妄想、愉悦。


拾弐


   


 康と用意した夕餉をすべて戻してしまった。
 蘭丸は、あんな風に犯された後にも関わらず、源太郎の身を心配し、布団に寝かせ、汚した土間の処置をし、汚れた服と下着を洗っていた。

「ふう」

 最後の袴を土間に干して、蘭丸は源太郎の傍らに座った。しめった手で源太郎の髪を撫で、笑顔を向ける。

「源太郎様、お体の具合は?」

「……」

「まだ、痛みますか?」

 返事をしないでいると、心配そうに目尻を下げた。

「痛くないし、気持ち悪くもない」

「良かった」

 蘭丸は安心してまた笑顔を向けた。

「良くない」

「え?」

「おら、お前に酷いことした。痛いって言ってたのに、怖がってたのに、無理矢理犯した」

「無理矢理ではないですよ。本気で嫌がってたら、蘭だって全力で暴れます。そうしたら、きっと源太郎様だって止めていたはずです」

「止めてない。腹立てて、力ずくでしてたと思う」

 源太郎は布団を捲って起き上がった。

「でも、それは蘭が悪いから…」

「どういう意味だ?」

「優しい源太郎様をそこまで怒らせてしまった蘭がいけないんです」

「なしてそこまで…」

「思い当たることがあります。蘭が薬の配達と嘘をついたことです」

「やっぱり…嘘だったのか」

「そして、蘭がある方と会っているところを源太郎様は見てしまった」

「気付いてただか?」

「気付いたのは、服を洗っていた時です。段々と冷静になって来て。源太郎様が後悔してしまうくらい激しくなるのは、嫉妬が絡んだ時でした」

「ああ、そうだ。配達はお康や中哉は知らなかった。先生だって上手く誤魔化せてなかった。暗くなって心配になって探しに行ったら、お蘭は知らない男と楽しそうに可愛い顔して笑ってた」

 一気に話すと、蘭丸は頭を下げた。

「申し訳ありませんでした。誤解させるような軽率な行動を取って」

「誤解?」

 蘭丸は真剣な顔を上げた。

「秘密にするべきでありませんでした。私が先程会っていた方は、源太郎様の仕事仲間です」

「え?おらの?」

「はい。名は寿一殿。お歳は、康殿と同じ二十六歳です。寿一殿は面倒見が良く親切で信頼出来る仲間だと記憶をなくす前の源太郎様から窺っておりました。源太郎様の体調も戻りつつあるので、そろそろ仕事に復帰することを考えて、寿一殿に相談に出向いていたのです」

「なら、おらも連れていってくれたら良かったのに」

「私自身は寿一殿を殆ど知りませんし、寿一殿の反応を見てからでないと、源太郎様に会わせられないと思いました」

 慎重すぎる。しかし、それだけ蘭丸は源太郎の身を案じているのだろう。

「そっか。その、寿一はどうだった?」

「源太郎様が言っていたように、優しくて頼れる方でした。源太郎様が記憶を無くされて、心配もしておりましたが、仕事のことも快く引き受けて下さいました。そして、もう暗いからと蘭を養生所まで送って下さいました。去り際、蘭が笑ったのは、これでまた源太郎様がお仲間と働けるって安心したからです」

 何てことだろう。寿一に向けた笑顔も、源太郎を想ってのことだったのだ。

「そうだったのか。おら、酷いことしてごめんな。お蘭のこと信じるって決めたのに、あんなことを…」

「いいえ。嘘をついてしまったのは本当ですから。蘭も、これから源太郎様が悔いるような時は、全力で拒否します」

「うん」

「気持ちがばらばらのまま肌を合わせても虚しいだけですから」

 蘭丸は源太郎の手を取って握った。そして、頬を染めながら上目で見上げてくる。

「あの…湯浴み、しませんか?背中、流させて下さい」

「え?」

「体調が戻っていたらですけど…」

「うん!入りたい。背中流して欲しい」

「はい」

 蘭丸は、土間に降りて小さな浴槽に沸かした湯を移し、水を足して温度を調整した。

「準備出来ました」

 服を汚してしまった為、布団にくるまった源太郎は全裸だった。板間から跨いで湯に足を入れる。この適度に温かい部屋で、熱すぎない丁度良い温度になっている。体を沈めても腰に満たない水位だが、予想以上に心地よかった。

