《『ファイアウォール・ドラゴン』の効果!このカードと相互リンクしているモンスターの数まで、フィールドか、墓地のモンスターを持ち主の手札に戻す!ファイアウォールと相互リンクしているのは一体!》

だがヴァレルロードは効果の対象にはならない。
そしてPlaymakerが定めたのはマグナヴァレットだが、やはりマグナヴァレットも効果の対象になった際にあの効果を発動するようだった。
ここでファイアウォールを失えば本当に後がない。

《俺は墓地の『サイバネット・リフレッシュ』を除外して、効果発動!自分フィールドのサイバース族リンクモンスターはこのターン、他のカードの効果を受けない!》
《だがマグナヴァレットのもう一つの効果発動!戦闘・効果で破壊された時、墓地に送られたターンの終わりに自身以外のヴァレットモンスターをデッキから特殊召喚する!…私はこれでターンエンドだ》

「…『天火の牢獄』は破壊できたけど、既にPlaymakerは追い詰められている。次が勝負のターンね」
「Playmakerの手札は0。あのドローに全てを賭けるしかない」
「随分冷静ね?貴方の相棒が大ピンチなのよ」
「…ここで全部終わってしまうなら、俺達の足掻きは、その程度だったって事だよ」

10年間、死に物狂いでここまでやっとたどり着いた。
其の10年を全て散らせるか、次の一歩に繋げるかは、全てあのドローにかかっている。
例え駄目だったとしても、ハノイが俺を狙う限りまだ俺というカードを切る事が出来る。

(……随分ハノイに執着してるのね)

《俺のターン!!ドロー!!》

Playmakerの渾身のドローだ。
ドローしたカードを見て、彼の眼の色が変わる。

《俺は手札から、永続魔法『バトル・バッファ』を発動!相互リンクしているエンコードとファイアウォールがいる限り、アネスヴァレットとマグナヴァレットの効果は、封印される!》
「…!よし!ヴァレルロードの弾丸を封印できた!」
《バトル!『ファイアウォール・ドラゴン』で、『ヴァレルロード・ドラゴン』を攻撃!》
《馬鹿な!攻撃力が低いファイアウォールでヴァレルロードを攻撃するだと?》
《この瞬間、エンコードの効果発動!このカードのリンク先のモンスターは戦闘では破壊されず、ダメージも受けない!》

しかしヴァレルロードの攻撃力は3000、ファイアウォールの攻撃力は元々2500なのをサイバネット・ユニバースの効果で2800まで引き上げられ、それでも200攻撃力が足りない。
何があるのか。
ファイアウォールの攻撃を受けてもヴァレルロードはやはり健在だ。

《この瞬間、エンコードの更なる効果!ファイアウォールの攻撃力は、ヴァレルロードの攻撃力分だけアップ!そして永続魔法『バトル・バッファ』の効果!このカードにバトルバッファカウンターを一つ乗せる!そのカウンター一つにつき、自分フィールドのサイバース族モンスターの攻撃力は、700アップ!》
『エンコードの攻撃力が、ヴァレルロードの攻撃力を上回った!』
《そういうことか…!》
《行け、『エンコード・トーカー』!『ヴァレルロード・ドラゴン』に攻撃!》
《『ヴァレルロード・ドラゴン』の効果、アンチエネミー・ヴァレット!1ターンに一度、モンスター一体の攻撃力・守備力を500ダウンさせる!この効果は相手ターンでも発動できる!この効果に対して、相手はカードを発動できない!返り討ちにしろ、ヴァレルロード!!》

攻撃力を下げるのは当然、エンコード・トーカーだ。
攻撃力を下げられ200足りないエンコードは破壊され、Playmakerも200のLPダメージを負った。
これでPlaymakerのLPは400。一方でリボルバーは無傷の4000。

《だがこの瞬間、永続魔法『バトル・バッファ』の効果!バトルバッファカウンターを一つ置く!これで、ファイアウォールの攻撃力は更にアップ!》
《だが、これでお前の場の相互リンクは無くなった。よって、バトル・バッファの効果封印は消滅、アネスヴァレットとマグナヴァレットの効果が復活する!》

「Playmakerの場にはもう攻撃できるモンスターが残っていない…次のターン、リボルバーがマグナヴァレットの効果でファイアウォールを除去すれば、Playmakerにリボルバーの攻撃を防ぐ手立てがないわ」
「いや……」

《どうやら勝負はついたようだな。お前のターンの攻撃はもう終わりだ》

まだだ。まだ終わっていない。
まだ彼は力を出し尽くしていない。まだバトルは終わっていない。

《「それはどうかな!」》

ヴァレルロードの効果はもう使えない。
攻勢に出るには、このチャンス以外もう存在しない。

《俺は墓地にある『リコーデッド・アライブ』を除外して、効果発動!!甦れ、『デコード・トーカー』!『デコード・トーカー』の攻撃力はリンク先のモンスター一体につき、500アップ!リンク先に存在するのはお前のヴァレルロード一体!》
『まだまだ行くぜぇ!フィールド魔法『サイバネット・ユニバース』の効果で、『デコード・トーカー』の攻撃力がアップ!』
《さらに永続魔法『バトル・バッファ』の効果!カウンター一つにつき、サイバース族リンクモンスターの攻撃力が700アップ!よって、『デコード・トーカー』の攻撃力は1400アップ!!行け、『デコード・トーカー』!!ヴァレルロードに攻撃!!》
《罠発動『ヴァレル・レフリジェレーション』!!私はアネスヴァレットをリリースする事でヴァレルロードにこのカードを装備する。これによりヴァレルロードは自分フィールドのモンスター一体を選び、戦闘及び効果の破壊を防ぐ効果を得る!私が選ぶのは当然、マグナヴァレット!この瞬間、マグナヴァレットの効果!リンクモンスターの効果の対象になった時、自らを破壊し、フィールドのモンスターを一体、墓地に送る!!私が墓地に送るのは『デコード・トーカー』!!》

デコード・トーカーは墓地に送られた。
再びフィールド上は、ファイアウォール一体だけとなる。

《…今度こそ勝負はついたな、Playmaker。お前のフィールドに残っているのはファイアウォールだけ。パワーアップはしているが、既にその攻撃は終わっている!お前の手札はゼロ、そしてLPは僅か400!次の私のターンで、お前の敗けだ!!》
《いや、俺は敗けない!俺…いや、俺達には、絶対に勝たなければならない理由が三つある!…一つ、俺達はお前達を破滅させ、10年前の真実を突き止める!二つ、そして俺達は、失った時間を取り戻す!…三つ、俺達は、俺達を助けてくれた友を救う!!》
《……10年前……三つ………まさかお前は、…お前達は、10年前の事件の…!?》
「!!」

俺は思わずリボルバーの言葉に立ち上がった。
知っている。奴は間違いなく知っている。10年前の事件の事を知っているんだ。
やっと、やっとここまで来た。俺達を知っているという事実まで漕ぎ着けた。

《そうさ。……俺達はその、復讐の使者だッ!!!!》

頭が、沸騰しそうだ。
目の前に、奴らがいるという事実を再確認して。

「………ゆるさない、………」

憤怒に震える声で、俺はただそう呟くだけだった。




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