を見て、源太郎は単に嫉妬しているのだと思った。帷子を全て脱がすと、弱々しくも魅惑的な裸身が露わになる。小窓から差し込んだ夕日が、蘭丸の濡れた下肢を光らせた。
「こんなにしてただな」
それを見た源太郎が呟くと、蘭丸は顔を俯かせた。
「いいだよ、お蘭、元気になった証拠だ」
「んっ…」
源太郎が口吸いしながら、脱がせた帷子を敷き、蘭丸を座らせた。源太郎の口は、ゆっくり顎に、首筋に、そして胸へと移り行く。
胸の剥き出しの部分を舌で突くと、蘭丸は愛らしく鳴いた。そこは既にふやけていて、唾の匂いがした。源太郎は指で強く引っ張る。
「あぅ!」
「乳首が濡れてるだ。お菊か?」
「………はい」
「したのか?」
「いいえ。胸と、唇を…」
「何でだ?お菊が好きなのか?」
「蘭が愛しているのは、源太郎様だけです」
「なら、なして!無理強いか!?」
普段優しい眼差しで視線を送る源太郎の目が怒りでつり上がった。
「違います、体が、淋しくて…。菊殿は蘭の気持ちに気付いて、放とうとして…。ですが、拒んだら止めてくれました」
「欲しくなったら、すぐ、おらに言え」
「はい…」
源太郎は蘭丸の充分に腫れた突起を噛んだ。蘭丸の体がびくりと飛び上がる。
「あ!」
「前より、敏感になってるな」
もともと、蘭丸はここを攻められるのが弱い。だが、今日はより感度が高い。
「お蘭、暴れるな。乳首が千切れるど」
「は、はい…」
「気をしっかり持て、まだ繋がってないだ」
源太郎が蘭丸の脇に手を入れ、親指で両方の乳首を押し潰し、ぐいぐいとまわした。蘭丸は首を反らし、がたがたと震えだした。
「あ…、あうー!」
びちゃびちゃと体液を源太郎の腹にかけた。放出した蘭丸は源太郎の胸に寄り添う。
「まだ乳首だけだど」
源太郎は着物を脱いで、蘭丸の体を労るように撫でた。蘭丸は呼吸を整え、左腕を源太郎の腰に回す。
「源太郎様…、どうか…」
蘭丸は立ち膝になる。
「蘭の、中で…」
蘭丸は顔を真っ赤にしながら源太郎を見詰めた。
「体、平気か?」
蘭丸はこくりと頷いた。
「駄目なのです。蘭は、放つだけでは、源太郎様のお慈悲がなければ…。蘭を、淫らだとお思いですか?」
「淫らでええ。おらだって、ずっと…」
源太郎は既に盛り上がった下帯をずらし、一物を開放した。
「お前が欲しかっただ」
蘭丸を自分に跨がせるようにして、対面した状態で体を密着させた。滑らかな尻に手を伸ばし、薄い尻肉を揉んだ。
「お蘭、尻がまた小さくなっただな」
蘭丸は快楽に耐えようと背筋を張った。源太郎が尻をぺしりと叩く。
「力、抜くだ。傷に障る」
「申し訳ありません…」
「もっとおらにくっついてええから」
源太郎は蘭丸の腰を下ろし、掴んでいた尻を左右に開き、蕾に指を添えた。
「お蘭、ここが濡れてる。お菊に触らせたな?」
「ひゃ!」
源太郎が指をずいと入れた。ぬるぬるとした感触が、挿入を容易くさせている。
「あ、あの…」
「さっき、唇と胸だけと言ったな?嘘、ついただか?」
源太郎が蘭丸の腹側に指を反らす。中でくちゅりと粘っこい音と、蘭丸の嬌声が同時に響く。
「ああ!も、申し訳ありません、そこも、指だけで…、あう!」
源太郎の指が中で蠢いた。
「指だけ?お菊にこんなことさせただか?」
「あ!」
更に指を体内で動かす。その度に蘭丸は肩を揺らせ、息をつく。
「させた、か?」
「は、はい…」
「後はどこを触らせた」
