不器用な兄と妹と見守り隊
3.ノエルの成長を見守るジゼル
ある日の訓練中。
「ノエル!! そこだ!!」
「はっ!」
ノエルの魔法が的確に敵役の団員に炸裂する。
「おお、やるじゃねぇか」
「へへ……」
ノエルが嬉しそうに笑うと、ジゼルは彼女の頭をぽんぽんと撫でた。
「ノエル可愛いな〜〜! 100点満点!!」
「きゃっ!? ちょっとジゼル兄様!!」
「いやぁ、ノエルは頑張り屋さんで偉いなぁ」
「なんかお前、ノエルにだけ甘くね?」
「うるせぇ、お前らはもう手遅れなんだよ」
「どーいう意味だよ!!」
団員たちが不満を漏らす中、ノエルはくすぐったそうに笑った。
「でも、ジゼル兄様がこうしていてくれるの……嬉しいです」
「…………」
ジゼルは一瞬だけ目を伏せた。
「……俺も、ノエルとこうして話せるのは、嬉しいよ」
そう呟いたジゼルの表情を見て、団員たちはやはり思うのだった。
(こいつ、なんだかんだで家族好きだよなぁ……)
4.ジゼル vs 酒宴
黒の拠点では夜になると酒宴が始まることが多い。
「おいジゼル、今日は飲むぞ!!」
「うわ、またかよ……」
「お前、意外と酒強いよな」
「昔からちびちび飲んでたからな」
「兄貴の監禁中に?」
「そうだよ」
「マジかよ……」
酔っ払いながら会話する団員たち。
しかし、ジゼルがしばらくして席を立つ。
「ん、ちょっと外の空気吸ってくるわ」
「ああ、逃げんなよー!」
「逃げねぇよ!!」
外に出たジゼルは、夜風に吹かれながら煙草を吸った。
「……ほんと、ガラの悪い連中だよな」
そう呟きながら、少しだけ笑う。
「……まぁ、嫌いじゃねぇけど」
そんな彼を見つめる団員たちは、口々に言うのだった。
「……なんか最近、ジゼルも黒に馴染んできたよな」
「うん……すげぇ、自然に笑うようになった気がする」
「いいことじゃね?」
ジゼルはそんな団員たちの言葉を聞こえないふりをしながら、夜の空を見上げた。