ジゼル料理長


黒の拠点では交代制で料理当番が回ってくる。

「今日の飯当番、ジゼルか」

「え? マジで? 大丈夫なの?」

「お前ら俺に対する信用なさすぎない?」

「だってさぁ、お前普段自分の分しか作らねぇじゃん」

「いや、俺に作らせるよりお前らが作ったほうがいいだろ?」

「正論すぎてぐうの音も出ねぇ」

しかし、この日は仕方なくジゼルが食事を作ることになった。

30分後——。

「おい、ジゼル……このスープ……」

「…………」

「なんかやたら色濃くない?」

「うるせぇ、黙って食え」

団員たちは警戒しつつも口に運ぶ。

「……あれ? うまい」

「へぇ……意外と料理上手じゃん」

「……まぁ、一人暮らし長かったしな」

「ほぉ〜〜〜〜……?」

団員たちの視線がニヤつく。

「なんだよ」

「お前、兄貴が全部世話してたわけじゃなかったんだな〜〜?」

「うるせぇ!!!」

ジゼルは耳を赤くしながら、団員たちにスープを投げつけようとしたのだった。


あさぼらけと一等星