素直になんてなってやらない!

彼は毎晩、私が家に帰ったら晩御飯を作って待っている。
もう何故?とか、お仕事は?という疑問はとうの昔に捨てた。きっと聞いたところで私が納得する理由なんて返ってこないから。

でも疲れて帰ってくる私にとって、それはすごく嬉しくて幸せなことだった。…本人には絶対言わないけどね。


だけど1つ気になることが。

彼はとても料理上手なわりに、何故か煮込み料理しか作らない。昨日はクリームシチュー、一昨日は肉じゃが、その前は……
思い出せば本当に煮込み料理しかない。彼の料理はとても美味しく好みの味付け。当然他の料理も食べてみたいと思うわけで。



「ねぇ、赤井さんの煮込み料理以外が食べてみたいんだけど」

そう言ってみると、

「俺は生憎煮込み料理しかしか教わってなくてな。なまえ、一緒に作ってくれないか?」

と言われた。
まぁ、いつも作ってもらってばっかりだしな…と思った私は、いいよと快諾して、レシピを取り出し2人で作ることにした。


作っていると、やはり毎日しているからか彼の手際がいいことに気づく。

「ここはどうしたらいいんだ?」

なんて時々聞かれながら、赤井さんと久しぶりの料理を楽しむことができた。




何だか赤井さんと並んで料理するのも悪くないかな…


「なぁ、なまえ。俺たち、まるで新婚みたいじゃないか?」




やっぱり撤回。
そうやってさらっと口説いてきたって、私は靡いてやらないんだから。


「まぁ待ってろ。今にそう言えなくしてやるさ」




2017/05/13 rewrite