「気持ち良いな」

「そうですか?」

 蘭丸は得意気に笑って源太郎の肩に湯を掛けた。傍らにある箱から微かに香る粉を掬い、手拭いに落として揉み込んで、源太郎の濡れた背中に擦りあてる。

「背中、気持ち良い」

「良かった」

「お蘭は凄いな。湯の温度も、この手の力加減も、全部丁度良い」

「それが蘭の務めですから」

 蘭丸の柔らかな指はうなじや耳の裏を丁寧に擦り、腕へ降りていった。浅い湯船を跨ぎ、源太郎の前に来てしゃがむと、浴衣の裾の袂から擦りむけた膝が見える。先に作ったばかりの傷だ。

「なあ、お蘭も入らないか?」

「え?入るって…今ですか?」

「うん。背中、流してやる」

「けれど、流石にこの小ささでは」

「平気だ、ここに来ればいい」

 源太郎は膝を開いた。足の間に出来た空間は確かに狭いが、細身の蘭丸ならばはまるはずだ。蘭丸は、少し頬を染めて頷き、浴衣を脱いだ。下着も汚してしまったからその下は素肌のままで、蘭丸は手拭いで前を隠しながら湯に足を入れた。

「やはり狭いのでは」

「背中をおらに向けて、膝を抱えれば平気だ」

「……」

 蘭丸は従い、源太郎に背中を預ける体制でしゃがむ。その時、蘭丸の滑らかな尻たぶが源太郎の鼻先を掠めた。ちゃぷん、と蘭丸が腰を湯に浸け、膝を折りながら座り込む。

「窮屈ではないですか?」

「ん、でもそれが良いって言うか…」

 完全に密着している。

「こんなにくっついては背中は…」

 湯の中の蘭丸の尻の感触に誘われ、反応してしまった。それに気付いた蘭丸は華奢な肩をより縮こまらせた。

「私、出た方が良いのでは…」

「嫌だ」

 源太郎は蘭丸の肩に腕を回し、熱い耳へ頬を寄せた。

「でも、苦しくないですか?その…」

 蘭丸は、圧迫された源太郎の下腹部を心配していた。

「お蘭のもち肌、気持ち良いよ」

 蘭丸は言葉を失ってしまったようで、返事はなかった。

「で、これで洗うだな?」

 源太郎は洗料の入った箱を手に取り、濡れた掌に落とした。溶けた洗料を蘭丸の肩や腕に撫で付け、摩っていく。

「覚えているのですか?」

「何がだ?」

「前も、こうして蘭の肌を洗っていました。手拭いで擦るのではなく、今のように掌で…」

「覚えてない。何も考えないでやってただ。だが、こうするとお蘭の肌はもっとぴかぴかになるだな」

 蘭丸の指に指を絡ませて、握った。蘭丸が振り返って、源太郎の顔をじっと見上げてくる。源太郎は口付けをしながら、ゆっくり手を移動させた。指先から肘、肩、力を加えたら折れてしまいそうな鎖骨を撫で、下へ移動する。

「んっ」

 脇をなぞると蘭丸は息を漏らし、源太郎は舌を割り込ませ、角度を変えながらまた口を吸った。人差し指で乳首をなぞる。

「あぅ」

 蘭丸はびくりと体を揺らした。源太郎は唇を離して、蘭丸の肩から胸を覗き込む。痛みを与えないように指先で転がしていると、健気にも起ち上がって色濃く腫れてきた。蘭丸は膝をもじもじとすり合わせ、源太郎と体を密着させながら悶えている。

「ふ…ぅっ…」

 蘭丸の耐えきれずに漏れる喘ぎがもどかしい。

「我慢してるとこも可愛いけど、もっと声出していいだよ?」

「うぅ…」

 蘭丸の反応を見たくなって、乳首を指先で挟んで小さな粒の弾力を楽しむ。

「痛くないだか?」

「い、痛い…」

 蘭丸の吐息に混ざった返事は聞き逃してしまいそうに小さい。

「じゃあ、止めるか?」

「んん…、あっ」

 今度は、指先で弾いて遊んだ。

「や、止めちゃ嫌です」

「分かった」

 源太郎は指先で小さな硬い粒を刺激し続ける。蘭丸の喘ぎも、段々息が荒く、早くなっていく。この声は、かなり限界に近付いているのではないだろうか。源太郎は蘭丸の肩に顎をのせて覗き込む。湯から赤くなった先端が顔を出していた。

