【今日、行くから─】

【準備して 待ってて─】

四月一日が目を開く。
「今の、が?」

それは、門の外から聞こえた子供の声。
何やら遊ぶ約束でもしていたようだ。
そんなものが、兆しになるのだろうか──?

「あのう 意味、全然分かんないんすけど」
聞いた本人にもちんぷんかんのようだ。

しかし、侑子は違う。
ゆっくりと腰を上げ、淡々と呟く。

「そう、今日なの」

『えー?何?何?』
「いや だから、分かんねぇんすよ マジで」
戸惑う2人を気にもせず。


「……用意しましょう 迎える用意を」


そして、侑子はリノに向かい

「宝物庫にいらっしゃい」

そう言って、店の中へ戻って行った。
『え なんだろう…』
リノも後に続いた。






───宝物庫。

「リノ、これを」

侑子は包みを差し出した。

『…これは?』
「着替えていらっしゃい」
促されるままに宝物庫を出る。

「準備が出来たら 庭へ」
『わ、分かった…』

何が何だか分かっていないが、いつになく真剣な表情の侑子に従い、包みを抱えて部屋へと急いだ。