妄想、愉悦。


弐拾玖


   


 翌日、蘭丸は養生所でいつものように働いた。源太郎は徐々に症状が落ち着いているものの、熱はまだ下がらず、家で休ませている。康太郎らに促され昼休みに帰宅すると、源太郎は庭で薪割りをしていた。

「あっ」

「んっ?」

 見つけた蘭丸が声をあげると、源太郎が振り向いた。目が合い、気まずそうに持っていた鉈を後ろ手に隠した。蘭丸は怒りを眉尻と眉間にのせてつかつか歩み寄った。

「源太郎様、何をなさっていたのですか!?」

「補充分がなくなってたから、ついな。わっ」

 蘭丸は源太郎の肩を引き寄せ、背伸びをしながら額同士を合わせた。

「まだ熱いじゃないですか!それに、薪は竈に足してあります」

「否、布団、湿ってる気がしてな、干したらもう横になれんし」

 物干しには布団と濡れた敷布が並んで干してある。

「幾ら症状が落ち着いたからと言っても、そんなにすぐに働いたらぶり返しますよ!?」

「すまね…」

 蘭丸は布団に触れてみる。日光をたっぷり吸ってふかふかとしている。布団を物干しから引きずり下ろして抱え、もう片方の手で源太郎の手首を引いて家に入った。板間には今朝蘭丸が洗って干しておいた敷布が畳んである。蘭丸はすぐに布団を敷いて敷布で覆った。