蘭丸は快楽に耐えるのに精一杯で、源太郎の言葉など聞こえないようだった。源太郎は指を一周させ、蘭丸の内壁を満遍なくなぞる。
「うあ!」
「ここか!?」
源太郎は再び反応を示した下肢を片手で掴んで、濡れた先端を指で塞いだ。
「う、うう…」
「言え、言うだ!」
「そ、其処を…、足裏で挟まれて…」
「触らせただな!」
「あ!」
源太郎は掴んだ手をぎゅっと握り、上に引っ張った。蘭丸の瞳に涙が溜まり始めた。
源太郎は怒り以上に興奮していた。虐げられた蘭丸は、淫靡さと可憐さを兼ね備えている。また、蘭丸も源太郎の言葉による攻めと乱暴な扱われ方に被虐心を擽られていた。
「ご、ごめんなさい…」
「許さないだ」
源太郎は後孔の指を抜き、腰を掴んで自分の方へ引き寄せる。
「他人に触らせるぐらいなら、ここを取る」
下肢を膨らみごと掌で覆い、端を潰すように掴み取る。蘭丸は胸を弾ませ、荒く呼吸をしながら、震える声で言った。
「源太郎様が、お望みになるのならば…」
蘭丸は一筋涙を流した。源太郎は蘭丸を抱き寄せ、背中を静かに撫でる。
「もっとゆっくり呼吸するだ。息が止まる」
蘭丸は源太郎の腕の中で呼吸を整えた。蘭丸の熱い息が源太郎の肩にかかる。
「おらの負けだ、お蘭…」
源太郎の言葉の意味が理解できない蘭丸は、濡れた目で源太郎を見上げた。呼吸が落ち着くと、源太郎はそっと口付けた。
「痛くして悪かっただ」
「痛くなど…。源太郎様は、蘭が本当に嫌がることは致しません」
信頼、慈愛、慕情。それらの言葉を孕んだ蘭丸の目が、源太郎を見据えている。源太郎は急速に上昇した。
気付いた蘭丸が腰を浮かせると、源太郎自身が高く聳え立った。
「蘭に、くださいませ…」
「無理するなよ」
源太郎は両手で蘭丸の尻肉を開き、濡れた蕾にあてがう。
「………」
源太郎の存在感に、蘭丸は不安で眉間に皺を寄せた。指とは比にならない太さと長さ。源太郎は屈託なく笑う。
「ほら、力むな」
蘭丸の額に自分の額をこつんと当てた。
「はい」
蘭丸は息を吐いて、ゆっくり腰を落とす。先端の括れまで何とか埋めると、再度吐息を漏らした。蘭丸は更に腰を落とした。
「お蘭の中、あったかいだ…」
「ん…、んん」
蘭丸が深い呼吸を繰り返す。源太郎の足の上でしゃがみ込んで、ようやく呑み込んだ。
「源太郎様、我慢なさらないで下さい、蘭は、平気ですから…」
「ああ…」
源太郎はしゃがんだまま腰を上下に揺すった。小さく小刻みの律動ながら、敏感な二人には十分な刺激となった。
「源太郎様、源太郎様…」
源太郎は、蘭丸の腰を支えながら包帯の結びを解き、くるくると自分の手に巻き付けた。
「あっ!」
白い喉に噛み付き、吸う。
「源太郎様…」
蘭丸が声を出す度に、喉が僅かに震えた。
「お前はおらだけのものだ」
「はい。仰せの通りです…」
「誰にも、触れさせない。お菊にも」
「あ!い、痛い」
今度は耳の下に唇を落とし、歯を立てる。
「申し訳ありません、源太郎様…。本当に、蘭がお慕いしているのは源太郎様だけです」
「本当か?」
「はい…、ですが、菊殿は、蘭にとって大切な方なのです。源太郎様が、志津殿を想うように。菊殿が困っている時は、助けて差し上げたい。蘭に、出来ることなら…」
「そうか」
「あ!」
源太郎は強引に蘭丸の上半身を後ろに傾けた。
「あぅっ…、ひぐっ」
蘭丸の胸と抉れた腹が震えた。角度が変わったことにより、体内のおのこの急所が圧迫される。その刺激から、蘭丸の中心が硬く、角度を上げていった。源太郎は蘭丸の片足を抱え、持ち上げる。
