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ウウ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!
「ブッ!?」
「警報!?」
人がうどんを食ってるときになんだ?地震か!?
麗日の味噌汁がこちらまで飛んできた。
《セキュリティ3が突破されました。生徒の皆さんは速やかに屋外に避難してください】
アナウンスが流れる前に、人の波が入口へと押し寄せてくる。
その間に飯田がその場にいる適当な先輩に問うた。
「セキュリティ3て何ですか!?」
「校舎内に誰かが侵入してきたって事だよ!三年間でこんなの初めてだ!!君らも早く!!」
「いてえいてえ!!」
「押すなって!」
「ちょっと待って倒れる!」
「押ーすなって!!」
す、すごい波だ。
瞬く間に押し流されてしまう。
「いたっ!!急に何!?」
「流石最高峰!!危機への対応が迅速だ!!」
「迅速すぎてパニックに…」
「あっ!!?ちょっ」
「「栂野さぁーーん!!!」」
「栂野くーーーーーんッ!!!!」
どんどん流されて三人から遠ざけられてしまう。
あっという間に引き離され、揉まれて踏まれてもみくちゃだ。
少しでも窓に近い所に行けたため、外を確認する。報道陣が校舎に詰めかけ、相澤とプレゼント・マイクがそれを押しとどめているのが見えた。
(どうして報道陣が此処まで?確か雄英って、厳重なセキュリティで強固な門が配置されるはずじゃ…それを超えて来たって言う事?)
窓から見えるプレゼント・マイクの顔と相澤の顔は見事にげんなりしている。
おい目が据わってんぞ双方。個性ぶっ放すんじゃねえぞ。
「ぅぐ、ぐ…!」
圧迫されて本当に苦しい。
息が出来なくなってきて、どうしようか思考も回らなくなってくる。
どうしよう。流される。
余りの人波に足もつかなくなって、今度こそ流されるかと成す術もなくなっていた時だった。
「ッ、うわ!?」
誰かにグイ、と袖口を引かれた。
人波に下手に逆らう事なく、だが本流からゆっくりと逸れていくように誘導され、あっという間に人の波から脱出した。
漸く息が出来て噎せ返るように呼吸をする。
息がようやく整ってきたところで、誰が助けてくれたんだろうと俯いていた顔を上げた。
(――――え、)
再び、今度は驚きで息が止まったかと思った。
特徴的な左右色の違う目と髪。
忘れもしない、するはずがない。
昨日お互いに屋内戦闘でぶつかり合った、轟焦凍だったからだ。凍えるような目は幾分か形を潜めて、こちらを見ていた。
轟が、助けてくれた?
「…?あ、ありがとう…?」
「…………」
「………え、えっと「皆さん……大丈ーーーーーーーー夫!!!!!!!!!!」ヴァ!!?」
突如響き渡ったこの張りのある声。
先程聞いた飯田の声だ。声を追った先にいたのは非常口の標識の上に張り付いてまるで非常口のような姿勢を取っている大変インパクトのある、一度見たらなかなか忘れられない飯田の姿だった。
なんだあれ。めっちゃ面白い。
「ただのマスコミです!!何もパニックになる事はありません大丈ー夫!!ここは雄英!!最高峰の人間に相応しい行動をとりましょう!!」
うん。すごく素晴らしい演説だとも、飯田。
だがな。
その非常口姿勢死ぬほど面白いから勘弁してほしい。内容が入ってこない。
何であんな姿勢になったんだろう。
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