「退屈なのは分かります。けれど、回復を待たずにいてはすぐに振り返して、また休む羽目になります」

 源太郎はばつの悪そうな顔をして、素直に布団に横たわった。

「源太郎様、粥を温めます故…」

「鍋の残りならもう食べたよ」

「食欲が戻ったのですね?」

 蘭丸が身を乗り出して源太郎の顔を覗き込む。源太郎は優しく目を細めて笑いながら、蘭丸の頬に手を当てた。

「ああ。昼の鐘が鳴る前に、腹が減ったから食っちまった。苦くってあんまり旨く感じなかったが」

「喉や頭は痛みます?」

「少し」

「でしたら、やはり休んでいただかないと」

「分かった」

「その前に、お薬を飲んで下さい。また調合し直して頂きました」

 蘭丸は懐から小さな紙の包みを出した。

「じゃあ、飲ましてくれ」

「……」

 源太郎の言葉に、蘭丸は頬を膨らませてそっぽを向いた。

「調子に乗って悪かった。怒らんでくれ」

 源太郎は後ろから蘭丸の肩を抱いて蘭丸のこめかみに頬を寄せる。

「蘭は本当に心配しているのに、そんな風に気持ちを利用するのは狡いと思います」

「本当にごめんな。ちゃんと飲むから」

 源太郎は蘭丸のこめかみに口付け、蘭丸の手から包みを取った。

「お蘭は昼済ませたんか?」

「いえ、私も家で頂こうかと。康殿が包んで下さいました。良かったら一緒に食べましょう」

「いいだか?」

「はい。お腹の調子も良さそうですし。康殿も見越して沢山入れて下さって」

「うん。食べる」

 源太郎は布団から出て座布団に腰を下ろした。




 昼食を終え、源太郎の薬を飲ませて後片付けをする。蘭丸は明日の準備を始めた。

「何してるだ?」

 布団の上で源太郎が訊ねた。

「明日の教材作りです。この為に先生は午後は休んでいいと言って下さって。本来なら昨日のうちに取りかかるべきでした」

「教材って、また明日、寺へ行くつもりか?」

「はい」

 蘭丸が当たり前みたいに返すと、源太郎は怪訝な顔をした。

「犯人は捕まりましたし、心配はないと思いますが」

「だが、神隠しの話を知っちまった」

「行方知れずになるのは女性ですし」

「……」

 源太郎は口を閉じた。視線を落として敷布に作られた皺を見つめている。

「源太郎様が、お嫌だと思うのなら…」

「ううん、行っていいだよ」

「え?」

 蘭丸の言葉を源太郎は返事で遮った。源太郎は布団に横たわる。

「一昨日も、生きた心地しないぐらい心配になった。もうこんな思いはしたくない」

「源太郎様…!」

 蘭丸は枕元まで駆け寄って、腰を下ろして源太郎の顔を覗き込む。

「でも、こげんことでお蘭の楽しみを奪っちまうのはいけないな」

「けれど、蘭が寺へ通うと源太郎様が不安になるのでしたら…」

「離れてる時はいつだって不安だよ。だが、このままじゃあ駄目だ」

 源太郎は蘭丸の頬を撫でながら微笑んだ。

「源太郎様…、私、自分の身を守れるように強くなります」

「十分強いだろ。ただ、敵意を持った相手にはすぐ気付かなきゃならねえ」

 敵意を持った相手に気付く。源太郎は蘭丸以上に不得手な気がするが、敢えて口にはしなかった。「善処します」と答えると、源太郎は蘭丸の頭を撫でた。




 教材作りと夕餉を終えて、蘭丸が食後の後片付けをしている間に源太郎は再び眠っていた。源太郎は食欲は戻っているものの、熱はまだ下がりきっていない。このまま眠らせることにしよう。蘭丸は音を立てないように風呂の準備をした。
 浅い湯に腰まで浸かって体を洗っていると、背後で衣擦れが聞こえた。振り返ると、源太郎がむくりと起き上がっている。

「起こしてしまいましたか?」

「湯を移してる時にな」

「ごめんなさい。音を立てないように注意はしましたが、やはり煩かったですね」

「昼も寝たし眠りが浅かっただけだよ。それより」

 源太郎は布団から出て土間を降り、草履を足に嵌めた。

「肌、強く擦ったら駄目だよ」

「え?」

「背中、赤くなってる」

 源太郎は蘭丸の手から手拭いを奪った。

「おらが洗うから」

「服が濡れてしまいます」

「着替えるからいいだよ」

 源太郎はたらいの湯で手を濡らすと、その掌に洗料の粉を落とした。慣れた手付きで溶かして、蘭丸の肌に撫で付ける。源太郎の掌は蘭丸の腰や足の裏を温めている湯よりも熱い。

「随分大人しいな。寝てろって叱るかと思っただ」

「叱ったらやめて下さいますか?」

「やめはしないなあ」

 源太郎は笑った。たらいを跨いで蘭丸の目の前に来て蘭丸の顔や胸や腕を洗って行く。

「いけん…」

 源太郎が呟いて、ため息をついた。

「何か?」

 源太郎は蘭丸の肩から湯を掛けて洗料を流すと、手拭いで蘭丸の肩を包みながら抱き締めた。

「源太郎様、濡れて…」

「毎日してるのに、裸のお蘭を見たらどきどきして、抑えらんなくなる…」

 蘭丸は源太郎の肩に手を置いて、ゆっくり離した。

「か、体を洗っている時に気付きませんでしたか?」

 源太郎の手を取り、自分の胸に当てた。

「蘭も、こんなに早くなっていますよ」

 源太郎の顔がかっと耳まで赤くなるのを見て、蘭丸は堪らなくいとおしくなった。お互い、この夜に自重することは出来るのだろうか。

「源太郎様、ここに」

 蘭丸は目の前にある板間に手を置いた。源太郎はたらいを跨ぎながら其所へ腰を下ろした。蘭丸はごくりと唾を飲んで、目の前の裾を広げると、下帯の中が苦しそうに膨らんでいた。それを見て、蘭丸は嬉しくなってしまった。中身を取り出し、先端を口に含むと、先走りが口内に広がり、吸い上げて飲み込んだ。源太郎は内腿を震わせながら息を吐く。

「ん…、くぅっ…!」

 源太郎の小さな喘ぎが、蘭丸の立てる水音と重なる。蘭丸は濡れた手で大きな袋を握り、揉みしだく。

「ああっ!」

 何時もより苦しそうな声と共に精を蘭丸の口内に吐き出す。普段と変わらない濃さと量に蘭丸は戸惑いながら受け止めた。精を溢さないようにゆっくり源太郎のものを口から出した。

「お蘭、ここに出して」

 源太郎が蘭丸の顔の前に掌を出した。蘭丸が手で口を抑えながら首を左右に振ると、「いいから」と言って手の中に唾液の交ざった白濁液を出させた。

「いつも、こんなに飲んでるだな」

 手を見つめながら蘭丸の腕を引っ張る。蘭丸は立ち上がり、源太郎に促されるまま板間にのり、源太郎に跨ぐような体制で膝をつく。源太郎は蘭丸の腰を支えながら、後孔を近くの小さな袋ごと掌を撫で付けると、ゆっくり指を忍ばせ、先を埋め一気に根元まで押し入れた。

