出会い
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さっきまで、談話室の中にいたはずだ。
ここはどこ?外?
私はさっき、確かに談話室にいて、
竜巻みたいなのに巻き込まれた。
身体が宙を舞って......宙を......
あ。
「うわああああああああああああ!!!!!! 」
落ちてる。
「Wait!!!No!!Wait!!!」
訳:まって!!むり!!まって!!
叫ぶも意味無し。
どんどん地面が近づいてくる。
「(もうダメ......っ!!! し、しぬ......!!!!) 」
ギュッと目をつぶって死を覚悟した。
その時だった。
「HAHAHAHAHAHA!!! もう大丈夫だ!
わーたーしーがー......きた!!!!!!!! 」
なにかを叫びながら斜め右上から飛んでくる人。
......うん?飛んでくる?こ、この人箒なしで飛んでる?
混乱する私をその人は素早く抱き抱えて、
地面にゆっくり降り立った。
「さあもう大丈夫!! 」
目の前の人が何か話してるんだけど、
この人だけなんかアメリカンコミックを切り抜いたような雰囲気を纏ってる。
それにもかかわらず口から出るのは、聞き慣れている英語ではなかった。
多分、日本語?なのだろうか。
昔、少しだけ日本に住んでいた頃に自分も話せていた気がする。
それなのに、何故か日本語も日本での思い出も、ぼんやりと他人事のようにしか思い出せない。
と、とりあえず、お礼を......
「アー、アリガトウゴザマス...... 」
「HAHAHA! 問題ない!! 外国の方かな?
個性を外で使ってはいけないよ!! それじゃあ! 」
早口でペラペラ話したあと、
そのアメリカンコミックは飛んでいった。
......やっぱり飛んでる。
彼はマグルではないのか。
そもそもここがどこなのか聞きそびれてしまった。
「(どうしよう......とりあえず大きい通りに出てみたら何かわかるかもしれない......)」
私はホグワーツの庭とは少し違う、
黒くて硬い道をとぼとぼ歩いた。
・
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ここ、イギリスじゃないわ……
大きな通りに出れれば、という淡い希望は一気に消え去り、
代わりに不安で頭の中がいっぱいになる。
周りを見れば見慣れない建物がズラッと並んでいた。
大きな道路には、マグルの乗り物である車が行き交っている。
お店と思わしき建物の看板には大きな字で【ドラッグストアー】と書いてある。
なんのお店か分からないけど、これはきっと【カタカナ】だ。
どうして海外にまで飛ばされてしまったんだろうか。
ローラとの交戦で互いに放ったのはエクスペリアームス、所謂、武装解除の呪文だ。
あの竜巻も意味がわからなかった。
一体どうなってるの......?!
「あーーもぉぉぉおお!!!! 」
思わず大きな声で叫んだ。
ハッとして口を抑えて周りを見るが、周りは誰もいなかった。
ホッと息をつくも、私は変な違和感を感じた。
「(こんな真昼間で、車も通ってるのに通行人がいない......?)」
人通りが少なそうな通りには見えない。
不思議に思っていると、遠くに人だかりが見えた。
「(あそこにみんな集まってるんだ!
なにか、イベントでもしてるのかな......?)」
人がいたという安心感で、
早歩きでその人だかりに近づく。
だけど、近づくにつれて、
あたりが異様な気配が漂ってきていた。
ひどく嫌な予感がする。
行くと、そこで人々が何か叫んでいた。
「やべぇって! ヒーローなんで棒立ちィ!? 」
「中学生が捕まってるんだ!! 」
「(......HERO? )」
彼らが何を言ってるかわからなかった。
でも、今この人だかりの奥でなにかヤバイ事が起こってるんだろう。
私は気になって、背伸びしながら奥を見た。
・
・
「 ( What!?!? ) 」
な、なんだあれ、ドロが、暴れてる。
人々の視線の先では、ドロが時折大爆発を起こしながら街を暴れ回っていた。
血色の悪いトロールのような色をした"ヘドロ"は、
どんどん街を爆破していく。
「(あれはなに!? 私一体どこに来ちゃったのよ!? )」
目の前で繰り広げられる非現実的な風景に思わず泣きそうになる。
「(ここにいたら絶対死ぬ.....!! )」
慌ててその場を立ち去ろうとしたとき、
そのドロの中に、一瞬だけ人が見えた。
.....あれは、人?
逃げようとした足をグッと踏みとどめてもう1度ドロをよく観察した。
そこには確かに少年がいた。
その時、私は彼がドロを操ってる犯人だと思った。
じっと観ていると少年と目が合う。
その少年は、操っているとは思えない、
不安と恐怖で助けを求めてる目をしていた。
私を、見てる、
私は思わず飛び出していた。
と、同時にもう1人、緑頭の少年が一緒に飛び出してきた。
「(え!? 危ない!!! ) Hey!!! Stop!!! Go back!!!! 」
私は思わず少年に叫んだ。
彼はきっとマグルだ。
こんなバケモノに叶うはずない。
けれど、彼は私を追い抜いてヘドロに立ち向かって行った。
気づけば私は走るスピードを緩めて彼を凝視していた。
「馬鹿ヤローーー!! 止まれ!! 止まれ!! 」
振り返ると後ろで人々が私たちに向かって何かを叫んでいる。
前を向くと少年が立ち向かっている。
私は何故か、緑頭の少年に釘付けになっていた。
彼が「しぇい!! 」という情けない声でカバンを投げると、ヘドロが一瞬間怯んだ。
私はその好きに杖を取り出して、叫んだ。
「アレストモメンタム!!!! 」
先ほどの大暴れが嘘のようにヘドロの動きが止まった。
中にいた少年を緑頭の少年が引っ張り出し、
彼の上半身だけヘドロから開放された。
しかし、
「(.....やばい.....っ!! 解ける.....っ!!! )」
この呪文は上級者レベル。
まだ4年生の私が放った付け焼き刃の呪文は、すぐに解けてしまった。
ヘドロが再度動き出し、もう1度少年を飲み込んだ。
「なんだ今の......!! お前か!! クソ.....ッ!! もう少しなんだから邪魔するなあ!!! 」
怒り狂って、私の目の前に迫ってくるヘドロ。
「無駄死にだ!! 自殺志願者かよ……!! 」
焦った声が後ろから聞こえてくる。
「(ま、守らなくちゃ.....!! )」
頭の中では防衛呪文を唱えろと叫んでいるのに、目の前のヘドロが怖くて、声が出てこない。
その上、足が竦んでその場から動けない。
あ、これは、だめだ。
今度こそ死ぬ、と目をつぶり死を覚悟した。
その時だった。
後ろからヒュンッと何か通り過ぎていった。
「君を諭しておいて己が実践しないなんて......!!!! 」
さっきのアメリカンコミックが、
「プロはいつだって命懸け!!!!!! 」
DETROIT SMASH !!!!!!!!
ブォォオオオ!!!!
一瞬でドロを倒した。
目の前のヘドロが散っていく。
「(デ、デジャヴ.....? )」
何が何だかワカラナイ。
なんて人なんだろうか。
パンチ一つであんな力を......?
ヘナヘナとその場に座り込む。
ポツポツと降ってきた雨に、周りにいた人々が歓声を上げる。
だけど、私は呆然とアメリカンコミックを見上げることしかできなかった。
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主人公の頭の中は日本語ですが、
一応英語を話しています。
英語表記の所はその場で口に出している時です。
叫び声などは割愛していますので、ご了承ください<(_ _)>
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