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突然の来客



珍しくそいつは俺を褒めてきた。


「マダラって顔がいいよね」


憎き扉間から渡された書翰に目を通していれば、窓から兎さながらに跳ねるようにして顔を覗き込ませてきたそいつ。仕事の邪魔をするつもりなのかと知らず知らずのうちに眉間に力がこもってしまう。


「なんだ突然。暇なら砂利の相手でもしていろ」


「暇っていうわけじゃないんだけど、いや、ただなんとなくそうだなぁって」


「次話しかけてきたら燃やす」


「扉間と同じこと言うんだねマダラ」


誰があんな男と一緒だ、心外甚だしいぞ。俺はあれほど卑劣でも陰険でもない。あれと一緒くたにするな、お前であっても殺すぞ。


「ごめんて。まあいいや、じゃあいくね」


悪びれる様子などない飄々とした笑みを浮かべて窓から身体を離した。急にやってきては用もなくすぐに帰る、ほんとうに何がしたいんだこいつは。