「辛くないか、お蘭」
源太郎は自身を半分まで引き抜き、また挿した。
「あ、あ、あ…」
蘭丸の体に何度も抜きかけては穿ち、刻みこむ。蘭丸は泣きながら至福の喘ぎを漏らす。
「きつい。おら、もう出ちまう」
そう言うと、蘭丸は源太郎の掴んだ包帯を引っ張った。抱き締めて欲しい。その言葉の代わりに。
察した源太郎は蘭丸を抱き寄せて腕の中に収めると、蘭丸は源太郎に口付けた。舌を伸ばし、源太郎の舌を絡め取る。舌を舌で撫で、誘い出す。
源太郎は嫉妬している。だが、蘭丸が菊之助を想う気持ちを否定できないのだ。源太郎自身、志津に身を許すと言って、蘭丸を傷つけたことがある。泣き縋った菊之助の誘惑に負けたこともある。覚えがあるから、自らが犯した過ちに負い目を感じているから、優しさを認めてやりたいから、源太郎は何も言えなかった。本当は、自分以外の者に触れさせたくはない。
源太郎が反応を返し、蘭丸の口内に忍び込んだ。
(もっと、刻んで、源太郎様…)
互いが菊之助の感触を忘れてしまう程に。蘭丸が源太郎の下唇に僅かに歯を立てると、源太郎が熱く息を吐いた。同時に、熱をも吐き出した。
「く、はっ…」
濁流は蘭丸の最深部を叩く。熱が、巡る。源太郎の滾りが、蘭丸の体内を。
「源太郎様ー、蘭は、このままでいたい…!」
熱を放ち、力の抜けた後も、源太郎は蘭丸を抱き寄せてくれている。蘭丸は、それが嬉しかった。
「源太郎様の優しさを、全て蘭のものにしたい…、離れたくない、ずっと、こうして…」
源太郎が蘭丸の口を塞いだ。何秒か啄んでから、移動して首筋を噛む。
「痛い…」
達した後なのに、再び波が込み上げる。源太郎は胸の突起を舐め始めた。
「ん…、あぅ…」
「おらも、お前を…」
「ん…」
「鳴け、我慢するな、おら、お前の声が聞きたいだ」
源太郎は胸板に歯を立て、小さな輪を口に含み、吸った。
「や、んはああああ!」
源太郎が舌を乳首に往復させ、もう片方は指で痛い程に潰した。蘭丸の悲鳴に刺激され、蘭丸の中に収まったままの源太郎自身が再び猛り出す。
「あー、あ!」
むくむくと体内で源太郎が起ち上がり、蘭丸の内壁が圧迫された。
「す、凄いです…」
蘭丸は色んな箇所を刺激され、意識が遠のいた。心臓が早鐘のようで、傷も脈打っているのに、痛みが分からない。
源太郎が胸から口を離し、囁いた。
「お蘭が、好きだからだ」
源太郎は蘭丸の背に手を添え、固い床に体を倒した。
「痛くないか?」
蘭丸は頷く。菊之助に体を預けた時も、同じ様に痛くならないように労ってくれた。何だか悲しくなって、源太郎が握ったままの包帯を引き寄せた。
「痛いか?」
蘭丸は首を横に振り、もう一度包帯を引っ張る。
源太郎は蘭丸の体に被さり腰を鎮めた。
「源太郎様…」
快楽に染まったていた蘭丸が、神妙な顔をした。
「ん?」
「誰か、来ます…!」
源太郎の顔に、血の気が引く。
「近付いて来ます…」
重なり合ったまま、源太郎が二寸半程度戸を引き、外へ顔を覗かせた。
物色している唐八と目が合った。唐八は走り寄ってくる。
「げんさん、乱太郎君がいないんです!それに、悲鳴が…!」
唐八が戸を更に引こうとすると、咄嗟に源太郎は足元の鶴嘴を溝に立てかけ、制する。
「あれ、開かない?」
がたがたと何度も戸を引く。これ以上開かれては、この痴態を晒してしまうことになる。
「唐八殿、私は此処にいます!」
咄嗟に蘭丸も声を出した。