「…あ、あっ、あ…!んっ…」

 源太郎が指先でぎゅっと押さえると、蘭丸が源太郎に体重を掛けてきた。肌が激しく震えると、小さな穴から白濁液が零れるのが見えた。隙間がなくて、体を突っ張らせることを出来ないでいた蘭丸の体から、力が抜けた。

「すげえ、乳首だけでいっちまった…」

 源太郎が呟くと、蘭丸が震える体で身を捩らせてきた。

「ん?」

 蘭丸が顔を近付けて、目を閉じ口付けを求めてくる。もう一度手を胸に当てると、鼓動が早鐘を打っていた。可愛くていとおしくて、余計にこの子が欲しくなる。源太郎は桶で洗料の滑りをざっと落とす。

「お蘭、立てるか?」

「はい」

 蘭丸は源太郎に支えられながらゆっくり立ち上がった。源太郎も立ち上がって、蘭丸の体を抱えると、膝程の高さがある板間に上がった。

「わっ」

 蘭丸はふらつく源太郎の体にしがみつく。そのままつかつかと布団に進み、濡れたままの体を布団に置いた。

「あの…」

 蘭丸は源太郎の下腹部に目を遣ると、体を倒して片方の膝を持ち上げた。赤くなった後孔がひくついている。ただでさえ蘭丸の柔肌に刺激され、耳から目からと追い討ちをかけられた分身が、より激しい追撃を受けて破裂しそうになった。

「痛そうだな」

 源太郎は蘭丸が抱えた膝の擦り傷を舐めた。蘭丸の潤ませていた目から雫が落ちる。

「他に痛くさせたとこ、ないか?」

「平気です…」

 蘭丸は顔を隠した。

「だが、ここ、赤くなってるだよ?」

「…っ」

 源太郎は晒された孔に力を加えすぎないように、表面を引っ張るように指で拡げた。

「よかった、切れてはいないだ。腫れてるけど」

「平気ですから…」

 蘭丸は源太郎に瓶を差し出した。源太郎は、瓶を受け取ると、それを床に置き、蘭丸の腰を担ぎ上げた。

「え?ああっ…!」

 源太郎は、上を向いた赤い窄まりを自分の舌で撫でた。蘭丸は抵抗して足を閉じようとするが、源太郎が膝を押さえ付けているためなすがままにされている。これも、全力で抵抗していないことになるのだろうか。源太郎は舌を奥に押し込んだ。先により長大なものが入っていたこともあり、すんなり入ってしまった。

「駄目、汚…」

 入り口をなぞると、蘭丸の諫言が途切れ、甘い喘ぎと変わった。舌を締め付けながら収斂を繰り返す感触がもどかしい。舌では中の弱点に届かないのは分かっているが、蘭丸はゆるゆると昇りつめている。このまま続けていればいずれ蘭丸も達してしまうだろう。しかし、この体制で長時間このままでは辛い。源太郎は筋を立てた蘭丸の陰茎を握った。手の中で、どくりと蠢いた。

「あっ…!」

 舌が締め付けられて、押し出される。蘭丸の体がびくびくと揺れ、源太郎は顔を上げた。蘭丸は腹を白く汚している。

「お蘭、いっただよ」

 源太郎は自分の掌の体液を見せた。

「…まだお預けなのですか?」

「お預けって…」

「蘭は、こんなに欲しがっているのに」

「だって、尻、赤いし、腫れてる…。おら、傷付けないように気持ちよくしたいって思って」

「分かっています。源太郎様の優しさなのだと。見てて下さい」

「ん?」
 蘭丸は指で腹に付着した体液を掬い、そのまま自分の後孔に埋め込んだ。息づいた孔に細指はすんなり入り、ぐちゅぐちゅと淫らな音を立てる。

「な、何してるだ?」

「慣らしています」

「な、慣らすって…」

 あまりに淫靡な光景に目が離せず、源太郎は絶句してしまった。

「痛くないですから」

 蘭丸は両手の人差し指を縁に引っ掻けて、拡げた。桃色の内側が見える。源太郎は固唾を飲んだ。

「だ、だが、おら…」

 さっき傷付けてしまったから、蘭丸に負担はかけたくなかった。しかし、恥ずかしがりの蘭丸がこうまでして誘い出しているのだから、拒否する訳にもいかない。源太郎が、近付いて体制を調えると、蘭丸が身を乗り出してきた。