「んあっ」

「なあ、お蘭、風邪だからって、口だけでお預けなのはなしだよな?」

 源太郎は内壁をなぞり、急所を指の腹で突いた。

「あっ」

 蘭丸は膝を崩しそうになり、源太郎の肩にしがみついた。

「一日空けただけでこげん狭くなって…」

 源太郎はゆっくり二本目の指を挿し入れた。

「ほら、力抜いて…」

 蘭丸の呼吸に合わせて、源太郎の指が蠢く。密度が上がり際どいところに触れて、また体がびくりと揺れる。

「ぎゅうぎゅうだな。痛くないか?」

「力、抜いたら、崩れてしまいそうで…」

「確かに、ここだと危ないな。布団行こ」

「はい…」

 蘭丸は腰を上げて、源太郎の肩に掴まりながら立ち上がった。その時、硬くして持ち上がっていた先端が、ぺちんと源太郎の頬を叩く。

「す、みません…」

 源太郎の反応を確かめるのはあまりにも恥ずかしくて、蘭丸は源太郎の横を通って手拭いを拾った。

「何してるだ?」

「布団が濡れてしまいますから…」

 蘭丸は脚や腰の水滴を取ってから、布団に横たわった。源太郎もその湿った布で右手の汚れを拭い、蘭丸の体に被さって頬に口付けをした。

「お蘭の肌はつるつるだな」

「源太郎様の肌は…熱いです」

「ん…」

 唇同士が重なり、舌を絡ませて吸い合った。源太郎はより強く、蘭丸の口内に舌を押し込んでくる。源太郎はどこもかしこも蘭丸よりも熱く、溶かされてしまいそうだ。息苦しさに呼気が漏れると、源太郎は顔を上げ、首筋に唇を移動させた。痕を付けられたら…と思っていると、源太郎の唇は肩へ行って、歯を立て吸い付いた。

「あっ」

 痛みを感じる寸前で唇は移動し、小刻みに痕を残さない弱さで甘く吸い付く。そして、「可愛い」と呟きながらつん、と指で乳首をつつくと、硬くなっていた粒がよりくっきりと形付いた。そこに源太郎の舌が触れ、甘く噛まれる。蘭丸の擦り合わせた腿の間に手を入れ、尻肉に指を忍ばせた。