「乱太郎君?どうしてこんな所に…」
「申し訳ありません、鼠が足元に来て、吃驚してしまって…。でも、もう大丈夫です」
「なら、良いけど…。駄目じゃないか、安静にしてなくちゃ」
「わ、悪いだ、戸の建て付けが悪くて、修理してただ、お蘭にも手伝って貰ってただよ」
源太郎も慌てて割って入る。戸を直しているなら、顔が低い位置にあっても不自然ではないと苦し紛れに思いながら。
「げんさん、駄目でしょう。乱太郎君は、昨日目覚めたばかりなんですよ」
「申し訳ありません、すぐ、戻りますから…」
「もうすぐご飯ですからね、早く戻ってきてくださいよ」
唐八の後ろ姿を見送り、源太郎は戸を閉めた。
二人は安堵の深いため息を漏らす。
「戻らなくては…」
源太郎は鶴嘴を寝かせた。鶴嘴の長さと戸板の幅はほぼ同じ。丁度良い閊えになった。
「これで邪魔者はいない」
「えっ…」
「声は我慢するだよ、お蘭?」
徐々に、徐々に、源太郎は腰を鎮めてきた。
「そんなに、突かれては…」
源太郎が容赦なく体重をかけてくる。一度目の結合よりも深い。蘭丸は声を殺しながら、がたがたと震えだした。結合部分が収縮し、腹の間に挟まれた根の硬さが増してゆく。
「…お蘭、そげん辛かったら、やっぱ声出していいだよ」
蘭丸は顔を横に振る。こんな姿で見つけられては、合わせる顔もない。
「いくど」
「ひぁ!」
源太郎が前後運動を始めた。肉と肉がぶつかり合う乾いた激しい音に、蘭丸はまた不安になった。
「…!」
瞬間、会陰に触れた源太郎の振り子に、緊張が走った。
源太郎の熱は、二度目に関わらず、たっぷりと蘭丸に注がれた。源太郎が蘭丸から自身を引き抜くと、大量の粘液が飛び出し、敷いてある帷子に蘭丸の肌を伝って流れる落ちる。
「お蘭、出していいだ」
源太郎が蘭丸の角度を上げたそれを掴むと、上下に扱いた。
「駄目です!声が…!」
「いいだよ」
源太郎は先走りで濡れた手で両端の袋を揉みほぐし、熱を促す。
「あ、あー!」
蘭丸が少ない吐精を終えると、源太郎が背中に添えた手で抱き起こす。
「体、平気か?」
「力が入りません…」
「すまない、無理させて」
蘭丸は首を横に振る。
「蘭は、嬉しかったです」
蘭丸は源太郎の肩に頬を寄せた。このままこの心地良い浮遊感、脱力感を所有していたい。胸の痛みさえも、それに一役買っていた。
「この時間がずっと続いたら、どんなに良いでしょう」
蘭丸は潤んだ瞳で源太郎を見上げた。
「誘っているだな?」
「早く戻りませんと…」
「おら、お前となら、何度でも出来るだ」
源太郎はまだ若く、活力に溢れている。蘭丸はくすりと笑った。
「あと、何回出ますか?先程二回出したから…」
「四回だ」
「蘭の体が、持ちません」
「そうか?」
源太郎は蘭丸の尻に手を伸ばす。
「や、駄目です…!」
「なしてだ?」
「夕餉の時刻です」
「おらは夕餉よりお蘭を食べたいど」
源太郎は白濁を滴らせた蕾に指を埋めた。
「ほら、お蘭も、おらの指、食べてるだ。旨そうに」
「源太郎様…」
蘭丸の秘部がくっと締まる。
「では、もう一度だけ…。た、食べさせて下さいませ…。蘭は源太郎様とずっと共にありたい」
「おらも。お蘭と、おんなし生き物になりたかっただ」
蘭丸は源太郎の言葉に微笑みながら返した。
「ですけど、違う存在だから、今がこんなに幸せなのですね」
「ああ。辛くないか?後ろからの方が…」
「この方が、良いです」
蘭丸は密着して源太郎の肩を握る。