「お蘭…」

「心配なら見ていて下さい」

 蘭丸は源太郎を布団に倒すと、腰を跨いで源太郎の陰茎を掴み、的確な位置で腰を落とし、白濁を滴らせた孔へ宛がった。解れた柔らかな孔が開き、源太郎を呑み込んで行く。その強烈な光景と感触は、源太郎を一気に頂点へ昇らせてしまった。

「あ、出てる…!」

 蘭丸はぺたりと座り込み、腰をぐりぐりと押し付けてきた。そんなことをされても吐精を止めることは出来ない。源太郎は蘭丸に乗られたまま、思いがけない解放感から大きなため息をついてしまった。

「すまね、せっかくしてくれたのに、こんなにすぐ…」

「いいえ。落ち込まないで下さい」

 蘭丸は、寝かせたばかりの源太郎の体を腕を引き起き上がらせた。間近で見る蘭丸の顔はより愛らしい。

「痕を付けて下さい」

「え?」

「蘭は、貴方のものですから」

「ん」

 源太郎は首筋に口付けた。吸い付かず、唇を押し当て、優しく愛撫をしながら移動して、胸板に到達すると口を開いてその柔肌を噛んだ。

「ん、んんっ…」

 蘭丸が背筋を弓なりに反らし、膝で源太郎の腰を強く挟む。同時に強く締まって、蘭丸の中で自身が膨張していくのが分かった。

「残った、おらの痕」

「首に着けないのですか?」

「うん。やっぱり、おらのいないとこでお蘭が恥ずかしい思いするのは嫌だ」

「ふふ」

「けど、さっきうなじ噛んじまった」

「髪で隠れますから平気です」

「ん」

 源太郎はもう片方の胸に吸い付いた。また、蘭丸に刺激されて硬度が増していく。

「痛くないか?」

 源太郎は自分の唾液が付いて赤くなった皮膚を舐めた。

「その方が、長く残りますから」

 蘭丸は源太郎の頭を抱いて、源太郎の唇を自分の肌へ誘う。

「もっと、しるしが欲しいです」

「じゃあ、今度はお蘭が寝る番」

「はい…」

 体を繋げたままゆっくり蘭丸の体を寝かせると、蘭丸はぎゅっと脚を巻き付けて源太郎の腰を強く掴まえた。

「おらも離さないから、そんなに力入れんでも平気だよ?」

 源太郎が頭を撫でながら言うと、蘭丸は顔を真っ赤にしながら頷いた。大胆な行動を取ったと思ったら、初々しい反応をして源太郎も戸惑ってしまう。悟られないように温かい肌に顔を埋めた。

「ん…」

 源太郎は蘭丸の腕を上げさせて、脇の窪みに吸い付く。適当に流した洗料の苦味と香りが舌にのり、蘭丸を味わいたくてより強く吸った。
 源太郎は届く位置に繰り返し刻んでいく。桃色がかった白い下地に赤や紫が点々と滲んで綺麗で、仕上りに見とれてしてしまう。

「な、またしてもいいか?」

「ん…」

 蘭丸が膝での拘束を緩め、源太郎は腰を引き、押し付けた。源太郎が弾くようにしながら入り込む度に、蘭丸は喘いだ。二人の体液が中でかき回され、熱を持って前後運動の手助けをしていた。熟れた孔は柔らかさと力強さを持つ絶妙な刺激となっている。

