相棒 2

そして、私は手に刀剣を持っていた。

「あの、桜庭さん…この刀は…?」

「ああ、これから貴方の身を守り、貴方と共に戦ってくれる刀剣の付喪神様ですよ」

刀剣の付喪神…永らく人間に愛され、祀られてきた刀剣が人の想いに応え神として姿をとった存在、らしい。


「敵は複数である可能性も高いですからね。時の政府の人間だとバレたら、貴方の命を狙ってくる可能性もある。身を守る手段として、大切な貴方の相棒です」

「あ…もしかして、先ほど玉鋼の量がどうのーと聞いてきたのは関係あるんでしょうか?」

「はい。鍛刀する上での刀の材料の量です。その量によって鍛刀される刀の種類が変わるんですよ」

そうだったのか…適当に言っちゃったよ。

「その大きさだと、おそらく太刀ですね。これから顕現を行うので、また場所を移動しますよ」

「あ、はーい…」

けんげん?だとか、なんとか…なんだかいろいろと、一気に説明をされていてついていけないが…私はスタスタと歩いていく桜庭さんの後を急いで追いかけた。




「ささ…どうぞ」

「ああ、えっと。はい。」

桜庭さんに連れてこられたのは、神聖な雰囲気のする場所だ。赤い鳥居があってその下には丸い台座がある。

その横に巫女の装束に似た服をきた女性が立っていた。おそらくは神職者だ。
顔は白い布で隠しているのでわからない。

「そこの台座に刀を置いてください」

「あ、はい」

神職者の女性に促されるまま、両手に持っていた刀を慎重に台座に置く。

「では、その刀にお好きな言葉で呼びかけてみてください」

「お、お好きな言葉で??」

「はい。なんでも構わないですよ」

なんでも良いというのが1番悩むんだよ…と思いながらも…そっと台座の刀を見つめる。

もし、事件に関わった時間犯罪者を捕まえることができれば…未来を取り戻せるかもしれない。
兄は……生きられるのかもしれない。



今でも、事件のことを思い出すと…悔しくて涙が止まらない。

歯の治療痕で辛うじて、本人と判別することができた…変わり果てた姿。

あんな姿を…見ないで済むのなら。


「私は…何としても、未来を取り戻したい。そのために、どうか…どうか…!力を貸してください!」




その瞬間、目の前で桜の花びらが舞った。









「よっ。鶴丸国永だ。俺みたいのが突然来て驚いたか?」

桜の花びらが舞うなか、白に近い銀髪に金色の瞳、真っ白な衣を身に纏った美しい人が微笑んで立っていた。