「体に力が入らなくて…、腰を上げていただけますか?」
源太郎は背中と腰に手を添えて、蘭丸の尻を浮かせた。
「膝が震えてる…、寒いか?」
「いえ、久しいので、下半身が少し…」
明日は立てなくなってしまうかも知れない。なのに、それでも蘭丸は源太郎と繋がりたい。
「蘭は、どうしようもなく淫らで、欲張りですけれど…」
「いや、おらの方が欲張りだ」
源太郎は蘭丸の尻を広げ、いきり立った自身を添えた。
「ゆっくり、おろすだよ」
「はい…」
蘭丸の中は源太郎にぴたりと嵌った。
「おら、起きた時、お蘭の寝顔見て欲情した」
「ん…」
しゃがみこむと、源太郎が蘭丸の体をぎゅっと抱きしめた。
「だから、朝、自分でしただ。お前の寝顔で」
「あっ!また…」
源太郎は腫れた突起を舐めた。すると、強張った蘭丸の中が締まり、源太郎を圧迫した。源太郎は蘭丸の体を筆を走らせるように舐めまわした。
「くすぐったい…」
吐息混じりに漏らすと、その口を源太郎が塞いだ。貪るように口内を舐め回す。
「くっ、はぅ…!」
源太郎が蘭丸に密着したまま、上体を前に倒した。蘭丸の上体が後ろに傾く。
「蘭も、もう…!」
「気持ちいいか?」
「はい…」
蘭丸はとろんとした目で遠くを見詰めていた。体は痙攣し、小さな口を無防備に開き、綺麗な舌を覗かせている。
絶頂。蘭丸は、放つことなく三度目のそれを迎えた。
「お蘭…」
源太郎は行き場をなくした自身を引き抜き、蘭丸の体を楽にさせた。
「源太郎様、参りましょう?蘭は、大丈夫です」
「もういいだよ。体、疲れただろ?」
「では、口で致します」
「え?」
「足りませぬか?」
「いや、いいだ!おら、口でしてもらうのも好きだ!」
源太郎は纏った滑りを手拭いで拭き取る。
「蘭も、好きです。源太郎様の…」
源太郎は、蘭丸に負担をかけさせぬようにちょうどいい高さの棚に座り、蘭丸の顔を抱え、股間に引き寄せる。
蘭丸は、水が滴る先端に口付けし、含んで顔を前後に動かし、舌で摩擦をする。硬い下の膨らみを片手で弄りながら、衝動を促す。疲れているのか、余裕がないのか、蘭丸にしては雑な動作だった。
「お蘭…、有り難う…」
源太郎は、前触れなく唐突に噴き出すことがよくある。熱を飲み込みたいために、蘭丸は先端を口から離さずに、今度は甘噛みを繰り返した。蘭丸の口から、唾液と先走りが滴り、源太郎の根元を伝った。蘭丸は強めに膨らみを握り、指先で硬い箇所を摘まんで弄ぶ。
「ん、う…」
蘭丸の喉がごくごくと動く。放出が終わると、蘭丸は一仕事終えた源太郎を口から離した。
「また、いっぱい出ましたね」
源太郎のふにゃりとだらしなくなったものを、蘭丸は愛おしそうに撫でた。
「でも、ここは…」
空になった筈の袋がまだ重い。蘭丸は確かめるように掌を源太郎の股下に滑り込ませた。
「お、お蘭…、そんなにしたらまた起っちまうど」
「こちらもまた元気に…」
源太郎の諫めを聞かず、蘭丸は触診を続け、中心を掴んだ。
「こら!」
「わあ!」
源太郎は蘭丸を抱え上げ、立ち上がる。
「げ、源太郎様、堪忍を…」
源太郎は体液の染み込んだ汚れた帷子を棚に敷き、蘭丸を俯せにしたまま乗せた。胴体を棚に預け、脚をだらりと下ろし、剥き出しの蕾や床に触れた爪先は震えていてる。
「源太郎様、申し訳ありません」
「お蘭が触ってばっかだから、起っちまっただ。もう一回いくど」
源太郎は蘭丸の後頭部を掴んで、前を向かせる。
「ら、蘭はもう限界です…」