「可愛い…」

 源太郎の呟きも蘭丸の耳に届いてないようで、恥じらいも吹き飛んでしまっているようだ。普段の凛とした表情が同一人物と思えない程、蕩けきった顔をしている。

「んああっ」

 白い飛沫を上げ、蘭丸の声が途切れた。体全身を使って呼吸しているせいで、孔の収縮運動はゆっくりとなった。蘭丸はぼうっとした顔でゆっくり焦点を合わせていた。

「体が動かなくて…」

「うん」

「けれど、まだして欲しいです」

「分かった」

 源太郎は外れないように蘭丸の腿を抑えながら、腰の位置を上げた。蘭丸の尻が浮き、孔が上を向く。

「んんっ」

 蘭丸が敷布を握りしめながら悶えた。内部で圧迫される箇所が変わり、新たな快楽が追加されたのが分かる。源太郎は、蘭丸の腿を抱えたまま抜き挿しを始めた。

「やっああっ」

 蘭丸の声は変わらず大きい。このまま快楽に身を任せて、行けるところまで満たされて欲しい。

「お蘭、中に入ってるの、よく見えるだよ。お蘭のちっちゃい孔が拡がって、すっぽりおらをくわえ込んでるだ」

 この光景も、明け透けな喘ぎ声もこの上ない興奮材料となる。しかし、蘭丸の耳には殆ど届いていないようだ。

「んっ」

 蘭丸の体がびくりと揺れ、源太郎の吐精を促すように痙攣を始めた。蘭丸の腹にくっついた陰茎の先端から、白濁が漏れ出ている。

「くっ」

 源太郎も蘭丸に与えられた刺激で、一気に熱を放ってしまった。どくどく逆流した体液が接続部から滴ってくる。満足して源太郎自身が抜け落ちた孔から溢れ、敷布を汚してしまった。

「お蘭…」

 蘭丸の意識はなかった。荒かった息づかいもいつの間にか深くなって、まだ閉じきらない孔から白濁液が滴っている。源太郎は蘭丸の足を開いて、熱い中へ指を埋めた。蘭丸の腸内は源太郎の体液で満ちていて、指先を少し曲げて掻き出した。中で拡げると抵抗して、源太郎の指に吸い付いてくる。

「……」

 源太郎は役目を果たしたばかりの己自身が持ち上がっていくのを感じた。あまり意識しないようにしても、この状況下で無反応でいられる程老いてはいない。

「んっ」

 蘭丸が眉間に皺を寄せ、うすく瞼を開いた。視線が合うと、蘭丸は顔を両手で隠した。

「すまね、起こしちまっただな」

「何を…?」

「中に出したもん、出してただ。もう終わっただよ」

「…すみません、本来なら自分で処理しなければならないのに、いつの間にか…」

「否、おらこそ無理させちまって」

「違います。本当は、源太郎様が満足するまでしたいです。けれど、蘭には体力がないので…」

「そげんこと」

「なので、蘭の体を使って下さい」

「へ?」

 蘭丸は手を下に伸ばして、くいっと窄まりを両手指で広げて源太郎に見せた。

「体は動かせないですが、ここなら…」

「せっかく中、綺麗にしたばかりなのに」

「外に出せば拭くだけで済みますから」

「お蘭…」

 源太郎は蘭丸の手を取り、口付けた。蘭丸は頬を赤くして黙ってしまった。

「でも、お蘭の体だけ使って、自分だけが満足するのは嫌だ」

「え…」

「やっぱり寝かしてやらない」

「ひゃっ、あうんっ!」

 源太郎は再び蘭丸の中に自身を収め、膝を担いだ。

「おらだけ気持ちよくなるのはなしな」

「あっ…」

 源太郎は蘭丸の見付けた弱点を擦るように腰を突き、屈んで乳首に吸い付いた。顔を上げ、膝を担いだまま手を伸ばし両の乳首を転がしながら蘭丸の内側を穿った。蘭丸は早急に達してしまったようで、快楽に抗いきれず泣き叫んでいる。絞り口はずっと痙攣し、蕩けた目やだらしなく開いた口が可愛いくて、源太郎の勢いは止まらなかった。

「源太郎様、中に…」

「ん?」

「中がいいの、出して…!」

「え?だけど…」

 潤んだ目で懇願され、追い込まれていた源太郎は蘭丸に口付けしながら内側に放出した。
 ぺろりと唾液で濡れた唇を舐めた。蘭丸はまたしても意識を失っていた。源太郎は役目を終えた自身を引き抜き、膝を下ろす。まだ蘭丸の中に体液が残っているが、また目を覚ましてしまいそうで、処理をするのを止めた。
 源太郎は蘭丸の隣に体を横たえた。寝顔が可愛く、頬を撫でた。

「なあ、なしてお前は…」

 源太郎がどんなに酷く、情けないことをしても蘭丸は許してくれる。どうしてこの子は、ここまで己を深く愛してくれるのだろうか。

「おらも、そうなのかな…」

 源太郎は二人の体が隠れるように布団を掛けて、互いの行為の匂いが強く残った空間で目を閉じた。





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