「あっ」

 源太郎は二本の指を埋め、天井に擦り付けた。

「あっ、ああ…!」

 込み上げて来て、そのまま吐き出した熱が互いの肌を汚した。蘭丸の息は上がり、目が潤んで視界がぼやけていた。

「うん、柔らかくなったな」

 源太郎は指を抜き、顔を上げて蘭丸の脚を担いだ。

「源太郎様、一度だけですよ?」

「一回だけ?お蘭、しんどいだか?」

「違います!…源太郎様の体調を考慮してのことです」

 言っていて何と愚かしいと思ってしまった。源太郎の体調を本当に考慮するならこんな流れになっているはずもない。蘭丸は唇を噛んだ。すると、源太郎に下唇を捲られる。

「どうした?」

「蘭はどうしようもないです。源太郎様は高熱を出して、皆様に心配をかけているのに、それなのに、我慢出来ずに源太郎様を欲してしまって」

 蘭丸は両手で顔を押さえた。

「それは、嬉しい…だなっ」

「んあっ」

 源太郎が先端を宛がい、一気に貫いた。指だけでは及ばない太さと長さで、中を圧迫した。

「柔らかい。だのに、きつい」

 達して間もなかったこともあって、敏感になっていた箇所に強い刺激が加わった。源太郎は蘭丸が顔から離してしまった手を取り、自身の肩へまわした。

「あっ、あっ」

 源太郎はいつもと変わらない速度と勢いで抜き挿しを始めた。熱が高いぶん、激しさが増している気がする。

「くっ…」

 源太郎は腰を大きく引き、蘭丸の中から抜くと、蘭丸の腹の上に白を重ねた。息を整えて、蘭丸と視線を合わせて、口角を上げる。これは、意地悪な笑みだ。

「何故、中に下さらないのですか?」

「中が良かったか?」

「あ…」

 出したばかりなのに、源太郎の股間は反応を残していた。源太郎は自分のものを握り、角度を持った蘭丸のものとくっつけた。

「ひゃっ」

 大きな手で重ねた二本を同時に擦り出した。既にびしょ濡れで、素早くさせている。

「お蘭、このままいくか?」

 源太郎は手の上下運動を続けたまま訊ねた。煽られ続けた蘭丸は上手く言葉が出ず、首を横に振った。

「お蘭の尻、ぽっかり空いてたのに震えて絞まってるだよ。ここに欲しいだか?」

 恥ずかしい。蘭丸はまた両手で顔を隠した。源太郎は手を止め、ぎゅっと根元を握る。顔を下げ、唇を蘭丸の耳へ近付けた。

「なぁ、中が良いだか?」

 何て熱い息だろう。耳を溶かしてしまいそうだ。

「なあ、お蘭?」

「か、が、いいです…」

「でも、二回目になっちまうだよ?」

「……」

「いいだな?」

 蘭丸はこくこく頷いた。源太郎がゆっくり手を解放すると、すっかり硬さも角度も戻っていた。この猛々しい出で立ちのものが、また自分の中をかき回すのだ。蘭丸は、手で口を隠したまま固唾を飲んだ。

「んん…」

 穴を塞がれ、また体を重ね合わせる。今度は被さってきた源太郎の体を抱き締めた。

「あっ、あっ、あぁっ…!」

 抜き挿しが始まると、既に快楽に呑まれて、蘭丸は声を上げる。一度解放したせいで、先よりも自我が曖昧になった。溶け合って源太郎と同じ生き物になってしまったようだ。

「んああっ…」

 そう時間を空けずに絶頂が来て、蘭丸は足を源太郎に巻き付けた。達し、痙攣した後力が弱まると、源太郎は蘭丸の体を布団に抑え付けたまま上体を上げる。

「いっぱい出しただな」

 蘭丸の上下に動く腹の白い水溜まりを見つめながら言った。そして、また腰を激しく揺すった。

「あ!」

「中に欲しいって言っただな?」

 達したばかりで敏感な内部がまた擦られる。

「そ、そんなにされたら…」

「凄いだよ、お蘭の中がずっと震えてる。蚯蚓が這ってるみたいだ」

 源太郎の息は上がり、そして杭は熱く、しかし勢いが止むことはない。引き戻された蘭丸は幾つも絶え間ない山を越え、もう限界だった。

「お蘭、食い縛るな、歯が割れちまう」

 源太郎は口付け、舌を挿し入れた。源太郎の舌を噛む訳にもいかず、蘭丸は口を開いた。

「ああっ…!」

 源太郎の舌が離れ、蘭丸は噛む代わりに声を上げた。甘く、情けなく淫らな声が自分の耳に張り付き、合間に源太郎の喘ぎが混ざる。源太郎が蘭丸の頬に手を当て、何かを口にしているが、視界がぼやけて分からなかった。



「…はっ…」

 蘭丸が我に返ると、源太郎の体が重くのし掛かり、体内には源太郎の吐き出した精が溢れていた。 蘭丸は源太郎の体を仰向けにした。源太郎は薄く目を開けて、定まらなかった目で蘭丸を捉えると微笑んだ。意識はあるようだ。