「嘘だ。ここがまだ硬い」
「あ!」
源太郎は蘭丸自身をむんずと掴み、親指を根元の膨らみに添え、弾力を楽しんだ。
「ふぐりもだ」
「い、いけません…」
蘭丸の体の震えが全身に広がる。発する声も小さくなる。源太郎は、蘭丸の右足を棚に乗せるように上げた。
「ここも呼吸してるだよ」
蘭丸の後孔は白濁を滴らせ、未だ息づいていた。源太郎は舌先をねじ込ませる。
「ん、あ…、だ、駄目…」
舌が丁寧に蘭丸の内壁を撫でると、入り口がきゅっと閉まる。
「いっぱい注いじまった。出さねえと」
源太郎は舌の代わりに指を挿し込んだ。
「あ!駄目!」
中で関節を少し曲げ、優しく掻き出す。源太郎の体液の他に、ぬるりとした粘液が滑りをよくさせた。
「お蘭、気持ち良いか?」
蘭丸は震えながら僅かに頷いた。
源太郎は指を押し込み、腹側に向かって刺激した。指に垂れた雫を舐め、可愛い袋を口に含み、甘く噛んで舌で転がす。
「お蘭、次は出そうだ」
「源太郎様…」
「ん?」
「蘭は、抱き締めていて欲しいです」
源太郎は指を引き抜き、蘭丸に体を被せた。
「甘えん坊さんだ」
「蘭は、いつも布団で一人でおります」
「一人じゃない。おら、同じ布団で寝てるだよ?」
「目覚めた時は一人で…、くっ」
源太郎は指よりずっと太く長い肉柱を蘭丸に埋め込んだ。
「ん、あぁ…!」
胸の下に手を入れ、起ったままの芽を弄び、耳穴に舌をねじ込む。
「やっ!」
鼓膜に伝わる源太郎の舌の濡れた音が、蘭丸の肌を逆立たせた。
大好きなお蘭、ずっと傍にいてくれ。源太郎は耳打ちした。
「ら、んも、好きです…!あ、んぅ!」
腰を沈めて胸と股間に手を伸ばした。
「好きなのはおらか?こっちか?」
「あ、あー!」
源太郎は容赦なく蘭丸を攻める。
「あ、う」
蘭丸の声がか細くなった。源太郎は自身を抜き取り、蘭丸を後ろから抱き込み、尻餅をつくように座り込んだ。
「お蘭、疲れたな、ごめん」
源太郎は蘭丸を膝に載せた。まだ大きなままでいる源太郎の分身と、汗ばんだ蘭丸の太腿が密着する。
「まだ、出していないではありませんか」
「あれでは、お蘭の顔が見えん」
源太郎は蘭丸の根を掴んだ。
「お蘭の達した時の顔、好きだ。可愛い」
蘭丸は恥ずかしさに俯く。源太郎は上下運動を素早くさせた。
「もう…、出ません、あっ」
快楽の波が上昇すると、蘭丸が小股をしめた。力強くも、痩せた腿に挟まれ、適度に圧迫された。
「お、お蘭、おら…!」
思いがけず、源太郎が先に放ってしまった。
「源太郎様…」
蘭丸は力を抜いた。体制を整えて、源太郎の腕に収まるように胸と胸を密着させた。
「出さなくていいか?」
「こちらの方が良いです」
体温を分け合い、寄り添っていたい。蘭丸の気持ちが伝わり、源太郎は蘭丸への想いが込み上げる。
「お蘭、有難う」
「蘭は、何かしましたか?」
「お蘭の気持ち、大切にしろ。それがおらにじゃない時でも、おらはお蘭を信じてるから平気だ」
「源太郎様…」
源太郎は蘭丸の唇を吸った。吸いながら下肢へ手を伸ばし、衝動を促した。
「は、あ…!」
蘭丸が体を反らすと、源太郎は剥き出しの首筋に口付けた。自分が付けた歯型を舐める。蘭丸の薄い胸が上下して、息を荒くさせている。
「源太郎様…、有難うございます」
蘭丸は力なくそう言うと、快楽の証を僅かばかりに放った。
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