僕の愛しい人

「なまえさん、お誕生日おめでとうございます」



そう、今日は私の誕生日。
目の前には私のために、と昴さんが腕をふるってくれた豪華な料理と、誕生日プレゼントが並んでいた。

プレゼントは2つあるようで、ひとつは綺麗に彩られた花束。



「なまえさんには暖かみのある色が似合うと思いまして」

そう言って手渡されたのは、綺麗に束ねられた薔薇たち。
私を思い浮かべて選んでくれたと知って、心がじーんと暖かくなる。


大好きな昴さんに、誕生日を祝ってもらえるだけでこの上ない幸せだと感じていたのに…
こんなのズルいよ、もっともっと好きになっちゃうじゃん…



「左手を出していただけますか?」

言われるままに彼の左手の上に重ねると、かしずかれて指先に口付けられる。そして一つの綺麗な指環が静かに填められた。


「残念ながらまだ婚約指輪ですが、僕の方が色々と落ち着いたら、なまえさんに結婚指輪を贈らせてください」



薬指でキラキラ輝くそれには、私の誕生石であるエメラルドが埋め込まれていた。
そして外側に筆記体で刻まれた
"Te quiero"という刻印。


「昴さん、この刻印って…?」
「あぁ、それは僕からなまえさんへのメッセージです。よかったら調べてみてくださいね」




そう言い残して部屋を後にする昴さんの顔は、珍しく赤みを帯びていた。



2017/05/13 rewrite