「お蘭、目、覚めただな」

「え?」

「意識跳んじまったかと思って」

「わ、私も…」

 話して、自分の声が掠れていることに気付く。

「私も、源太郎様がまた意識を失ってしまったかと」

「うん。気持ち良すぎるし、お蘭も可愛すぎてな」

 源太郎は蘭丸の頬を撫でた。

「源太郎様、先に…おんなじことを仰いましたか?」

「うん。可愛いって言っただよ」

「……」

 蘭丸の頬が熱くなる。この人はどれだけ無意識に蘭丸を喜ばせるのか。

「また恥ずかしいだか?」

 蘭丸の顔を見ながら、源太郎はにやにや笑った。蘭丸は顔を背けた。

「体を拭きましょう」

 源太郎は起き上がろうとする蘭丸を引き止め、布団へまた押し倒した。

「駄目だよ。した後お蘭はまともに歩けない。転んで怪我でもしたらどうする?」

「けれど、随分汚れていますし」

「いいよ。今夜はゆっくり眠って、明日朝早く起きて、体を洗えば」

「そうですね」

 蘭丸は頷いた。すると、源太郎は蘭丸の両足を開いた。だらだらと源太郎が出した精が溢れているのを見られて、蘭丸はまた顔を赤くしてしまった。

「中は綺麗にしよう。凄いな。おら、いつもこんなに出してるんだな」

「だ、駄目です。まだ体が敏感で、触られたら、感…」

 蘭丸ははっと口を閉じた。

「かん?」

「感じ易くて…」

 源太郎は嬉しそうに顔を綻ばせた。

「いいだよ、またしたくなったらすれば」

「また中で欲しがったら?」

「してやるよ?」

「それではきりがないではないですか」

「何時もみたいにお蘭が意識失ったら中洗ってやる」

「源太郎様はまだ熱が引いていないのですよ!?そんなにしたら…あっ」

 源太郎は蘭丸の言葉を遮るように濡れた孔に指を埋めた。ぴちゃりと粘膜を鳴らして中で角度をつけて粘液を掻き出した。

「足閉じたら駄目だよ」

「んんっ…」

 蘭丸は顔を隠した。

「お蘭、力入ってるだよ。指、締め付けて…」

 蘭力は深呼吸をした。ゆとりが生まれたのか、源太郎の指が中でずれて、熱い液と共に引き出される。

「ひあっ…」

 声を我慢したら、また力が入ってしまいそうで、蘭丸は口を開いた。

「あ…んっ!?」

 源太郎が蘭丸に口付けた。舌を押し入れて咥内を舐め回し、指はまだ中で蠢いている。蘭丸の意識は段々とぼんやりしてきた。

「あ…」

 ちゅっと音を立てて唇が離れると、源太郎は顔を上げて微笑む。

「よく頑張っただな」

 源太郎は指を抜き、汚れた箇所を拭いた。孔の上の敏感な膨らみを湿った布が掠める。源太郎は立ち上がって、土間へ移動した。風呂用の湯を洗い桶に移している。

「……」

 全身が熱く疼き、甘く痺れている。蘭丸は深呼吸して、源太郎を見上げた。蘭丸は尻たぶに手を伸ばし、肉を外側に拡げた。

「源太郎様、蘭のここは、どうなっていますか?」

「え!?」

 源太郎は腰を下ろし、蘭丸の視界からいなくなった。

「えと、ひくついてる。呼吸に合わせて小さく拡がって…、だが、柔らかそうで…」

「今、頭も体もぼんやりしていて、ふわふわしています。夢の中にいるみたいで」

「な、なら気持ちよく休めそうだな」

 顔が見えずとも、源太郎の声は感情を隠しているのが分かる。

「源太郎様も、同じようになって欲しいです」

「お蘭…」

 源太郎が顔を上げ、視界に戻った。頬を染めて微笑んでいる。

「有難うな」

 源太郎は蘭丸の膝小僧に口付け、両の太腿を掴んで身を引き寄せた。今度は源太郎の濡れた先端が蘭丸の内腿をぺちんと叩く。

「指でほじってる時も反応しっぱなしだったって気付いてただか?」

「いえ…。蘭がこんなだから、源太郎様も同じだったらいいなあって」

「そうだか」

 源太郎が中に埋まってきた。ぴったり肌を密着させてから、源太郎が体を倒して抱きしめてくる。

「凄い。お蘭の中ひくついて、少し、このままでいいだか?」

 蘭丸は源太郎に顔をくっつけたまま頷いた。

「口吸いしよ」

「ん…」

 蘭丸は目を閉じて唇を受け入れた。自ら返したかったが、体に力が入らずにされるがままになっている。源太郎の唇は耳朶や首筋を移動していく。

「はぁ…んっ」

「お。今な、ずっと柔らかくうねってたのに、乳首触ったらきゅってなった」

「私も、ずっとふわふわしていたのに、急に鼓動が…」

「どれどれ。確かに速い。だが、おらもこれくらいだな」

 源太郎に乳首を弾かれて、蘭丸は力尽きた体を捩った。源太郎は左右を舐めてから、蘭丸の脇に手を入れて両の乳首を親指で押し潰した。

「乳首、触りながら動いてやる」

「あっ」

 抜き挿しが始まった。色んな感覚が快楽に支配されてしまっている。触れているのは乳首と内側だけなのに、全てが源太郎に覆われ、包まれているようだ。

「あ、ああー!」

 自分の声がやたら煩く響いていた。






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